【箱根駅伝】駒大・佐藤圭汰が復活の7区区間新!故障明け10か月ぶりレースも異次元の57秒更新で復路新V導いた

2025年1月4日(土)5時15分 スポーツ報知

7区で区間新記録の快走を見せた駒大・佐藤(カメラ・池内 雅彦)

◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート〜東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 2年ぶりの覇権奪還を狙った駒大は総合2位だったが、復路は5時間20分50秒の新記録で青学大を上回り優勝した。故障明けの7区・佐藤圭汰(3年)が激走。約10か月ぶりのレース出走も覚悟を持ってハイペースで走破し、1時間0分43秒の区間新記録をマークした。今年はトラックで東京世界陸上(9月)の代表入りを視野に入れる日本の有望株は“箱根から世界へ”を体現していく。

 駒大の怪物・佐藤はやっぱり強かった。10か月ぶりの復帰戦でも関係なし。7区で従来の記録を57秒更新する区間新を樹立し「区間記録を一つの目標にしていた。確実に力がついたと実感できましたし、復路優勝に貢献できたことが良かった」と大粒の汗を拭った。

 6区の伊藤蒼唯(3年)が4位から3位に押し上げ、仲間からの熱いタスキを受け取った。「絶対にいい流れをつくってやろう」と力強く走り出すと、速さは異次元。すぐに中大を抜いて順位を2位に上げ、4分7秒あった首位・青学大との差も一気に1分40秒まで詰めた。藤田敦史監督(48)は大黒柱の圧倒的な強さに「大丈夫かなって心配しながら見ていたが、私の杞憂(きゆう)に終わりました。彼の走りに勇気をもらった」と目を細めた。

 2024年は成長の年だった。1月に5000メートルで13分9秒45、2月は3000メートルで7分42秒56と連続で室内日本新記録を樹立するなど勢いに乗っていた中、4月に恥骨を故障。復調して向かった約1か月間の米国合宿後の9月にも、同箇所に違和感が出た。そこで改善点が浮き彫りになった。故障の原因は内転筋とでん部の筋肉が弱さと判明。継続的に鍛え「(足の)接地の仕方が良くなったし、腕振りもコンパクトにバランスも良くなった。体を見つめ直すいい機会になった」と糧にした。

 栄養面も見直した。米国で出会った海外選手は「みんなゴツくて、今の自分の体では全然太刀打ちできない」と刺激を受けた。帰国後はタンパク質を多く摂取。体重は67キロから69キロまで増え「質のいい筋肉になった」と進化を実感する。11月から本格的に練習を再開し、箱根路に間に合わせた。

 箱根駅伝で区間新記録を樹立しても、復路Vに導いても序章に過ぎない。「まだ(本調子の)70%」というから末恐ろしい。次の目標は「東京の世界陸上で悔しさを晴らしたい」と5000メートルでの出場を狙う。「明日からは1500、3000、5000メートルで日本記録を目指してやっていきます」。箱根で進化し、駒大のエースは世界へと飛び出していく。(手島 莉子)

 ◆佐藤 圭汰(さとう・けいた)2004年1月22日、京都市生まれ。20歳。小学4年時に陸上を始め、洛南高3年時に1500〜5000メートルで高校日本記録を更新。22年、駒大経済学部に進学。23年11月に1万メートルで27分28秒50を記録し、U20日本記録を更新。24年1月に5000メートルでマークした13分9秒45も室内日本記録。3大駅伝は1年時に出雲2区区間新、全日本2区2位。2年時に出雲2区区間賞、全日本2区区間新、箱根3区2位。184センチ。

 〇…佐藤を指導する大八木弘明総監督(66)は、教え子の見せた区間新記録に驚く様子はなかった。「持久力の練習は少しやりましたけど、スピードトレーニングはあまりやっていなかったからね。まだ8割程度です」と淡々。故障明けだったため、レース前は「あんまり気負わずに、気楽に。でも誰にも負けられないぞ」と送り出した。

スポーツ報知

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