【2023年大会】カターレ富山が初優勝を飾り決勝大会へ! 前回大会のリベンジを果たす《JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN北信越》

2023年3月15日(水)12時1分 サッカーキング

 3月11日、12日に、新潟県刈羽郡刈羽村の刈羽ぴあパークサッカー場人工芝グラウンドで『JA全農杯 2023 全国小学生選抜サッカーIN 北信越』が行われた。

 長野県、福井県、石川県、富山県から2チームずつ、そして開催県である新潟県から4チームの計12チームが参加し、11日は3チームずつ4グループに分かれての予選リーグを実施。翌12日には順位決定トーナメントが行われた。

 天候に恵まれ、3月とは思えないほどの陽気の中で行われた2日間の激闘を戦い抜いて決勝に進んだのは、前年度の大会で惜しくも準優勝に終わっていたフォルツァ松本Jr(長野県)と、2020年の設立から4年目で初の決勝進出となったカターレ富山(富山県)。準決勝でフォルツァ松本はグランセナ新潟(新潟県)に3-0で勝利し、カターレ富山は3連覇を目指していた松本山雅FC U-12(長野県)を2-0で下して勝ち進んだ。

 ちなみに、両者は前年度大会の準決勝でも対戦しており、この時は2-1でフォルツァ松本が勝利している。

 前後半で行われる通常のサッカーの試合とは異なり、この大会は12分×3ピリオド制で行われる。第1ピリオドと第2ピリオドはあらかじめ決められた8人ずつがプレーし、5分間のインターバルを経て行われる第3ピリオドは、第1、第2ピリオド両方に出場した選手を除いたメンバーが出場し、交代も自由に行える。

 登録メンバー全員にある程度のプレー時間が確保されるよう配慮されているレギュレーションだが、チームの総合力や選手起用等の戦略が勝敗を左右する部分もあるのが特徴だ。

 カターレ富山のキックオフで始まった第1ピリオドの序盤は、両チームが陣形をコンパクトに保ち、何度も攻守が切り替わる激しい展開となった。その後は最後尾からスピーディーかつ丁寧にボールを繋ぐカタール富山がペースを握り、8分には西野蒼祐がスルーパスに抜け出してのシュートで相手GKを脅かしたが、その直後にはフォルツァ松本の山本称多が惜しいFKを2本放つなど、主導権を奪い返してみせる。しかしスコアは動かず、あっという間に12分間が終了した。

 「うちは第3ピリオドで勝負をかけるチーム」(カターレ富山・野田浩之監督)、「直前のトレーニングマッチでケガ人が出てしまい、第2ピリオドでのベストメンバーが組めなかった」(フォルツァ松本・山添誠監督)という両監督の言葉から、第2ピリオドも膠着状態が続くと思われたが、開始3分に試合が動く。カターレ富山の相山瑞棋が左サイドをドリブルで駆け上がってクロスを入れると、中央で福山龍星が粘り強くボールをキープし、最後は右サイドから侵入した濱岸仁之介が先制ゴールを奪った。

 これで流れは一気にカターレ富山のもとへ。その2分後、今度は濱岸が右サイドから入れたボールを相山が左足で蹴り込む。「いい動きはしていたんだけどなかなかシュートが決められず、その課題を克服するために毎回、練習に一番乗りでやってきてトレーニングをしていた」(野田監督)という新5年生アタッカーの日々の努力が実った瞬間だった。第2ピリオド終盤にはフォルツァ松本がゴール前に迫る場面もあったが、得点に結びつけることはできず、カターレ富山の2点リードで第2ピリオドを終える。

 迎えた第3ピリオド、フォルツァ松本は第1ピリオドのメンバーを中心とした陣容がピッチに立ち、猛攻を仕掛けた。3分にはカウンターから藤田陽向がシュートを放ち、5分には山本のFKがクロスバーを直撃。その1分後には藤田が抜け出してシュートを放つが、相手GKの好セーブに遭って得点は奪えない。その後も必死にゴールへと迫ったが、カターレ富山の選手たちは最後まで集中を切らさず、3ピリオドの36分間が終了。2-0で勝利したカターレ富山が前回大会準決勝のリベンジを果たすとともに、設立4年目での初優勝を達成した。

 試合終了直後、悔しさのあまり視線を落とし、嗚咽を漏らしていたフォルツァ松本のメンバーにカターレ富山の選手たちが歩み寄って声をかけ、肩を叩いて健闘を称える姿が非常に印象的だった。

 優勝したカターレ富山は、5月に神奈川県で開催される予定の『JA全農チビリンピック2023 JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会』に北信越代表として出場する。野田監督は「いいチーム、いい選手がいる北信越の代表として出るので、その責任を負いつつ、自分たちがどれだけ通用するのかを経験したい」と抱負を語り、優勝の立役者となった相山も「練習から全力を出して頑張って、みんなで声をかけ合いながら全国優勝したい」と力を込めた。


■監督・選手コメント
・野田浩之監督(カターレ富山U-12)
子どもたちがこの2日間、すごく一生懸命プレーしてくれて最後まで戦い抜くことができ、苦しい時も声をかけ合う姿勢が結果に繋がったので、本当によかったと思います。
第3ピリオドで勝負をかけるという考え方で大会に臨み、準決勝の松本山雅FC戦はその形になったんですが、決勝は第2ピリオドで相山が試合を決めてくれました。
普段からいい動きをしていながらなかなかシュートが決まらないことを本人も課題に挙げ、誰よりも早く練習に来てトレーニングをしていた子だったので、すごく成長したなと思います。
いいチーム、いい選手がいる北信越の代表として全国大会に出るので、その責任を負いつつ、自分たちがどれだけ通用するのかを経験したいです。

・相山瑞棋(カターレ富山U-12)
決勝の試合前は『とにかく気合を入れていくぞ』とみんなで言っていました。
先制点の場面は、絶対に相手を抜いてクロスを上げるというイメージで仕掛けました。
自分のゴールは、(濱岸)仁之介さんからめっちゃいいクロスがきました。決まった瞬間はうれしすぎて一瞬、何が何だか分からなくなりました。
第2ピリオドだけプレーし、第3ピリオドも『もっと出たいな』と思いながら見ていましたが、優勝できて本当に良かったです。
全国大会に向けて、練習から全力を出して頑張って、みんなで声をかけ合いながら全国優勝したいです。自分の武器はドリブルなので、ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)みたいな緩急をつけたドリブルを練習して伸ばしていきたいです。

・山添誠監督(フォルツァ松本Jr)
この大会を見据えてトレーニングマッチでも3ピリオド制をやってきたのでレギュレーションへの不安はなかったのですが、直前にケガ人が出てしまったこともあって第2ピリオドの陣容が難しくなり、そのなかで失点してしまったことが残念でした。
我々スタッフの力でうまく機能させなければならなかったんですが、もう少しうまくできたかな、という悔いがあります。
このクラブは個人技をベースにしているんですが、ベスト4に進んできたチームは守備組織がしっかりしていて個人能力も高いので、得点を奪おうとしても連携や3人目の動きなどがないとなかなか崩せなかったですね。味方を生かすようなドリブルができるように選手たちを成長させていきたいです。

取材・文=池田敏明

全国9地区で開催される『JA全農杯全国小学生選抜サッカー』の模様は@zennoh_sportsにてTwitter速報を実施。

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