【ホンダ密着】コースインの遅れは路面改善待ち。田辺TD「パワーユニットのテストに支障なし」/第2回F1バルセロナテスト2日目

2020年2月28日(金)13時23分 AUTOSPORT web

 2月27日にスペイン・バルセロナで行われた2020年のF1第2回プレシーズンテスト2日目。この日の天候は、ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルにとって、あまり都合のいいものではなかった。それは、前日夜に降った雨の影響で、午前中のセッションがウエットコンディションでスタートしたからだった。


 もちろん、路面コンディションはレッドブルだけでなく、どのチームにとっても同じで、路面がウエットにもかかわらず、セッション開始とともにエステバン・オコン(ルノー)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)などはウエット用とドライ用の中間タイヤであるインターミディエイトタイヤを履いてコースインしていった。


 対するレッドブル・ホンダはセッション開始から1時間以上もガレージに待機。同じくホンダがパワーユニットを供給するアルファタウリ・ホンダはさらに待機時間が長かった。


 なぜ、ここまでコースインが遅れたのか。それはトラブルではなく、この日の午前中に設定していたテスト項目に要因があった。


「ホンダPU(パワーユニット)を積む2チームはともにエアロレイクを装着していたため、路面コンディションが改善するまではガレージで待機することになりました」と田辺豊治F1テクニカルディレクター。

マックス・フェルスタッペンがドライブしたRB16。フロントタイヤ後方についた金網状のパーツがエアロレイクだ


 エアロレイクとは、マシンの空力特性を実走行で測定するために用いられる金網状のデバイスのことだ。主にフロントタイヤ後方やリヤタイヤ後方に取り付けられ、その周辺を流れる空気の速度・流量・角度などを測定し、風洞実験との相関関係を調べる。


 この測定を行うには路面はドライコンディションのほうが適しているため、ドライタイヤを装着して路面が乾くまで待っていたわけだ。


 ただし、「待機時間が長くなったことで、ホンダ側のテストプラグラムに何か支障を来すことはなかった」(田辺TD)という。


 ドライバーやチームだけでなく、パワーユニットを製造・供給しているホンダも、このプレシーズンテストでは開幕に向けた、さまざまなテストプログラムを行なっている。


 したがって走れば走るだけ、さまざまなテストを消化できるが、車体側でデータを収集したり、変更したセットアップを比較するようなときは、比較データの条件が変わってしまうためパワーユニット側でセットアップを変更するといったテストは行えない。

2020年のF1第2回プレシーズンテスト2日目、スピンして回収されたマックス・フェルスタッペンのマシン


 路面が乾き出した10時12分、レッドブル・ホンダでテスト2日目午前中の走行を担当したマックス・フェルスタッペンがコースイン。しかし、完全に乾いていない路面に足をすくわれ、途中スピンして赤旗の原因を作るなどアクシデントもあり、周回数は31周にとどまった。


 午後にステアリングを握ったアレクサンダー・アルボンも風の影響から、テスト項目を変更して、ショートランが多かった。


 その一方でアルファタウリは、ドライコンディションになってからは順調だった。


「基本的に我々は2チームに同じパワーユニットを供給しているので、どちらかのチームが止まったとしても、もうひとつのチーム側でパワーユニット関連のテストプログラムは進めており、きちんと確認しています」(田辺TD)

アルファタウリ・ホンダは第2回プレシーズンテスト2日目にレースシミュレーションを実施。実戦を想定したピット作業も行われた


 アルファタウリはこの日、テストを担当したピエール・ガスリーが2番手のタイムをマークしただけでなく、139周を走行。午後には今年のプレシーズンテストで2度目となるレースシミュレーションも行われた。


「今日はアルファタウリ側がレースシミュレーションを行っていたので、パワーユニット側では実際のレースでのさまざまなシチュエーションに合わせた設定を行い、確認できました」と田辺TDは1日を振り返った。


 第1〜2回とあわせて合計6日間のプレシーズンテストも、これで5日目が終了。ホンダのパワーユニットはコース上でマシンを止めるといったトラブルを引き起こすことなく、いよいよプレシーズンテスト最終日に突入する。


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