J1開幕節から見る、2023シーズン全18クラブ順位予想

2023年2月20日(月)18時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

2023シーズンの明治安田生命J1リーグが開幕した。2月17日に行われた昨シーズン2位の川崎フロンターレと優勝の横浜・マリノスによる開幕戦では、横浜FMが2-1で勝利。翌18日に開幕節残りの全8試合が行われている。


シーズンを通してのクラブ順位予想は、開幕前に多くのメディアや専門家が実施している。ただ、その時点で公式戦をこなしているクラブはわずかで、具体性をもって予想することは難しい。そこでここでは、J1開幕節全試合をフルタイムで観たうえでの順位予想を紹介しよう。




横浜FC FW小川航基 写真:Getty Images

18位:横浜FC


2シーズンぶりのJ1復帰を達成した横浜FC。今2023シーズン前には積極的な補強を敢行し、名古屋グランパスとの開幕戦でも、DFユーリ・ララ、MFの三田啓貴や坂本亘基らがスタメン出場を果たした。ただ、入れ替えが多くなった分、開幕時点での完成度はイマイチ。ボールを保持する術は持っているもののアタッキングサードでのアイデアに乏しく、クロスに対しての前線の選手の反応もシンプルなものに終始した。エースであるFW小川航基が、エリア内で仕事をする機会を増やしたい。




京都サンガ DF白井康介 写真:Getty Images

17位:京都サンガ


昨2022シーズン16位でJ1残留を果たした京都サンガだが、今年も苦しいシーズンとなるかもしれない。開幕戦では鹿島アントラーズと対戦したが、8分、34分と前半のうちに2失点。後半開始から3枚替えで反撃を狙ったが、最後までゴールが遠かった。曹貴裁(チョウ・キジェ)監督のチームらしく、全員がよく走り献身性は高いが、球際での強度で少しずつ相手に及ばず。DFにミスが出たことも悔やまれる。攻撃では、チャンスを生み出すべき両ウイングが相手を剥がせなかった。得点力アップのカギは、後半開始から出場し多くのチャンスに絡んだFW一美和成か。25歳にして多くのクラブを渡り歩いたストライカーであり、得点だけでなく前線の起点不足も解消してくれるかもしれない。




サガン鳥栖 MF福田晃斗 写真:Getty Images

16位:サガン鳥栖


昨シーズン11位のサガン鳥栖だが、湘南ベルマーレとの開幕戦は非常に苦しいものとなった。お互いに運動量豊富で激しく攻守が入れ替わる試合となったが、開始直後に失点するとVARでの得点取り消しなどもあり、リズムを掴めず。反対に前半3失点、後半にも2失点を喫し、1-5の大敗。スコアほど内容に差があったとは思わないが、最終ラインの高さやビルドアップの精度など、リスク管理の修正は欠かせない。攻撃参加の人数が多くある程度の得点力は見込めるため、守備の安定感が順位に直結するはずだ。




北海道コンサドーレ札幌 GK菅野孝憲 写真:Getty Images

15位:北海道コンサドーレ札幌


昨シーズンは10位で、ここまで数シーズンは守備に課題を抱えていた北海道コンサドーレ札幌。今季は、課題がやや変わりそうだ。開幕戦のサンフレッチェ広島戦ではボールを握られ、懸命な守備にGK菅野孝憲の圧倒的なパフォーマンスもあって勝ち点1を手にした(0-0)。最前線で待つFWキム・ゴンヒが孤立してしまったことで、押し込まれ続ける展開に。数少ないチャンスはMF金子拓郎の突破力やMF菅大輝の飛び出しから生まれており、失点を防ぎつつ彼らの特徴を活かすシーズンとなるかもしれない。




