ル・マン出場枠を懸けた戦い。ユナイテッドASが連勝も、開幕2連勝のニールセンが新王者に/AsLMS

2022年2月22日(火)13時28分 AUTOSPORT web

 2月に2週連続で合計4レースを行うAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズの2022年シーズン第3戦と第4戦が2月19〜20日、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催され、ユナイテッド・オートスポーツの23号車オレカ07・ギブソン(ポール・ディ・レスタ/ジョシュ・ピアソン組)が両レースでポール・トゥ・ウインを飾った。


 昨シーズンに続き2年連続で中東での“短期決戦”となったAsLMSは、ル・マン24時間レースを頂点とするル・マン・シリーズのひとつ。最高峰カテゴリーのLMP2クラスをはじめ、LMP3クラス、GT3カーによって争われるGTクラスの各シリーズチャンピオンチームには、6月にフランスで開催されるル・マン24時間への自動招待枠が付与される。


 そんな今季のAsLMSにはル・マン参戦を目指す欧州のスポーツカーチームが多数参戦。今戦のグリッドには、開幕2戦が行われたドバイのエントリー数を上回る最多37台のマシンが並んだ。
 
 19日(土)の決勝に向け、その最前列を確保したのはディ・レスタ駆る23号車オレカ07だ。僚友ピアソンがスタートを担当したユナイテッド・オートスポーツは、開幕2連勝を飾って今戦に乗り込んできたニールセン・レーシングの4号車オレカ07・ギブソンに対してリードを拡げ、レース中盤に発生したGドライブ・レーシングの車両火災によって約30分間の赤旗中断を挟んだ後に再開された後半戦でもレースを支配。最後はライバルに1周差をつけて今シーズン初優勝を飾った。


 ニールセンの4号車は総合2位でフィニッシュし、この結果、最終戦を待たずに2022年シーズンのタイトル獲得が確定。ル・マン24時間への切符を手にした。グラフ・レーシングの39号車オレカ07・ギブソンが総合3位でLMP2アマクラスウイナーとなり、同クラスのポールシッターだった49号車オレカ07・ギブソン(ハイクラス・レーシング)が同2位/総合4位に。44号車リジェJS P217・ギブソン(ARCブラティスラバ)がクラス3位/総合5位となった。


 LMP3クラスはDKRエンジニアリングの2号車デュケインM30-D08・ニッサンがポール・トゥ・ウインを決め今季初優勝を達成。GTクラスでは2021年の王者、ハーバー・モータースポーツの91号車ポルシェ911 GT3 Rが、インセプション・レーシングの7号車マクラーレン720S GT3との接戦を制している。


■Gドライブ、徹夜の修復作業が結実


グラフ・レーシングの39号車オレカ07・ギブソン
Gドライブ・レーシングの26号車リジェJS P320・ニッサン
ハーバー・モータースポーツの91号車ポルシェ911 GT3 R


 翌20日(日)もヤス・マリーナを舞台に4時間レースが実施された。この最終戦でもポールを奪った23号車オレカ07が、16歳のアメリカ人ドライバーの強力なスタートによって新王者となった4号車オレカをリードする展開に。レース後半にピアソンからステアリングを引き継いだディ・レスタも、危なげない走りでマシンをフィニッシュまで運び2戦続けてトップチェッカーを受けた。
 
 土曜のレースでチャンピオンを確定させたニールセン・レーシングは1ラップダウンの総合2位でフィニッシュ。総合3位はLMP2アマクラス優勝を飾ったグラフの39号車オレカ07で、このマシンをドライブしたデビッド・ドゥルー、エリック・トゥーリエ、セバスチャン・ページのコンビがLMP2アマクラスのシリーズチャンピオンを獲得した。


 LMP3クラスではGドライブ・レーシングの26号車リジェJS P320・ニッサンが見事な復活から勝利を掴んだ。ロシアンチームは前日のレースで炎上したマシンをひと晩かけて修復。その努力が実ったクラス優勝となった。Gドライブに続いてクラス2位、3位となったCDスポーツの27号車と3号車リジェJS P320・ニッサンが表彰台を獲得し、このうち27号車がLMP3チャンピオンとなっている。


 GTクラスはハーバー・モータースポーツの91号車ポルシェが連夜の勝利。さらに、第4戦では姉妹車33号車ポルシェ911 GT3 Rがクラス2位となりワン・ツー・フィニッシュを決めた。なお、チャンピオンシップは開幕戦でのポール・トゥ・ウインを含む4戦中3戦で表彰台を獲得したインセプション・レーシングが制し、ル・マンへの自動招待枠を獲得している。


 星野敏/藤井誠暢/トム・ギャンブル組でシリーズに挑戦したD’station Racing(77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3)は第3戦で一時クラス2番手を走行し、終盤は5番手につけていたもののトラックリミット違反によるペナルティでクラス8位フィニッシュに。続く第4戦でも序盤に3番手まで順位を上げたが、レース残り1時間39分というタイミングで駆動系トラブルが発生。コース上でストップしリタイアとなった。


■2022アジアン・ル・マン・シリーズ 各クラスチャンピオン








































ClassNo.TeamCar
LMP24ニールセン・レーシングオレカ07・ギブソン
LMP2アマ39グラフ・レーシングオレカ07・ギブソン
LMP327CDスポーツリジェJS P320・ニッサン
GT7インセプション・レーシングマクラーレン720S GT3
GTアマ20SPSオートモーティブ・パフォーマンスメルセデスAMG GT3


ニールセン・レーシングの4号車オレカ07・ギブソン
CDスポーツの27号車リジェJS P320・ニッサン
インセプション・レーシングの7号車マクラーレン720S GT3
D’station Racingの77号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3

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