Astemo REAL RACINGの塚越広大、3年連続王座争いのなかで見えた“課題”解決目指す

2023年2月14日(火)11時17分 AUTOSPORT web

 2月8〜9日、岡山県の岡山国際サーキットで、スーパーGT GT500クラスに参戦する10台の車両が参加してのHRC主催のメーカーテストが行われた。2日間4セッションのテストでは、5台が参加したホンダNSX-GT勢が速さをみせ、4台のトヨタGRスープラ勢、そして前年チャンピオンのTEAM IMPULのニッサンZ GT500に差をつけている。2022年はチャンピオンを争いながら、ランキング4位となったAstemo REAL RACINGの塚越広大に、メーカーテストで取り組んでいること、そして2023年への課題を聞いた。


 Astemo REAL RACINGは2020年は2勝を飾りながらもランキング3位、2021年は第2戦富士で優勝を飾りランキング6位。2022年は第7戦オートポリスで優勝を飾りタイトルを争ったが、ランキングでは4位に。チャンピオンを争う“素地”は揃っているように感じさせたが、3年連続で王座には届かなかった。


 そんなAstemo REAL RACINGの17号車NSX-GTは、1月に鈴鹿で行われたテストに参加した後、2月8〜9日に岡山でのテストに参加。その間に行われた富士でのテストは参加しなかったが、17号車を含めNSX-GT全体にスピードがあり、タイムでは上位を占めている。


 2008年にスポットでチームに加わった後、2009年からずっとチームを牽引し続けている塚越は、ホンダが速いようだが……と話を向けると「なんだか調子が良さそうですね」という。ただ、当然ながらメーカーテストは一発の速さを追い求めるテストではない。


「他社に対してどうこう……というより、僕たちには僕たちの課題がありますからね。2023年に向けてはレギュレーションがほぼ変わらないなかで、2022年の状態からどう煮詰めていくか、という作業を各チームがやっていると思いますし、まだまだ詰められるセットアップ等があるのでは、とやっています。僕たちとしては、昨年いくつかやり切れなかった部分を取り組んでいます」と塚越。


 2023年に向けては、ホンダ勢では3台でドライバーラインアップの変化があった一方で、TEAM KUNIMITSUの山本尚貴/牧野任祐組、そしてAstemo REAL RACINGの塚越/松下信治組は変更はない。この点については「昨年から継続なのでやりやすさはありますね」と塚越は言うが、ホンダ内ではARTAの8号車、16号車を警戒する。実際、富士でも岡山でも2台が速さをみせている。


「今回のリザルトを見ていると、ARTA無限の2台は強敵だと思います。もともとTEAM KUNIMITSUも強さがあるなかで、その2台は同じホンダ陣営のなかでもライバルになってくると思っています」


 3年連続でタイトル争いに絡みながら栄冠に届かなかった塚越、そしてAstemo REAL RACINGにとって、2023年は今度こそチャンピオンを手中に収めたい一年だ。そして、そのための大事な“課題”について塚越は語った。


「僕たちとしては、それこそ2020年から毎年タイトル争いができるレベルにもってこられたと思っていますが、どうしても“最初”と“最後”の弱さが目立ってしまっていて、そこを改善していきたいと思っています」


 実際、この3年間の戦績を見ても、サクセスウエイトが軽い第1戦、第2戦、そしてウエイトが下りる第8戦での結果があまり良くない。


「サクセスウエイトを積んでからの強さはもともとあるのですが、特に最終戦で速くないと、チャンピオンを獲れないですからね。そこに関しての問題を改善しないといけないと思っています」と塚越。


 課題は見えている。この冬のNSX-GT勢の速さを開幕ダッシュに繋げられるか、注目したいところだろう。

2023スーパーGT岡山メーカーテスト Astemo REAL RACINGの17号車ホンダNSX-GT
2023スーパーGT鈴鹿メーカーテスト Astemo REAL RACINGの17号車ホンダNSX-GT
2023スーパーGT岡山メーカーテスト Astemo REAL RACINGの17号車ホンダNSX-GT
2023スーパーGT鈴鹿メーカーテスト Astemo REAL RACINGの17号車ホンダNSX-GT

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