酒米「山田錦」発祥の地出身の巨人投手が地元でライバルに負けず「生涯守護神」を誓う「ずっと9回を投げ続けたい」

2025年1月5日(日)5時30分 スポーツ報知

トークショーの抽選会でサインボールに当選した小学校時代の担任とハグを交わす大勢(カメラ・渡辺 了文)

 巨人の大勢投手(25)が4日、地元の兵庫・多可町民の期待を胸に新加入のライデル・マルティネス投手(28)と競い合い、さらなる高みを目指すことを誓った。多可町でトークイベントに参加した右腕は「向上心を持ち続けながら、ずっと9回を投げ続けたい」と生涯守護神の目標を宣言。ライバルの存在も刺激に「一丸となって日本一を目指したい」と決意を示した。

 ふるさとの温かい拍手と激励を受け、大勢は大きな声で誓いを立てた。「今シーズンはしっかり日本一になって、また胸を張って帰ってきたいと思います」。故郷の兵庫・多可町で、545人の町民を前にトークイベント。地元ファンの高まる期待を肌で感じながら、自身初の日本一を約束した。

 ライバルの存在を成長につなげる。今季は4年総額50億円超の大型契約で前中日のマルティネスが加入。阿部監督は8回・大勢、9回・マルティネスの構想を明かしているが、年が明けて前向きな思考に切り替えたという。「競争しながら自分のポジションをつかむのがプロ。いいチームメートが入って学ぶこともある。高いレベルの環境でやれるのはいい経験になるし、相乗効果にもなる。力を合わせて日本一取りたい」。ハイレベルな競争が生むメリットにも期待した。

 簡単に9回を譲るつもりはない。「向上心を持ち続けながら、ずっと9回を投げ続けたい」と生涯守護神への思いを明かした。将来的なメジャー挑戦の可能性には「まだ新人王しかタイトルをとってないですし、圧倒的な成績を残していないので…」と足もとを見つつ、「プロ野球選手である以上、高みを目指さないといけない」と憧れも口にした。年越しまで、昨季メジャー1年目で15勝を挙げたカブス・今永と自主トレ。「今永さんに教えていただいたポジティブシンキングで壁を乗り越えていきたい」と新シーズンへ目を向けた。

 イベントには家族や友人、自身が在籍していた八千代少年野球クラブの子供たちや担任の先生らも集まった。「シーズン中から温かい声援をいただいていたので、こういうイベントができてうれしい。今度は日本一を祝ってもらえるように、地元を盛り上げられるように野球で活躍したい」。多可町への愛を原動力に、大勢はさらなる高みを目指していく。(水上 智恵)

プロ入りきっかけは 坂本勇人の「楽しく」

 キラキラとした目で見つめる地元の子供たちを見て、大勢は原点を思い出した。トークショーでは、大事な言葉の一つに「楽しく」という言葉を挙げた。

 小学生の時、両親と東京Dを訪れた大勢少年は、球場の一角にある選手のサインを見つけた。「坂本(勇人)さんのサインの横に『楽しく』って書いてあって。それから少年野球の帽子に『楽しく』って書きました。その方と一緒にやってるのは感慨深い」と懐かしんだ。

 今ではチームメートとなった坂本の言葉を胸に、プロの舞台でも楽しみながらマウンドに立つ。「(昨年の)シーズン終盤は8回から回またぎする時に『これを抑えたらヒーローだ!』という気持ちで楽しんでいた。楽しむためには、やらなきゃいけないこともたくさんあるけど、それが努力なので」

 同じ兵庫出身の坂本から大勢へ。地元のきれいな空気を吸いながら、スター選手が持つ影響力を再認識した。(巨人投手担当・水上 智恵)

◆多可町(たかちょう) 兵庫県の東播磨地域の内陸部に位置し、2005年に旧中町、旧加美町、旧八千代町の3町が合併して誕生した。直線距離で神戸まで約45キロ、大阪まで70キロ。酒米の王ともいわれる「山田錦」、900年以上の歴史を持つ手すき和紙「杉原紙」発祥の地として知られる。人口約1万8000人。

スポーツ報知

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