子どもの自然離れ、親子の興味関心が影響…白鴎大研究チーム
リセマム2018年11月20日(火)14時45分
白鴎大学は2018年11月19日、「地域の都市化が進んだとしても、子どもと親の興味関心を促せば、子どもの自然体験は維持できる」との調査結果を発表した。調査内容は、国際学術雑誌「Landscape and Urban Planning」誌の2018年12月号に掲載予定。
急速な都市化の進行や生活環境の変化に伴い、子どもたちが自然と接する頻度が減少傾向にある昨今、子どもが日常生活で自然と積極的に関わらなくなる「経験の消失」は、健康や教育などの面から大きな社会問題として、また環境破壊に歯止めをかけるうえでの根本的な障害のひとつとして認識されているという。そこで、白鴎大学教育学部准教授の山野井貴浩氏らの研究チームは、子どもの日常的な自然体験頻度がどのような要因で引き起こされているのかについて、栃木県内の小学5・6年生5,402人を対象にアンケート調査を実施した。
身近な緑地など(公園や草むら、雑木林や河川敷)に訪問する頻度について聞いたところ、全体の約7%が「ほとんど毎日」と回答した一方、約20%の子どもは皆無であった。身近な緑地の動植物の観察頻度についても同様の結果で、対象とした小学生の中でも自然体験頻度に大きなばらつきがあることがわかった。
次に、「自然体験のばらつき」が何によって引き起こされているのかを調査するため、データ解析を実施。その結果、子どもの自然体験頻度は、大きく「学校周辺の都市化度」「自然に対する関心の高さ」「子どもの自然遊びに対する保護者の態度」の3つの要因と有意に関連していることがわかった。具体的には、都市化があまり進んでいない学校に通う子、自然に対する関心が高い子、自然遊びに対してポジティブな態度をとる保護者(自然がある場所に連れて行くなど)の子は、より多くの自然体験を日常的に行っているということ。3つの要因のうち、相対的な影響力は後2者が突出して強いことがわかった。
調査の結果を受け、研究チームは「子どもの自然体験は、学校周辺の自然度の高さではなく、子ども自身の自然に対する興味や保護者の態度によって決まる」とまとめた。さらに、学校教育などを通じて子どもや保護者の自然に対する興味や関心を促すことは、子どもの「経験の消失」を防ぐうえでとても重要な働きを持つと考えられるとした。調査内容は、国際学術雑誌「Landscape and Urban Planning」誌の2018年12月号に掲載予定。
急速な都市化の進行や生活環境の変化に伴い、子どもたちが自然と接する頻度が減少傾向にある昨今、子どもが日常生活で自然と積極的に関わらなくなる「経験の消失」は、健康や教育などの面から大きな社会問題として、また環境破壊に歯止めをかけるうえでの根本的な障害のひとつとして認識されているという。そこで、白鴎大学教育学部准教授の山野井貴浩氏らの研究チームは、子どもの日常的な自然体験頻度がどのような要因で引き起こされているのかについて、栃木県内の小学5・6年生5,402人を対象にアンケート調査を実施した。
身近な緑地など(公園や草むら、雑木林や河川敷)に訪問する頻度について聞いたところ、全体の約7%が「ほとんど毎日」と回答した一方、約20%の子どもは皆無であった。身近な緑地の動植物の観察頻度についても同様の結果で、対象とした小学生の中でも自然体験頻度に大きなばらつきがあることがわかった。
次に、「自然体験のばらつき」が何によって引き起こされているのかを調査するため、データ解析を実施。その結果、子どもの自然体験頻度は、大きく「学校周辺の都市化度」「自然に対する関心の高さ」「子どもの自然遊びに対する保護者の態度」の3つの要因と有意に関連していることがわかった。具体的には、都市化があまり進んでいない学校に通う子、自然に対する関心が高い子、自然遊びに対してポジティブな態度をとる保護者(自然がある場所に連れて行くなど)の子は、より多くの自然体験を日常的に行っているということ。3つの要因のうち、相対的な影響力は後2者が突出して強いことがわかった。
調査の結果を受け、研究チームは「子どもの自然体験は、学校周辺の自然度の高さではなく、子ども自身の自然に対する興味や保護者の態度によって決まる」とまとめた。さらに、学校教育などを通じて子どもや保護者の自然に対する興味や関心を促すことは、子どもの「経験の消失」を防ぐうえでとても重要な働きを持つと考えられるとした。調査内容は、国際学術雑誌「Landscape and Urban Planning」誌の2018年12月号に掲載予定。
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