スーパーGTの2018年スポーティングレギュレーション発表。WHや予選システムに変化

2018年2月27日(火)23時3分 AUTOSPORT web

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは2月27日、2018年のスポーティングレギュレーションをメディア向けに公開した。さまざまな項目で変更が為されているが、主な項目を見てみよう。


■GT500はウエイトハンデの数値に変更


 2017年から、GT500クラスでは課されたウエイトハンデのうち、50kgを越えるものについては、GT500特有のシステムである燃料流量リストリクターを使って調整されていた。2017年までは、燃料流量が51〜67kg=92.4kg/h、68〜84kg=89.8kg/h、85〜100kg=87.4kg/hという数値だったが、2018年は51〜67kg=91.8kg/h、68〜84kg=88.6kg/h、85〜100kg=85.5kg/hというものに変更された。


 この変更により、2017年までよりもパワーが絞られていくことになる。例えば2017年であれば、シーズン序盤戦にレクサス勢がポイントを積み重ね、早々に燃料流量リストリクターの調整に突入していたが、2018年も同様になった場合、中盤戦はより厳しい戦いが強いられることになる。


■予選システム:両クラスで時間が10分に。GT300のQ1はA組/B組の組み分けも


 まず、ノックアウト予選についてはGT500、GT300ともQ2が昨年までの12分間から10分間に改められた。特にGT500は、コースオープン後残り8分間程度まで1台もコースインしないケースが多かったため、より緊迫感を増しそうだ。


 そして、新しくGT300クラスでは、コースによって予選Q1に組み分けが導入されることになった。事前にGTAから組み分け導入がある場合は公式通知がされるが、組み分けがあった場合、前大会までのチーム順位で奇数組がA組、偶数組がB組と定められる。なお、開幕戦等特定の大会ではGTAが考慮し決定する。


 組み分け導入の場合、A組が10分間、インターバル5分を挟み、B組が10分間予選アタックを実施。5分のインターバルでGT500のQ1が10分間行われるかたちになる。組み分けがない場合はGT300のQ1は15分、インターバル5分、GT500のQ1は15分となる。


 おそらく組み分けは、コース長が短いサーキットでのレースなど、アタック中にラップダウンに遭遇しやすいコースで導入されるものと思われる。


■スタート時は二列縦隊を維持。駆け引きのための加減速は禁止


 また、第32条にあるスタート時の手順に変更が加えられた。これまでもフォーメーションラップ中は二列縦隊、前者の走行ラインからはみ出してはいけない等の制限はあったが、オフィシャルカーの退去後のグリッドボードの指示、そしてグリーンシグナルの点灯(もしくは開催国旗の振動表示)までの間、最低速度約80km/h、最高速度約90km/hを守って、加減速を行うことが禁じられた。また、この間ストレート走行中は発進したグリッドの枠からはみ出して走行をしてはならない。


 これによってスタート目前のストレートでは、二列縦隊のきれいな隊列ができあがるはずで、そこから一気にスタートが切られることになりそう。なお、これまではGT500マシンのみにスタートを表すグリーンシグナルの点灯(もしくは開催国旗の振動表示)が提示されたが、遅れてスタートするGT300にも提示される。


 なお、スタート前後の変更については、国歌斉唱中のエンジン始動禁止がスポーティングレギュレーションに明記されている。

2017年最終戦もてぎのスタートシーン
2018年SUGOのGT300のスタートシーン


■その他にも変更点は多岐に


 その他にも多くの変更点が記載されているが、主なものを紹介すると、第25条の参加車両の項目では、GT3カーはエボモデルがリリースされた場合、同一モデルの旧型マシンは今後2年間使用可能となる。また、第21条のタイヤの項目では、決勝レーススタート後、タイヤを2本以上交換する場合、「マーキングタイヤ以外のドライタイヤであっても構わない」という文言が追加された。


 また、参加車両にはエアコンディショナー装置の装着が推奨されているが、昨年まではなかった文言として「エアコンディショナーを装備しない場合、GTAが指定する競技会においては、クールスーツシステムの搭載および使用が義務付けられる」とされた。夏場のレースにおいては、これまでクールスーツを着けずに走るドライバーもいたが、使用が義務づけとなった。


 第27条では、ピット作業時の燃料補給中に認められる作業として、「窓拭きおよびウインドフィルム剥がし」が追加されている。これによってより安全に作業が進められる可能性が高い。


 このスポーティングレギュレーションには、他にも車体の表示やプロモーション、レースクイーンに関する規定も掲載されているが、2018年はゼッケンベースの下部にある『zf.com/jp』のロゴは白地になるほか、レースクイーンの登録は「満20歳以上の者」と定められた(未成年者や年少者をやむなく登録する場合は、労働基準法遵守のうえ、エントラントが全責任をもつ。15歳以下の児童の登録は不可)。

岡山メーカーテストでのWAKO’S 4CR LC500。ゼッケン下部は白地となった。


AUTOSPORT web

「スーパー」をもっと詳しく

「スーパー」のニュース

「スーパー」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