アビスパ福岡 FW山岸祐也 写真:Getty Images

14位:アビスパ福岡


昨シーズン14位のアビスパ福岡は、今季も簡単なシーズンとはならなそうだ。ヴィッセル神戸との開幕戦は、進化を見せた前半と昨季の悪い時期のような後半に分かれ、最終的に後半25分に失点して0-1で敗れた。前半、新加入のMF紺野和也が何度もチャンスを作りある程度ボールを持ちながら攻撃を構築していたが、これを90分間続けられるか。昨季10得点を挙げたFW山岸祐也が昨年同様のパフォーマンスを見せられれば、攻撃の起点は増加する。




浦和レッズ MF大久保智明 写真:Getty Images

13位:浦和レッズ


FC東京との開幕戦に0-2で敗れた浦和レッズ。マチェイ・スコルジャ新監督の志向するサッカーへ変換している最中で、完成度としては高いとはいえなかった。FC東京の球際の激しさに苦しみ、数少ないチャンスはMF大久保智明の突破力から生まれたものが多い。対戦相手によってはおそらくボールを握れ、どのようなパスワークで崩すのか、どこでボールを奪うのかが明確になれば成績が向上するはずだ。


アルビレックス新潟 DF藤原奏哉 写真:Getty Images

12位:アルビレックス新潟


6年ぶりのJ1復帰となったアルビレックス新潟は、セレッソ大阪との開幕戦で勝ち点1を得ることに成功した(2-2)。抜群の技術で攻撃の起点となるMF伊藤涼太郎を軸に、シュート技術の高いFW谷口海斗、突破力のある両サイドハーフが絡む速攻は迫力抜群。個々としても、ブレイクの予感が漂う。遅攻には改善の余地があるが、自分たちの明確な武器を持つため、残留を達成すると予想した。




ヴィッセル神戸 MF齊藤未月 写真:Getty Images

11位:ヴィッセル神戸


アビスパ福岡との開幕戦を、1-0で制したヴィッセル神戸。開幕前から早速怪我人が多いことは懸念材料だが、MF齊藤未月やMF井出遥也などを起用しつつ勝利したことは自信になる。DF飯野七聖、MFイニエスタらが復帰すれば、攻撃の形はさらに増加することだろう。攻撃面では今季もFW大迫勇也が攻撃の軸であることは間違いなく、この元日本代表選手の稼働率が重要になる。




ガンバ大阪 MF宇佐美貴史 写真:Getty Images

10位:ガンバ大阪


昨シーズン15位のガンバ大阪は、ある程度順位を上げそうだ。柏レイソルとの開幕戦では先制されたものの逆転し、後半アディショナルタイムにPKを決められたものの勝ち点1を獲得(2-2)。ダニエル・ポヤトス新監督が目指すサッカーの完成度が上がるにはもう少し時間がかかりそうだが、インサイドハーフで起用されたMF宇佐美貴史、途中出場で何度も見せ場を作ったFW山見大登などの個人技が勝ち点をもたらしてくれる。




柏レイソル FW細谷真大 写真:Getty Images

9位:柏レイソル


開幕に先駆けてDFとMFの多くが入れ替わったことが懸念材料だった柏レイソルだが、大きな問題とはならなそうだ。ガンバ大阪との開幕戦では中盤の3人ともが新加入選手というスタメン。2-2の引き分けだったが、特に前半はそれぞれの特徴を出しつつ攻撃につなげられていた。FW細谷真大の飛び出しはクオリティが高く、2桁得点も十分に狙えるだろう。




湘南ベルマーレ FW大橋祐紀 写真:Getty Images

8位:湘南ベルマーレ


サガン鳥栖との開幕戦を5-1と、大勝で飾った湘南ベルマーレ。作りだした決定機は得点数よりさらに多く、FW大橋祐紀がハットトリック、新加入のMF小野瀬康介も早速得点を記録した。昨年日本代表にも選出されたFW町野修斗の周囲を大橋らが運動量とスプリント回数を豊富に走り回る攻撃は、どこのチームも対応に苦しむだろう。ただ、守備を重視する隙を見せないクラブを相手にどのように戦えるかは今後に注目だ。




