2024シーズン全J1クラブの補強診断&ランキング(16~13位)

2024年1月24日(水)14時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

2月23日に開幕戦を迎える2024明治安田J1リーグ。参加クラブは昨2023シーズンから2つ増え、全20チームが優勝や残留を争うこととなる。2024シーズンからJ1、J2、J3ともに20クラブに統一され、各カテゴリー間の昇降格枠もそれぞれ3枠となったことで、昨シーズン以上に熾烈な残留争いが繰り広げられるのは必至だ。


このシリーズでは、今シーズンJ1リーグで戦うクラブの補強に注目。今冬の移籍市場(1月22日時点)における戦力変化について相対評価5段階(A:大きくプラス、B:プラス、C:ややプラス、D:マイナス、E:大きくマイナス)で4クラブずつまとめていく。なお、順位予想やクラブ全体の戦力診断ではなく、移籍状況による戦力評価ランキングとなっている。


関連記事:2024シーズン全J1クラブの補強診断&ランキング(20〜17位)




湘南ベルマーレ 写真:Getty Images

16位:湘南ベルマーレ


移籍・加入による戦力評価:D


主な移籍選手(OUT)



  • DF石原広教(浦和レッズへ完全移籍)

  • MF齊藤未月(ヴィッセル神戸へ完全移籍)

  • MF中野嘉大(横浜FCへ期限付き移籍)

  • FW大橋祐紀(サンフレッチェ広島へ完全移籍)

  • FWタリク(契約満了に伴い退団)※去就未定


主な加入選手(IN)



  • DFキム・ミンテ(鹿島アントラーズから完全移籍)

  • MF鈴木雄斗(ジュビロ磐田から完全移籍)

  • MF奥野耕平(ガンバ大阪から完全移籍)

  • FWルキアン(アビスパ福岡から完全移籍)


16位は、昨シーズン残留争いに巻き込まれながらも15位でJ1に留まった湘南ベルマーレ。守備はなかなか安定しなかったが、夏場に鹿島アントラーズから期限付き移籍で加入したDFキム・ミンテが出場するようになって以降は改善した。


今冬の移籍市場で完全移籍したミンテは、シーズンを通してディフェンスリーダーとしての活躍が期待される。同様に、ガンバ大阪から期限付き移籍で加入し27試合に出場したMF奥野耕平も完全移籍へ移行。また、運動量豊富なDF石原広教が浦和レッズに移籍となった右サイドには、ジュビロ磐田からMF鈴木雄斗を確保した。


離脱期間を除いて前線のキーマンとなり続けサンフレッチェ広島に移籍したFW大橋祐紀の後釜には、同様に献身性と機動力を持つFWルキアンをアビスパ福岡から獲得。大橋の得点率(90分あたり約0.64)と献身性を考え16位としたが、ある程度の不安は解消されたといえるだろう。




アビスパ福岡 写真:Getty Images

15位:アビスパ福岡


移籍・加入による戦力評価:D


主な移籍選手(OUT)



  • DF三國ケネディエブス(名古屋グランパスへ完全移籍)

  • MF井手口陽介(セルティックへ復帰後、ヴィッセル神戸へ完全移籍)

  • MF中村駿(ジュビロ磐田へ完全移籍)

  • FW山岸祐也(名古屋グランパスへ完全移籍)

  • FWルキアン(湘南ベルマーレへ完全移籍)


主な加入選手(IN)



  • MF松岡大起(清水エスパルスから完全移籍)

  • MF重見柾斗(福岡大学から新加入)

  • FW岩崎悠人(サガン鳥栖から完全移籍)

  • FWナッシム・ベン・カリファ(サンフレッチェ広島から完全移籍)


15位は、昨シーズンクラブ史上最高の7位に加えルヴァン杯でも初タイトルを獲得したアビスパ福岡。ここ数年と同様に継続路線を維持し、選手の入れ替わりもOUTが7人、INは6人と少数に留まった。OUTで最も注目すべきはMF井手口陽介とFW山岸祐也だろう。


セルティックで出場機会を得られなかった井手口は、期限付き移籍した福岡で復活を遂げた。今冬セルティックに復帰したが、その後ヴィッセル神戸への完全移籍が発表された。山岸は2シーズン続けて2桁得点を挙げていた万能型FWだったが、新シーズンは名古屋グランパスへの移籍を選択している。


