“神の子”は21、“CR7”と“シンデレラボーイ”は11…欧州5大リーグの連続ゴール記録

2023年2月28日(火)16時21分 サッカーキング

連続ゴール記録を保持する男たち [写真]=Getty Images

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 連続ゴールは何試合くらい続くのだろうか?

 今月25日に行われたプレミアリーグ第25節のエヴァートン対アストン・ヴィラで、イングランド代表歴を持つアストン・ヴィラのFWオリー・ワトキンズ(27歳)がPKからゴールネットを揺らした。敵地で2−0の勝利に貢献したストライカーは、これがリーグ戦での「5試合連続ゴール」。アストン・ヴィラのプレミアリーグでの連続ゴール記録を樹立したのである。

 素晴らしい記録ではあるが、上には上がいる。それでは欧州5大リーグの「連続ゴール試合」の記録を見ていこう。

[写真]=Getty Images

■プレミアリーグ: ジェイミー・ヴァーディ(レスター) 11試合連続ゴール



 今後ワトキンズが目指すのは、イングランドの8部リーグから頂点まで駆け上がった男が持つ記録だ。工場で働きながらノンリーグのクラブでプレーしていたジェイミー・ヴァーディは、2010年に7部のハリファックスに引き抜かれると、そこから着実にステップアップを遂げていく。そして2012年にイングランド5部から当時2部のレスターに引き抜かれて、ようやくプロリーグでプレーする機会を得るようになった。

 加入2年目の2013−14シーズンにはチームのプレミアリーグ昇格に貢献し、気づけば世界最高峰リーグのピッチに立つことに。そして迎えた2015−16シーズン、クラウディオ・ラニエリ監督の元でレスターが奇跡を起こすのである。元日本代表FW岡崎慎司のほか、FWリヤド・マフレズ(現在マンチェスターC)やMFエンゴロ・カンテ(現在チェルシー)といった当時はまだ無名のタレントを擁してプレミアリーグを席巻。前年度は残留争いを演じていたチームが、フットボール史上最大のミラクルとも呼ばれる奇跡の優勝を遂げたのだ。

 そのシーズン、エースのヴァーディは恐ろしいほどの決定力を発揮した。8月のボーンマス戦から11月のマンチェスター・ユナイテッド戦までプレミアリーグで「11試合連続ゴール」をマーク。元オランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイがユナイテッド時代の2003年に打ち立てた10試合連続ゴールの記録を更新したのである。そのシーズン、ヴァーディはハリー・ケイン(25ゴール)に次ぐ24ゴールを叩き出し、イングランドフットボール界の最大の栄誉とされる「記者協会の年間最優秀選手」に選ばれた。

■セリエA: ガブリエル・バティストゥータ(当時フィオレンティーナ)、ファビオ・クアリャレッラ(サンプドリア)、クリスティアーノ・ロナウド(当時ユヴェントス) 11試合連続ゴール


 イタリアの記録は3名が保持している。最初に記録を打ち立てたのは元アルゼンチン代表FWガブリエル・バティストゥータだ。“バティ・ゴール”で知られる点取り屋は、フィオレンティーナ時代の1994−95シーズンにゴールを量産。9月から11月まで「11試合連続ゴール」というセリエAの新記録を樹立した。

 その記録に並ぶ者が現れたのは24年後のこと。サンプドリアに所属する元イタリア代表FWファビオ・クアリャレッラが2018年10月から翌年1月にかけて「11試合連続ゴール」を達成。腕章を巻いたストライカーは、途中1試合を欠場するも、出場したゲームは11試合連続となる計14ゴールを叩き出したのだ。結局クアリャレッラは同シーズンに26ゴールを奪って自身初の得点王にも輝いた。

 翌シーズンには、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドも記録に並んで見せた。2018年にユヴェントスに加入した世界的ストライカーは、2019年12月から翌年2月にかけてセリエAで「11試合連続ゴール」。ロナウドは、その次のインテル戦で連続ゴールが止まるも、そこからさらに6試合連続ゴール。もしインテル戦でもネットを揺らしていれば18試合連続ゴールになっていた……。

■リーグ・アン: セルジュ・マスナゲッティ(当時ヴァランシエンヌ) 13試合連続ゴール

 フランスの1部リーグにおいて連続ゴール記録を持つのは1960年代にヴァランシエンヌで活躍した元フランス代表FWセルジュ・マスナゲッティだ。ほぼヴァランシエンヌ一筋でプレーしたマスナゲッティは、1961−62シーズンにフランス2部で得点王(21ゴール)に輝いてチームの1部昇格に貢献。すると翌1962−63シーズン、1部リーグで当時の1シーズン最多ゴール記録に並ぶ35ゴールを奪い、昇格1年目に得点王となったのだ。そのシーズン、マスナゲッティは12月から翌4月にかけて「13試合連続ゴール」という記録まで打ち立てて見せた。チームが9位に留まる中での偉大な記録となった。

 その記録更新に期待が寄せられるのはパリ・サンジェルマンに所属するフランス代表の絶対的エース、FWキリアン・エンバペ(24歳)だろう。だが、今のところエンバペの自己記録は2019年2月から3月にかけての「7試合連続ゴール」に留まっている。

■ブンデスリーガ: ゲルト・ミュラー(当時バイエルン) 16試合連続ゴール



 ドイツのブンデスリーガでゴール記録と言えばこの選手。“爆撃機”の愛称で親しまれた元ドイツ代表FWゲルト・ミュラーだ。2021年に75歳で他界したフットボール界の英雄は、バイエルン時代に数々の記録を打ち立てた。ブンデスリーガ通算365ゴールは、今なお破られぬ歴代最多ゴール記録だ。そのミュラーは、1969-70シーズンに連続ゴール記録も樹立している。1969年9月のブラウンシュヴァイク戦から翌年3月のフランクフルト戦までゴールを決め続けて「16試合連続ゴール」を達成したのである。

 後にミュラーの様々な記録を更新することになるポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキも、この記録には届かなかった。昨夏バルセロナに移籍するまでブンデスリーガでゴールを量産したレヴァンドフスキは、2020−21シーズンに41ゴールを叩き出してミュラーが持っていた1シーズンにおける最多ゴール記録を更新。しかし連続ゴールは、2019−20シーズンの開幕から「11試合連続ゴール」が自己最多であり、ミュラーの16試合には届かなかったのだ。

 それでも、ミュラーの16試合は途中に欠場1試合を挟んでいたせいか、現在『ギネス世界記録』に認定されているのはレヴァンドフスキの「11試合連続ゴール」となっている。

■ラ・リーガ: リオネル・メッシ(当時バルセロナ) 21試合連続ゴール



 ラ・リーガの記録を持つ選手は説明不要だろう。同リーグの「歴代最多ゴール」「1シーズン最多ゴール」「歴代最多アシスト」など様々な記録を打ち立てたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(35歳)は、2012−13シーズンに連続ゴール記録も樹立している。

 2012年11月の第11節マジョルカ戦で2ゴールを奪ったメッシは、そこから怒涛のゴールラッシュ。オサスナ戦での4ゴールなどを含め、翌年5月のベティス戦での2ゴールまで「21試合連続ゴール」を達成したのである。

 絶対堅守を誇っていたディエゴ・シメオネ監督のアトレティコ・マドリードが、第35節の対戦でメッシを止めていなければ、この記録はさらに伸びていたことだろう…

(記事/Footmedia)

サッカーキング

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