メジャー復帰願望は消えず 米メディアで沈黙を破ったバウアーが自身の過ちを語る「僕は良い人間になろうとしている」

2024年1月5日(金)12時0分 ココカラネクスト

母国でのプレーを熱弁するバウアー。その切実な想いは実るだろうか。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本からメジャー復帰へ。NPBで話題を振り撒いた助っ人の意思は固い。現地時間1月4日、元横浜DeNAのトレバー・バウアーが米放送局『FOX News』の番組「America’s Newsroom」に生出演。「アメリカで野球がしたい」と熱く訴えた。

 昨年3月にDeNAへ鳴り物入りで加入したバウアーは、19先発で2桁勝利(10勝)を記録。途中、離脱を余儀なくされる時期はあったが、防御率2.76、WHIP1.15、QS率78.95%とハイアベレージをマークし、20年にメジャーリーグでサイ・ヤング賞を獲得した実力派投手としての矜持を見せた。

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 単年契約が終了した今オフは、代理人がメジャーの複数球団と面談を公表するなど、母国復帰に動いていた。

 しかし、素行に対する懸念が各球団の出足を鈍らせている。21年に知人女性へのDVを疑われたバウアーは禁止規定違反に抵触。メジャーリーグ機構から324試合の長期の出場停止処分(その後、処分は194試合に短縮)を受けた。すでに処分は終了し、今年10月には同問題も和解に至ったのだが、今に至るまで米球界内で「問題児」のレッテルを貼られている感が否めない。

 そうした状況で反省した姿を見せる意味もあったのか。丸刈り姿で番組に出演したバウアーは、「多くのことが起こり、法的なプロセスもあった。時期が悪かったが、ようやく良くなって今は話せるようになったことがうれしい」と、約2年間にわたって米メディアの取材を受けていなかった理由を吐露。そのうえで、自らの身の潔白を改めて主張した。

「100%、同意の上だった。僕は性的暴行をしたことは決してない。この2年半は、そのように見られてきたが、それは自分の人間性を示したものではない。誰に対しても性的暴行を加えたことはない」

 ただ、当時のバウアーには私生活の乱れはあった。それは本人も素直に認めている。「過ちを犯したことは分かっている。こうした経験から、どのように良くなっていけるのか、それが今、僕が目を向けていることだ」と語り、こう猛省した。

「私生活で過ちを犯してしまった。野球やトレーニングにおいては、細部にまで気を使うけど、私生活では同様の気遣いをしていなかったんだ。僕は間違いを犯した。やるべきでなかったことをしていたことに同意する。その過程で多くの人を傷つけた。MLB、ドジャース、さまざまなチームメート、友人、家族、私に近い人たちを難しい状況にさせてしまった。だから、そのことについてじっくりと考え、取り組むために私生活の多くを変えた。例えば不特定多数(女性)との性的関係はもう持っていない」

 騒動から約2年半で改心した様子を見せるバウアーは、「32歳になり、自分が成長したことは確かだ。5年前、10年前とは見方が大きく変わった。違う物事が大切になった」とも強調。そのうえで、メジャー復帰に対する想いを語る。

 もっとも、現状としてバウアーは、交渉こそ持ち掛けてはいるものの、どの球団からも返事が返ってきていないという。ただ、それでも「野球をするのが好きだ」と熱弁を振るった32歳は、こう続けている。

「アメリカで野球をプレーすることが、今の目標だ。自分は世界で最高の投手の1人だと思っている。だから最高のレベルで競い合いたい。ここ2年半は人々を助け、野球のために情熱を捧げている。残念ながらキャリアの前半で多くを失ったと思うが、より良くするために2度目のチャンスを得たい」

 過去の過ちを認め、「今は責任を負っている。僕は良い人間になろうとしている。さらに良くなれるような機会を得たい。自分は変わった」と訴えたバウアー。沈黙を破り、米メディアの前で切実に語った姿は、停滞するメジャー球団との交渉を推し進めるものになりえるか。

 米球界でチャンスを求める男に手を差し伸べる球団が現れなければ、日本球界で活躍の場を求める可能性もゼロではなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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