一部の主力流出は防げなかったが、一方でピンポイント補強かつ若返りに成功。ボランチにはいずれもパリ五輪世代であるMF松岡大起、MF重見柾斗を獲得。[3-4-2-1]のシャドーにはFW岩崎悠人、1トップにはFWナッシム・ベン・カリファを獲得した。左のシャドーは補強ポイントだっただけに、岩崎の加入はかなりのプラスに捉えられ、ボランチと最前線を除いてマイナスポイントは見当たらない。全体としては戦力ダウンだが、ダメージはそれほど大きくはないとみて15位とした。


アルビレックス新潟 写真:Getty Images

14位:アルビレックス新潟


移籍・加入による戦力評価:D


主な移籍選手(OUT)



  • DF田上大地(ファジアーノ岡山へ完全移籍)

  • DF渡邊泰基(横浜F・マリノスへ完全移籍)

  • MF高宇洋(FC東京へ完全移籍)

  • MF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダムへ完全移籍)


主な加入選手(IN)



  • DF遠藤凌(いわきFCから復帰)

  • MF宮本英治(いわきFCから完全移籍)

  • MF長谷川元希(ヴァンフォーレ甲府から完全移籍)

  • FW小野裕二(サガン鳥栖から完全移籍)


14位は、昇格1年目ながら2列目の選手の特徴をいかして昨2023シーズンを10位で終えたアルビレックス新潟。今冬の移籍市場では3人の主力がチームを離れた。2023シーズンにJ1月間最優秀ゴールを2回受賞したMF三戸舜介、ボランチの主軸だったMF高宇洋、センターバックへのコンバートを機にブレイクしたDF渡邊泰基といずれも中心選手だっただけに、彼らのマイナスは小さくない。


他方、2024シーズンに向けた補強も明確な「新潟らしさ」を貫くものとなった。ヴァンフォーレ甲府の背番号「10」MF長谷川元希を2列目に加え、身体を張ることが求められる1トップには2023シーズン9得点を挙げ起点となれるFW小野裕二を獲得。また、ユーティリティプレーヤーのMF宮本英治と期限付き移籍先でセンターバックとして経験を積んだDF遠藤凌の2名をいわきFCから加えた。


最前線の小野は大きなプラスだが、主力3人が抜けたポジションはややマイナス評価に。しかし、アビスパ福岡と比較すると移籍のダメージはやや少ないと思われ14位とした。




東京ヴェルディ 写真:Getty Images

13位:東京ヴェルディ


移籍・加入による戦力評価:C


主な移籍選手(OUT)



  • DF奈良輪雄太(引退)

  • DF加藤蓮(横浜F・マリノスへ完全移籍)

  • MF中原輝(セレッソ大阪へ復帰)

  • MF北島祐二(アビスパ福岡へ復帰)

  • MF長谷川竜也(横浜FCへ復帰)


主な加入選手(IN)



  • DF袴田裕太郎(大宮アルディージャから完全移籍)

  • MF翁長聖(町田ゼルビアから完全移籍)

  • MF山田楓喜(京都サンガから期限付き移籍)

  • MF永井颯太(いわきFCから完全移籍)

  • MF見木友哉(ジェフユナイテッド市原・千葉から完全移籍)

  • FW山見大登(ガンバ大阪から期限付き移籍)


13位は、見事プレーオフを勝ち抜いてJ1昇格を決めた東京ヴェルディ。新シーズンは16年ぶりのJ1復帰となるが、資金力ではJ1の他クラブと比べて大きく劣るため派手な補強は難しい。実際に主力のDF加藤蓮が移籍し、期限付き移籍で加入していたMF中原輝、MF北島祐二、MF長谷川竜也は所属元のクラブへ復帰となった。


それでも、可能な限りの戦力アップは叶った印象だ。DF加藤蓮が抜けた左サイドバックには町田ゼルビアからMF翁長聖、中盤にはジェフユナイテッド市原・千葉からMF見木友哉、左サイドハーフにはガンバ大阪からFW山見大登を獲得した。2023シーズンから変更がないためOUT・INに名前がなく評価には加えていないが、FW染野唯月とDF林尚輝の期限付き移籍延長にも成功している。


戦力はある程度アップしたといえるだろう。ただし、20番目の位置で昇格したことから分かるように、そもそもの戦力では他クラブの後塵を拝する。J1残留を達成するには選手の成長と城福浩監督の志向する攻撃的なサッカーの更なる浸透が欠かせない。

FOOTBALL TRIBE

「ランキング」をもっと詳しく

「ランキング」のニュース

「ランキング」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