鹿島アントラーズ FW知念慶 写真:Getty Images

7位:鹿島アントラーズ


開幕戦では、京都サンガに2-0で快勝した鹿島アントラーズ。新加入のFW知念慶は得点に加えて守備意識も高く、FW鈴木優磨との噛み合わせも良さそうだ。ただ、セットプレーと相手のミスでの2得点であり、拮抗した展開が続いたケースはやや未知数。


FC東京 MF松木玖生 写真:Getty Images

6位:FC東京


開幕戦で浦和レッズに2-0で勝利したFC東京。特に守備時には全員がサボらず、浦和の攻撃をシャットアウトし続けた。MF小泉慶の加入で中盤の安定感は増しており、6位となった昨シーズンよりも順位を上げそうだ。不安材料は前線の主力に怪我人が出た時。個の突破力が1つの形であり、これを欠くと迫力を失う可能性はある。MF松木玖生の気迫こもったプレーも健在で、ついに上位争いに加わる可能性も秘めている。




名古屋グランパス FWキャスパー・ユンカー 写真:Getty Images

5位:名古屋グランパス


開幕戦では横浜FCに1-0で勝利した名古屋グランパス。開始早々に新加入のFWキャスパー・ユンカーが先制点を奪い、その後もオフサイドとはなったもののネットを揺らし、早速結果を残した。稼働率に不安はあるものの、出場さえすれば結果を残す可能性は高く、得点力に欠けた昨シーズンよりも順位を上げる可能性は十分。




サンフレッチェ広島 MF川村拓夢 写真:Getty Images

4位:サンフレッチェ広島


北海道コンサドーレ札幌との開幕戦は0-0で終わったものの、主導権を握り続けたサンフレッチェ広島。ボランチのMF野津田岳人とMF松本泰志も攻撃に積極的に絡み、MF川村拓夢の成長も著しい。大卒ルーキーのDF中野就斗も開幕スタメンを飾った。やや決め手に欠けるのは課題だが、3位となった昨シーズンと同様に上位陣の一角になる可能性が高いだろう。




セレッソ大阪 DF毎熊晟矢 写真:Getty Images

3位:セレッソ大阪


開幕戦で、アルビレックス新潟と2-2で引き分けたセレッソ大阪。勝ち点3獲得はならなかったが、2023シーズンバージョンを十分に発揮した。特に新加入でサイドに張るMFジョルディ・クルークスと、内側のレーンを使うDF毎熊晟矢が形成する右サイドは脅威。実際に先制点も、クルークスのクロスから生まれた。FWレオ・セアラはまだやや身体が重い感じがあったが、本調子ならば得点を重ねられる実力の持ち主。GKキム・ジンヒョンが復帰すれば、守備の安定感とビルドアップの精度も向上するはずだ。




川崎フロンターレ FWマルシーニョ 写真:Getty Images

2位:川崎フロンターレ


開幕戦の横浜F・マリノスとの頂上決戦では、1-2で敗れた川崎フロンターレ。前半早々の失点が痛かったが、優勝チーム相手にもボールを保持し、なかでも後半は主導権を握った。FWマルシーニョの突破力はもちろん、スタメン出場したFW宮代大聖やMF遠野大弥も得点のにおいを感じさせた。今後もほとんどの試合で主導権を握る可能性が高く、おそらく優勝争いに絡むだろう。




横浜F・マリノス FWアンデルソン・ロペス 写真:Getty Images

1位:横浜F・マリノス


川崎フロンターレとの開幕戦で勝ち点3を得た、横浜F・マリノス。この試合のように、ボールを握らなくても、おそらくボールを保持しても戦えるチームだろう。積極的にさまざまな選手を起用したことで作り上げた選手層の厚さはリーグ随一で、優勝候補筆頭だといえる。数少ない不安要素は、新戦力の融合か。

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