コストキャップとインフレに苦労するメルセデスF1「チーム運営方法が完全に変わった」と代表

2022年3月2日(水)16時58分 AUTOSPORT web

 メルセデスF1代表トト・ウォルフは、インフレ進行もあり、予算上限規定のもとでチームを運営するのが非常に難しい状況になっていると語った。


 F1は昨シーズンに予算制限規則を導入、上限を1億4500万ドル(約167億円)とし、2022年にはさらに500万ドル(約5億8000万円)を減額して1億4000万ドル(約161億円)を上限と定めている。


 一方、世界的なインフレ圧力により、2021年12月には、イギリスの生産者物価指数(生産者が出荷した製品や原材料などの販売価格の変動を調査・算出した月次経済指標)は30年ぶりの大幅上昇となり、メルセデスにとっては適切な組織構築と財務運営がより難しくなっているという。

2022年F1バルセロナテスト1日目 ルイス・ハミルトン(メルセデス)

「1億4000万ドル(約161億円)の予算内で、会社と組織体制を適切に構築するのが非常に難しくなっている」とウォルフはメルセデスの2022年マシン発表会で説明した。


「また、高いインフレ率の環境下で、500万ドル(約5億8000万円)を削減しなければならず、コストと給料を増やすことができない状況にある。これは非常に苦しいことだ」


「研究開発費をどこに投入するかについて、非常に慎重に判断を下さなければならない。これまではもう少し楽だった。パフォーマンスを追求するために、さまざまな手段を取ることができたからだ」


「現在では、どこに最もポテンシャルがあるかを判断して、そこに着手しなければならない。大規模チームにとっては、まったく異なる運営方法だ」

2022年F1バルセロナテスト2日目 トト・ウォルフ(メルセデス)

 各F1チームは、F1の新テクニカルレギュレーションに対応するために、2022年型マシンに多額の投資を行ってきた。コンセプトを誤った場合、予算制限のために、正しい方向に戻るのに苦労することになるとウォルフは言う。


「技術的にコンセプトを変えることができるのは一面的な部分だ。すでにある方向に進んでしまっている場合がある」
「予算制限によるプレッシャーが高まっており、マシンを根本的に変えることは非常に難しい」


「なぜなら、すべてのことが計画されているからだ。すべてのアップグレードと関連コストが決まっている。マシンに創造的なプロセスを導入する能力は、予算の上限によって以前よりもずっと厳しく制限されている」

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