メルセデスF1の新車W10の開発期間はおよそ16カ月、一切の慢心なく万全の体制で6連覇を目指す

2019年2月17日(日)7時0分 AUTOSPORT web

 勝てるF1マシンの設計、開発、製作には長い時間がかかる。


 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツの場合、2019年型新マシン『W10』の製作は、今から16カ月前に始まった。これは2017年のことで、このときチームはまだ4度目のチャンピオンシップタイトルを賭けて2017年シーズンを戦っている最中だった。


 製作作業は少数のエンジニアグループが、2019年型マシンの全体的なコンセプトを検討することから始まった。そして徐々にメルセデスのスタッフが2018年型マシンから2019年型マシンへ作業を切り替えていったのだ。


「2019年型マシンであるW10のプロジェクトは、2017年のシーズン後半に始まった」とメルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンは語った。


「最初のミーティングが行われた時に、シャシーやパワーユニットを今シーズンのものからどのように変えるか、プロジェクトの大まかな目標が話し合われた」


「そして2018年型マシンの開発と走行担当、適切な人材と設計作業の人員の割り当て、2019年型マシンの構想・設計へのリソース配置を考えたんだ」


 2018年7月の終わりまでに、設計部門の半数以上のエンジニアが2019年型のメルセデスW10の作業にあたっていた。そして10月には、ファクトリーの総力をあげてW10に取り組んでいた。2019年型マシンのパーツ設計と製作を行い、全体で約7,000枚もの図面が製作に回された。


■あらゆるテストを得て万全の態勢でシェイクダウンを行ったメルセデスF1


 2018年シーズン終了後、冬の間にトランスミッション、サスペンション、クーリングシステム、パワーユニットなどの主要コンポーネントとサブシステムの綿密なテストが行われ、それらはF1シーズン中にさらされるであろう条件に類似する荷重、気温、金属疲労のサイクル下に置かれた。


 2019年2月13日に初めてマシンがガレージを離れる前までに、チームは累積で約50万キロにおよぶテストをすべての異なるコンポーネンツに対して行なったのだ。


 2019年型のメルセデスW10は、2月13日に初めてシルバーストンのコースでシェイクダウンした。


「2019年シーズンは我々全員にとって新たな挑戦となる」とメルセデスF1チームのトップを務めるトト・ウォルフは語った。


「レギュレーションが大幅に変わったので、ゼロから始めなければならなかった。我々は、ライバルたちに対して、再度自身の能力を証明してみせなければならない」


「ポイントがゼロの状態からシーズンを始めるわけだから、勝てて当然とは思っていないし、先頭に立つ資格があるとはまったく考えていない。実際のところ、新シーズンにレギュレーションが変わることで、2019年すべてのチームがタイトルを獲る可能性があるのだ。我々は彼らすべてを潜在的な脅威とみなしている」


 2019年のメルセデスの目標は、6度目のドライバーズタイトルと、6シーズン連続となるコンストラクターズタイトルを勝ち取ることだ。

メルセデスW10 EQ Power+


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