メルセデスF1、新車製造の過程で重要なのは「時間の枠を守ること」かつては最善の状態で開幕を迎えられなかったと明かす

2024年1月26日(金)11時45分 AUTOSPORT web

 バーレーンでのプレシーズンテスト開始まで1カ月を切るなか、F1チームは24時間体制で2024年シーズンに向けたマシンの準備を進めており、メルセデスもライバルと同様に総力戦に入っている。ブラックリーのクルーたちはレッドブルや他のチームとの差を埋めるためのW15を設計するという課題に取り組み、今は有望なマシンの製造過程に入っている。


 メルセデスは、この多忙な時期における成功はチームの価値観と行動に支えられていると述べている。彼らはプレッシャーのなかで効果的に連携できる強固なチーム文化を構築するために、懸命な取り組みを行ってきた。各部門はそれぞれの分野に精通しているが、優れたマシンを生み出すためにそれぞれが信頼し合っている。信頼と敬意が重視され、問題は常に迅速かつ効率的に解決される。


 メルセデスF1のチーフオペレーティングオフィサー(COO)を務めるロブ・トーマスは、1年で最もハードなこの期間に舞台裏で何が起きているのかを明かした。


「文字通り何千もの部品が到着し、検査と基準テストが行われている」と、トーマスはチームのウェブサイトのインタビューで説明した。


「それらはさまざまな部分組立品に加工され、テストおよび開発部門で疲労、信頼性、パフォーマンスのテストが行われる。これらの部門は24時間365日のシフトパターンで稼働しているため、ファクトリーのスタッフにとっては非常に厳しい時期だ。スタッフたちは深く専念している」


「非常に多くのことが起きており、期限に向けてすべてをまとめなければならない。この時期に重要なのは、時間枠を守り、あらゆる可能性を調べ尽くすことだ。テストやレースに臨むにあたって最高のコンディションを整えるために、そうすることが必要だと我々はわかっている。さもなければ今後、さらに大きな影響を及ぼす問題を発見することになる。我々はスピードとクオリティのバランスを常に追求している」

ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)


 メルセデスの生産および製造の機能は非常にスムーズなものだが、プロセスの最適化は長年の課題だった。


「チームでの振る舞いや、決められた価値観を徹底するために、長年にわたって熱心に取り組んできた」


「まさにこの時期に結集し、全員が(ファクトリーに)いる。それに各部門はそこでの仕事の専門家だ。しかしマシンを作り上げるには、あらゆる部門が密接に連携している必要がある。すべてのことは丁寧に、しかし非常に早く進められる。各分野に信頼が置かれている。誰かを責めるようなことは決してない。誰かが問題を抱えたら彼らは解決するし、助けが必要なら相談に来る」


 2010年にブラックリーに着任したメルセデスF1チームの長年のメンバーであるトーマスは、12月から1月の最も多忙な時期のことを振り返り、これまでは期限を超えることが多かったと述べた。


「詳細な計画はあったが、あまり尊重されていなかった。社内で決められた日にちの多くは任意の面が少々あり、その期限に間に合うように最善を尽くしはするが、大抵は間に合わなかった。物事は遅々として進まず、結局スタッフたちは混沌とした消火活動のようなやり方で働き、パーツをまとめようとしていた」


「パフォーマンスや信頼性の点で、必要な結果を得ることができなかった。そのためにまったく次善の状態で開幕戦に臨むことになってしまい、求めているような学びが得られず、人々が燃え尽きてしまう」


 時間の経過とともに、エンジニアリングとオペレーションの分野の強力なリーダーシップが、メルセデスが直面する課題に対処する助けとなった。チームは現在、スタッフの健康を優先させながら、期限に間に合わせるという立場をとっている。


 言うまでもないことだが、F1のプレシーズンテストはシーズンが始まる前に全員が貴重なデータを収集できる唯一の機会となるため、F1チームにとって非常に重要なものだ。メルセデスF1チームは、スタッフのハードワークと力強いチーム文化によって状況を好転できると確信している。

2023年F1第21戦サンパウロGP ルイス・ハミルトン&ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2014年F1アメリカGP表彰式 左から2位ニコ・ロズベルグ(メルセデス)、ロブ・トーマス(メルセデス オペレーション&クオリティディレクター)、優勝ルイス・ハミルトン(メルセデス)、3位ダニエル・リカルド(レッドブル)

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