ル・マン24時間、延期の有無は4月15日までに発表へ。ACO会長「何が起ころうとも開催する」

2020年3月17日(火)12時2分 AUTOSPORT web

 ACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長は、6月13〜14日に予定されているル・マン24時間レースの開催延期について、4月15日までに決定を報告すると述べ、あわせて「何が起ころうとも」2020年も同イベントが開催されることを強調した。


“世界三大レース”のひとつであるル・マン24時間は現在のところ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けていない。中国・武漢に端を発し、3月現在はヨーロッパで爆発的な流行が広がっているこの新型肺炎によって、4月下旬までに予定されていたほぼすべてのモータースポーツイベントは中止または延期を余儀なくされている。


 ル・マン24時間をシーズン最終戦に位置づけるWEC世界耐久選手権も3月18〜20日に開催予定だった2019/20年シーズン第6戦セブリング1000マイルが中止に。第7戦WECスパも4月23〜25日の開催を取りやめ、延期となることが最近アナウンスされた。なお、代替日程については現在調整中だ。


 ACOでも当初、4月18〜19日に予定していた二輪のル・マン24時間、FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦ル・マン24時間耐久ロードレースの開催を9月5〜6日に延期している。フィヨン氏の説明した措置はチームと観客に「充分な警告」を与えるために採られたもので、これは6月のル・マンにも拡大されるとみられている。


「フランス政府の発表を受けて、3月と4月に予定されていた他のイベントをキャンセルまたは延期した」とフィヨン氏。


「ル・マン24時間までの間、我々は状況を監視し当局の指示に従っている。4月15日に(延期に関する)決定を発表する。だが、何が起きようとも、今年もル・マン24時間が開催されることに変わりはない」


 フランスでは新型コロナウイルスの症例が4500件を超え、うち100人近くの患者が死亡した。この影響で学校やカフェ、レストラン、映画館、ほとんどの店を含むすべての非必須事業の閉鎖が余儀なくされている状況だ。ル・マンでもカートコース、トレーニングスクール、ル・マン博物館などが閉鎖されている。


 フィヨン氏は現在の状況がフランスにとっても、世界各国にとっても「極めて不安定」だと述べた。


「新たな規制や勧告が頻繁に発表されている。新型ウイルスがどのように拡散しているか、どのような対策を講じているかが国によって異なる」


「私たちは皆、この前例のない状況のなかで一緒にいるんだ」


「柔軟性が重要であり、私たちはできる限り先を見越して、それぞれの事象に対して異なる対応に取り組んでいる最中だ」


 200人の従業員を擁するACOでは在宅勤務を推奨。学校に通う子供がいる職員には有給休暇を与えるなど組織内で積極的な対策がとられている。


「我々の職場では保護措置を講じており、他の従業員にも遵守を呼びかけている」とフィヨン氏。


「出張は制限されている。また、ミーティングは小グループで行われ、その中でも人と人との間に適切な距離を保っているんだ。さらに、可能な限りはビデオ会議を利用している」


「私たちは一般的なガイドラインに厳密に従っている。これらはすべて賢明で重要な予防策だからね」


■LMDhの発表は「できるだけ早く」


 フィヨン氏は、今週末のセブリングで発表される予定だったLMDhの技術的詳細に関する会見を「できるだけ早く」開くと確認した。


 一方、IMSAのジョン・ドゥーナン代表は現在の状況を鑑みると、発表が「少し遅れる」かもしれないとコメントしている。しかし彼は、組織内の技術部門と自動車メーカーが当面の間、テレビ会議システムを採用して対策を講じる意向を示した。


 フィヨン氏は「私たちは毎日、国内外の状況を考慮している」と述べた。


「簡単でも単純でもないが、関係者全員の負担を少なくするために最善を尽くしている」


「我々のスケジュールに影響はあるが、私たちはそれらを再考し新しいスケジュールを作る以外に選択肢はないんだ」


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