ノーベル平和賞記念コンサートで広島の「被爆ピアノ」が演奏される
Jタウンネット2017年12月23日(土)7時39分
[Jステーション−広島ホームテレビ]2017年12月12日放送の広島HOMEテレビ「Jステーション」で、ノルウェーの首都オスロで披露された被爆ピアノが紹介されました。
爆心地から3キロの住宅で見つかった
ノーベル平和賞授賞式の翌日に開かれた受賞者を称えるコンサートの舞台で、広島から運ばれた被爆ピアノが演奏されました。
授賞式で演説をしたサーロー節子さんなど、被爆者が見守る中、平和の音色を響かせました。
司会者から「この被爆ピアノは、私たちそれぞれの最愛の人、そして人間が作り出した全てのものは壊れやすく、一瞬で失われてしまうということを強く訴えているのです」と紹介されました。
被爆ピアノは、爆心地から約3キロメートル離れた南区・宇品の住宅で見つかったものです。表面には、ガラスの破片でできた被爆の傷跡が残っています。広島市内に住む、被爆2世で調律師の矢川光則さんが所有していて、このコンサートのために輸送しました。
演奏したのは、アメリカ人の歌手、ジョン・レジェンドさん。「被爆ピアノを弾くことができて光栄です。恐ろしい原爆でも残ったものとして、とても大事なものだと思います」といわれていました。演奏が終わると、観客から大きな拍手がわき起こりました。
矢川さんは、「被爆ピアノの音色を通して、平和の尊さを考えてもらうみなさんのきっかけになるのでは」といわれていました。
原爆の恐ろしさを、物言わないピアノの音色が伝えたこのコンサートは、多くの人の心に大切なものを残してくれたように思えました。(ライター・石田こよみ)
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