「ベストの睡眠時間は?」「眠りが浅くても大丈夫?」睡眠の悩みを医師がずばり答えます。

2022年10月14日(金)20時30分 ココカラネクスト

 睡眠に関して悩みを抱える人が増えています。最近では「睡眠負債」という言葉も知られており、深刻化すると病気にもつながりかねないとあって注意が必要です。

 そこで今回は糖尿病、ダイエット、漢方専門医として疲労専門外来も行っている工藤孝文医師のユーチューブチャンネル「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」から睡眠にまつわる話題を取り上げます。

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睡眠時間のベストは?

 まず気になる睡眠時間について工藤医師は「議論の余地はある」としながらも、一般的には「7時間」がベストという見解を示しました。その上で年を重ねていくことで段々と眠りが浅くなっていくのは普通のことだともいいます。

 その主な原因は自律神経の乱れ。交感神経と副交感神経があり、互いにバランスを取って、体内を動かしていますが、年を取るにつれて、自律神経は乱れがち。そうなると「70をこえて7時間(連続で)眠れる人は少ない」と、どうしても睡眠時間は少なくなっていくといいます。

質のいい睡眠をとるためのポイントとは?

 では、体内時計を整え質のいい睡眠を取るにはどうすれば良いでしょうか。鍵を握るのは「入浴」と「朝の光」だといいます。

 良い睡眠を取るための1番簡単な方法は寝る2時間前に入浴すること。理由としては「体温が下がっていくときに脳は回復したり眠気が出るといわれている」ことから。その体の特性を生かし、「寝る2時間前に体を温めて、そこから体を1度冷やす」というのが、スムーズに睡眠に入るポイントだといいます。

 さらに入眠と同時に目覚めも快適な睡眠生活を送るために大事となる。「光刺激が1番体内時計を整えるのに良い」ということから、「カーテンを開けて寝てみる」ことを勧める。効用としては太陽の光で目覚めることが習慣化され、精神の安定や睡眠に深く関わっている神経伝達物質のセロトニンが生み出され、心地良い起床に結びつくという。

不眠のリスクとは

 また睡眠が十分に取れないことで病気に結びつきかねないということも知っておこう。糖尿病専門医としても診察を続ける工藤医師は睡眠を取れなくなる弊害として「高血糖、高血圧になり、体温の調節がうまくいかなくなる」ことを挙げる。体のメカニズムとして寝ている間は血糖値、血圧、体温も下がり、体を休めているところを、不眠が続くと前出のような状態となり、必然的に「感染症にかかったり免疫力が落ちたり、認知症になったり」という危険性が出てくるという。質の良い睡眠をしっかり取ることで生活習慣病を予防することにもつながっていくというのだ。

 健康の基本となる睡眠だからこそ、快眠で体調を整えたいもの。できることから取り入れてみよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。


工藤 孝文(くどう・たかふみ)

福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。
現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を担っている。
糖尿病、東洋医学・漢方治療、ダイエット治療を専門とし、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などメディア出演多数。
日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。

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