WRCサファリ・ラリー・ケニアのエントリーリストが発表。王者ロバンペラが継続参戦、フォードが3台体制に

　3月4日、2024年のWRC世界ラリー選手権の第3戦として3月28〜31日に開催される第71回『サファリ・ラリー・ケニア』のエントリーリストが公開された。なかでも、2024年シーズンはパートタイム参戦を選択しているTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム（TGR-WRT）のカッレ・ロバンペラは、早くも今季2戦目のエントリーを行っている。

　さらにMスポーツ・フォードWRTは、ドライバーラインアップにギリシャ出身ドライバーのジョルダン・セルデリディスを加え、今季初の3台体制となっている。

　今回は3月末に開催されることとなった『サファリ・ラリー・ケニア』は、ケニア共和国の首都ナイロビから北へ約100kmに位置するナイバシャを拠点に開催されるグラベルラリーだ。近年は6月に開催されていた同ラリーだが、今年は開催タイミングを改めたことでケニアの雨季初旬にあたる時期に行われることとなった。

　総合優勝争いの注目は、2021年から3年間連続で同ラリーを制しているTGR-WRT陣営だろう。今大会も3台のトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦するトヨタは、2022年と2023年には1〜4位を独占する完勝を挙げており、さらなる記録への挑戦が期待される。

　同チームから参戦する日本人ラリードライバーの勝田貴元は、今季の2大会ではスタックによるタイムミスが響いて順位を上げられずにいたが、昨年のケニアでは表彰台目前の4位となっており、さらなる好成績の獲得を目指してサファリに挑む。

　その連覇を阻止する最右翼と目されるのは、今シーズンの開幕戦モンテカルロと第2戦スウェーデンを連続で制しているヒョンデ・シェル・モービスWRTだろう。引き続き3台のヒョンデi20 Nラリー1を送り込むヒョンデ勢は、ポイントリーダーのティエリー・ヌービルと元チャンピオンのオット・タナクに、前戦スウェーデンで勝利したエサペッカ・ラッピを加えた布陣で、ターゲットとなる今季3勝目を仕留めに行く。

　2大チームのトヨタ、ヒョンデと同じく今大会は3台体制を敷くフォード勢は、スウェーデンで初の表彰台を得たアドリアン・フルモーと、ラリー1マシンへの理解を深めつつあるグレゴワール・ミュンスターのふたりに、ジェントルマンドライバーのジョルダン・セルデリディスを加えたラインアップとなった。各ドライバー初の総合優勝を目指して、トヨタとヒョンデの争いに割って入る戦いを披露できるだろうか。

■引き続き激戦必至のWRC2クラス。トヨタGRヤリス・ラリー2はノーエントリー

　WRC2クラスでは、スウェーデン戦でクラス優勝を飾り、現在WRC2クラスのポイントリーダーとなっているオリバー・ソルベルグ（シュコダ・ファビアRSラリー2）が引き続き参戦する。さらに、2021年と2022年にはフォードから最高峰クラスに事実上のフル参戦を行い、2023年はWRC2クラスでランキング2位を獲得しているガス・グリーンスミス（シュコダ・ファビアRSラリー2）がエントリーしている。

　ほかにも、WRC2クラス優勝経験のあるニコラ・シアミン（ヒョンデi20 Nラリー2）やカジェタン・カジェタノヴィッチ（シュコダ・ファビアRSラリー2）らが名を連ねており、今大会も熾烈なクラス優勝が繰り広げられることになりそうだ。

　なお現時点では、モンテカルロ、スウェーデンと開幕2戦で注目を浴びたトヨタGRヤリス・ラリー2は、今大会のエントリーリスト上では名前を確認することができていない。

　例年と異なる3月開催となり、路面コンディションが大きく変わるとみられる今大会。ラリー・スウェーデンに続くサバイバルバトルが予想されるサファリ・ラリー・ケニアは、3月28日（木）から31日（日）にかけて実施される予定だ。

■2024年WRC世界ラリー選手権第3戦サファリ・ラリー・ケニア　エントリーリスト（RC1クラス／3月4日付）

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