令和に昭和の技? 18歳・清本美波の下りパットでやさしいタッチを出す「引き球」

2024年3月7日(木)7時45分 ALBA Net

清本美波のパッティングの技とは?(撮影:田中宏幸)

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高校3年生で迎えた昨年のプロテストでトップ合格を果たした清本美波。ルーキーで迎える今年はQTランキング100位で下部のステップ・アップ・ツアーが主戦場となる。そのプロテストで4日間21個ものバーディを奪ったパッティングについて聞いた。


「私はもともとテークバックよりもフォロースルーが大きいほうがいいと思っていた」という清本。テークバック1、フォロースルー2くらいで打っていたが、「手先で動かすミスが出て距離感が合わなかったり、大事な入れたいチャンスのパットでフェース面がズレたりする」と感じていた。そこであるとき、テークバック1、フォロースルー1の振り幅を試したところ、「緩みもなくてフェースの動きが安定することに気づきました」。
 
1:1というが、本人の意識の中ではフォロースルーがほんの少し小さめ。「イメージ的にはテークバック1、フォロースルー0.9くらいがいいと思います。振り幅が小さいからムダな動きなしで打てるし、リズムが出る」。



しかし、テークバック1、フォロースルー1の振り幅をあえて崩すときもある。触っただけで加速していくような下りの場面だ。「絶対にいきたくないピンの奥についてしまって、止まらないような下りだったら、引き球を打ちます」。
 
あまり聞き慣れない引き球とは? 「ボールに当たるかどうかのところでヘッドを引くんです。そうするとやさしいタッチが出せる。すごい下りでもバーンというオーバーがなくなります」。ちょこんと打つだけの傾斜がきつい下りでは、タッチが出しづらく緩みやすい。ボールをヒットしてからヘッドを引くことで、パンチも入らず緩みも防ぐことができる。



ストロークに関しては手先で動かすのではなく、「大きな筋肉を使って打ちたい」と考えている。それを体感できるのは腕と胸の間にクラブを挟む素振りだ。「私は背筋(はいきん)を意識しています。背中を動かすというよりは、背中の筋肉を使って一体感を出す。クラブを挟んで素振りすると分かりやすいですね」と話す。
 
腕と胸の間にクラブを挟むドリルのメリットは他にもある。「横の動きではなく縦の動きで打ちたい。それが分かりやすいんです。クラブの先端が横に動くと、プレーンがズレてしまうんです」。クラブを挟むとストロークに合わせて先端が動く。その際、縦に動けばフェースの向きが安定し、横に動けばフェースの開閉が大きくなるのだ。



そして、清本にとって方向性の主役になるのは器用な右手ではなく左手。「左手のヒラでフェース面を意識して、『左手のヒラ=フェース面』という感じで打っています。フェース面で真っすぐ打とうとするより、手で意識した方が簡単。左手のヒラの向きを変えずに打つと、思った方向に出せます」。左手に意識があることで低く長いフォロースルーとなる。
 
250ヤードのドライバーショットも、1メートルのショートパットも同じ1打。ベストスコア更新のために、清本のパッティングを取り入れてみてはいかがだろう。
 
■清本美波
きよもと・みなみ/ 2005年生まれ、愛知県出身。23年プロテストでは、2位に5打差の通算17アンダーでトップ合格を果たした。正確なショットとパットに定評あり。特に、90 〜110ヤードのPWに自信を持つ



◇ ◇ ◇
 
●さあゴルフシーズン本番! スコアに一番大事なのは、『パッティング』。ショットが曲がり倒しても、パッティングさえ入れば「パターは七難隠す」で大崩れはありません。関連記事【春だ!ゴルフだ!】で春のパター特訓といきましょう!


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