45歳の女性ラリースト、ナタリー・バラットが電動ラリークロス『Projekt E』初年度に参戦へ
2020年3月14日(土)12時0分 AUTOSPORT web
イギリス出身の元ラリーストで現在45歳を迎えたナタリー・バラットが、2020年シーズンに向け新たな挑戦を表明。WorldRX世界ラリークロス選手権のサポートシリーズであり、フルEVマシンによる『Projekt E』シリーズのドライバーラインアップに加わり、STARD製のォード・フィエスタRXスーパーカーをベースとした完全電動RX車両をドライブする。
同じくFIAの統括するWRC世界ラリー選手権で44ラウンドに参戦し、かつてのヒュンダイ製WRカーやGr.N車両のランサー・エボリューションなどでキャリアを築いてきたバラットは、競技活動を中断してから初のシリーズ復帰を決断。その舞台に、画期的なEVラリークロスの初年度シーズンをセレクトした。
「Projekt Eは素晴らしい機会だと感じていて、その一部になれたことを非常に感謝しています」と、3月8日の国際女性デーに合わせて参戦表明を果たしたバラット。
「この日以上に、私の参戦をアナウンスするのに最適な日はないでしょう? 現段階では予算に応じて全5ラウンドのすべてを戦いたいと考えていて、今はフィジカルコンディションの調整に集中しているわ。ラリーカーに座っていたときから、さらに長い時間が経ってしまったから(笑)」
元WRCドライバーのマンフレッド・ストール率いる技術集団STARDの手によって開発されたマシンは、彼らがWorldRXで走らせてきたフィエスタEvo.4のボディとシャシーをベースに“REVelution”と呼ばれる電動パワートレインを搭載。150kWを発生する3モーターの構成で、総合出力は612PS、瞬間最大トルクは1100Nmにも達する。
「このフィエスタREVelutionは完全電動車両で、本当に驚くほど速い。これ以上、何を求めるというの? 私はこの3月後半にもマシンをドライブする予定なの。今からそのテストが待ちきれない気分よ」
WorldRXのサポートシリーズとして初年度シーズンを迎える『Projekt E』だが、5月16〜17日開催のベルギーで初戦を迎え、オールージュを含む象徴的なステージで競技が行われる。
また、先の3月6日に開催されたFIAワールド・モータースポーツ・カウンシル(WMSC世界モータースポーツ評議会)でロシアのイゴラ・ドライブでの初開催予定ラウンドがキャンセルされたことを受け、1戦減の全4戦開催になる公算が高いと見られていた。
しかし、シリーズプロモーターのIMGとFIAはすぐさま追加ラウンドの検討に入り、7月4〜5日のWorldRX第5戦のスロットに入っていたスウェーデンのホルヘ・モータースタディオンを新たなサポートイベント戦に指定。これで初年度シーズンは晴れて全5戦に“復帰”することとなった。
■『Projekt E』シリーズ2020年カレンダー
ラウンド | 開催日 | 開催地 |
---|---|---|
Rd.1 | 5月16〜17日 | ベルギー/スパ・フランコルシャン |
Rd.2 | 6月13〜14日 | ノルウェー/ヘル |
Rd.3 | 7月4〜5日 | スウェーデン/ホルヘ |
Rd.4 | 8月1〜2日 | ドイツ/ニュルブルクリンク |
Rd.5 | 9月19〜20日 | ラトビア/リガ・ビケルニエキ |