このクオリティで100円以下...だと? 激安だけど超個性的!茨城「麺のスナオシ」の確かな実力

Jタウンネット2022年10月24日(月)13時0分

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第九十三回 麺のスナオシ「ソースやきそば」と「辛い!拉麺」

文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第九十三回目となる今回は、茨城・水戸の即席麺メーカー、麺のスナオシの「ソースやきそば」と「辛い!拉麺」をレビューします。

どちらも「超」が付くレベルの激安カップ麺。それぞれ、カップ焼きそばなのにラーメンと同じカップであること、そしてやたら辛そうなパッケージデザインが、店頭で異彩を放っています。

麺のスナオシは北関東の即席麺メーカー

北関東には即席麺メーカーが群雄割拠。「ペヤング」のまるか食品や大黒食品が群馬県に、東京拉麺が栃木県に。そして茨城県は「ニュータッチ」でおなじみのヤマダイの本拠地。

また、「サッポロ一番」のサンヨー食品が創業したのも群馬県で、本社工場もありますし、他にも茨城の日清食品・関東工場を始め、大手メーカーの関連会社なども多く立地しています。

仮に北関東が分離独立したら、カップ麺先進国として世界に名を馳せることは間違いありません。

しかしカップ麺ファン以外の方ですと、「麺のスナオシ」という名前は聞いたことがない、と思われるかもしれません。

ただ、業務スーパーやドンキ、ディスカウント系スーパーなどで上の写真のような激安商品を見たことはないでしょうか。

これは筆者がドン・キホーテで税別78円で買ったものです。原材料の高騰などで値上げが進む中、驚異的な価格(値上げ前はさらに安価な68円で売られていました)のこちらが、麺のスナオシの商品。

パッケージの目立つところに「麺のスナオシ」の文字はなく(かつてはあったのですが、消えてしまいました)、製造者の文字列にひっそり書かれているのみ。まるでプライベートブランド商品のように陳列棚に並び、馴染んでいます。

自信の表れか、それとも...?

そんな商品が多い中、同社の公式サイトを確認してみると、2品だけパッケージに「麺のスナオシ」としっかり書かれている商品があります。

それが今回レビューする「ソースやきそば」と「辛い!拉麺」です。

果たしてこれは、メーカーの自信の表れなのでしょうか? それとも、単純にパッケージ変更が行われていないだけなのでしょうか......。

どちらも別添袋は2つで、粉末(焼そばソース・スープ)と具(ふりかけ・かやく)というシンプルな構成です。超安価品ながら具なしというわけではありません。

麺量を見ると「ソースやきそば」の方が7グラムほど多いですが、麺自体は両者まったく同じに見えます。

そしてそれは、先ほどの定番3商品も同じ。麺の共通化によるコストカットで激安を実現していることが窺えます。

安い!ジャンキー!ふりかけ!キャラの濃い「ソースやきそば」

まずは「ソースやきそば」から食べていきます。

カップ焼そばといえば一般的には四角い容器、もしくは「UFO」のような平たい容器が一般的ですが、この商品はカップラーメンと同じ形状。

コストカットの努力の一貫でしょうが、これが逆に特異な存在として目を引きます。

また「お得なおいしさ」を謳うなど、アピールポイントはやっぱり「安さ」。大勝軒の創業者である故・山岸氏の「量もおいしさのうち」との言葉は有名ですが、「安さもおいしさのうち」ですよね。

ソースは粉末状で、酸味と甘みが強いハッキリした味。コクとか旨みよりも、直線的な派手さに力点が置かれている印象で、かなりのジャンキーぶりです。

特にカップ麺を嗜好する人は、こういうわかりやすくジャンキーな味を好む場合も多いのではないでしょうか。

最近のカップ焼きそばとは一線を画す、昔懐かしい味でもあります。

麺は中太で縮れのついた油揚げ麺。他の商品にも共通で用いられている麺だと思われますが、角麺形状のがっしりした食感は派手なソースと相性が良く、しっかりバランスが取れています。

カップ焼そばとしては麺量が少なめ(7〜8割程度)なのは気になるところですが、2個食べても安価な価格設定だと考えれば、それほど欠点にはならないでしょう。

そして最も特徴的なのが大量の「ふりかけ」。

カップ焼そばでよく見られるあおさや紅生姜だけではなく、揚げ玉、かつお節、ごま、干しエビが入っており、特に揚げ玉やかつお節の香ばしさや食感が際立ちます。

ジャンキーなソースだけでも十分おいしいのですが、このふりかけは大きな武器です。

安価でジャンキーで、その上に大量のふりかけまでのった、キャラの濃いカップ焼そばでした。

激安&激辛のタッグは実現可能?

続いては、炎で真っ赤なパッケージでいかにも辛そうな「辛い!拉麺」。

ところで、激辛商品で安価なものというのは外国のものを除くとあまりないんですよね。

過度の期待は禁物ですが、「ソースやきそば」がおいしかったのでこちらにも期待してしまいます。

先入れの「スープ」と「かやく」を入れてみると、スープの粉末が赤いだけでなく、かやくにも唐辛子が。今までのところ、かなり徹底して辛そうです。

スープは魚介やキムチの風味が感じられる醤油味。

辛さは火を吹くほど辛いわけではないものの、安価品としては十分な辛口以上の辛さはありました。

ただ、辛さ以外は価格なりの味の薄っぺらさが拭えず、ある程度割り切って食べる必要はありそうです。

幸い、アレンジに耐えうる塩気や辛味は十分にあるので、キムチを追加してみたり、卵黄を入れてコクを増させたり、自分なりのアイテムをひとつ足してみると見違えるほどおいしくなりそうです。

具として入っているのは、ニラ、ネギ、そして糸唐辛子。ニラによって多少スタミナ感が出ています。また、糸唐辛子が入っていることで、ちょっと上品に見えるという効果がありました。

100円以下で買える超安価品でありながら、具の手を抜いていないのはお見事ではないでしょうか。

なお、麺は「ソースやきそば」と同じ中太麺と思われますが、焼そばと違いスープの中でだんだんやわらかい食感になっていきます。

チープでも「安かろう悪かろう」ではない

味のスナオシの、100円を大きく下回る超安価なカップ麺2品は、安価品ならではのチープさは拭えません。

でも、決して「安かろう悪かろう」ではなく、どちらも光るものを見出だせる商品でした。

特に焼そばは、酸味と甘みが強いジャンキーな味わいのソースに加え、ふりかけの揚げ玉やかつお節が香ばしさや賑やかな食感を加えており、文句ない良品です。

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