スーパーGT:“ほぼそのまま”で臨むニッサンGT500陣営、期待される車両開発陣の奮起

1月17日(金)11時3分 AUTOSPORT web

 近年は横浜の日産自動車グローバル本社で行なわれていた同陣営のスーパーGT GT500体制発表。2020年は趣向を変え、東京オートサロンの会場で全4台のドライバーラインアップがアナウンスされた。


 このオフには松田次生の23号車離脱やロイック・デュバルの加入などさまざまな噂がささやかれていたが、フタを開けてみれば、そうはならなかった。3号車(B-MAX)はフレデリック・マコヴィッキのシートに千代勝正が収まり、12号車(インパル)はジェームス・ロシターに代わって平峰一貴が抜擢された。


 2016年から2018年までの3年間は本山哲とコンビを組んでGT500を戦っていた千代だが、昨年はIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジに集中。1年間のブランクを経て2020年は復活参戦となる。


「昨年のIGTCはレベルが高く、非常にやりがいのあるシーズンでした。国内はテレビの解説やレポーターの仕事で現場にいたけど“サーキットにいるのにレースをしない”というのは不思議な感覚で、正直に言えば……悔しい気持ちがなかったわけじゃない」と本心を打ち明けた千代。


「だから、そうした時間も無駄にしたくなかった。ドライバーとしてではなく“一歩引いたところから広い視野でレースを見る”ことでいろいろと勉強できた。そういう意味では空白の1年間ではあったけど、いまになって思えば必要な時間だったとも思います」


 一方の平峰一貴は、今年がGT500デビューとなる。チームメイトとなる佐々木大樹とは「カートのころからお互いによく知る間柄」で、2012年の全日本F3選手権まではコース上のライバルでもあった。


 その後、佐々木が早々にGT500へステップアップを果たしたのとは裏腹に、平峰のもとにそうしたチャンスは訪れず、スーパー耐久やGT300で、じつに7シーズンもの時間を過ごした。


 そんな平峰らしいのはGT500への昇格を素直に喜びながらも「僕らの仕事は何度もチャンスをもらえる仕事じゃない」と語り、1年目から速さと結果を貪欲に求めていく姿勢を示した点だ。


 ソフト面の変更が“千代の復活”と“平峰の抜擢”という2点にとどまったのは、ハード面の事情を少なからず考慮してのことだろう。ベース車両こそGT-Rで変わらないものの、2020年は開発テストが許された3年に一度のタイミングでもある。


 現行規則が導入された2014〜16年までの3年間、GT-Rの戦闘力は他車を凌駕しており、ニッサン陣営4台の平均シリーズランキングは6.3位だった。ところが、2017〜19年までの第2世代になると、これが11.3位にまで低迷した。


 つまり、2020年からの3年間に向けては、車両のパフォーマンスを取り戻すことが第一義となる。そのためにもソフト面の変更を最小限にとどめ、“Class1+α”となる車両開発を加速させようとしているのであれば合点がいく。


 昨年12月のセパンテストではトヨタとホンダが各1台ずつの開発車両を持ち込んでいたのに対して、ニッサン陣営だけが2台を走らせていたのも、そうした狙いの一環と捉えることもできる。


 さらに、昨年までは精彩を欠く場面が多く見受けられたエンジンも、2020年に向けては抜本的なテコ入れをはかってくると考えるのが自然だ。ホンダとトヨタがすでにプレチャンバーとも呼ばれる副燃焼室を設けて大幅な出力向上に成功したと噂されているなかで、ニッサン陣営は未導入と言われている。


 ドライバビリティや信頼性の確保に時間とコストを要するだろうが、昨年までの戦況を踏まえればニッサン陣営が同技術の投入に踏み切っても不思議ではない。


 1年間のブランクを経た千代が腐ることなく復帰を果たし、苦渋を味わい続けた平峰が念願のGT500のシートを手に入れることとなったニッサン陣営。総体的に見れば“ほぼ継続”と言えるドライバーラインアップだからこそ、次に期待されるのは車両開発陣の奮起であり、マシン性能向上のためのリソース集中──そのなかでも、とくにエンジンの相対的な戦闘力に注目していきたい。



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