IMSA:ニッサンDPi、セブリング12時間で今季初優勝。日産エンジン搭載車の勝利は24年ぶり

2018年3月19日(月)6時0分 AUTOSPORT web

 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第2戦セブリングは3月17日、12時間レースの決勝レースが行われ、テキーラ・パトロン・ESMの22号車ニッサンンDPi(ヨハネス・バン・オーバービーク/ピポ・デラーニ/ニコラス・ラピエール組)が総合優勝を飾った。
 
 2018年で第66回目の開催となったセブリング12時間レース。前日の予選と同様、晴天のなかで迎えた決勝は定刻どおり10時40分にスタートが切られた。
 
 予選で2番手につけたテキーラ・パトロン・ESMの2号車ニッサンDPiは、スタート直後から果敢に首位を狙い、1コーナーアウト側からポールスタートのスピリット・オブ・デイトナ・レーシングの90号車キャデラックDPi-V.Rに仕掛けていく。
 
 しかし、2台はクリッピングポイント付近でわずかに接触し、結果として2号車ニッサンがハーフスピンを喫する。最後尾まで落ちた2号車ニッサンは、このアクシデントによってギヤボックスに問題を抱え0周リタイアとなってしまう。
 
 一方、上位陣はGTデイトナ(GTD)クラスのフェラーリ488 GT3が横転するクラッシュによって導入された、今レース最初のフルコース・イエロー・コーション(FCY)中のピットストップで順位が変動。90号車キャデラックに代わってアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05 DPiが総合首位に立った。
 
 その後、7号車アキュラにウェレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rと22号車ニッサンが混ざる形で、3台によるトップ争いが続けられていく。
 
 そんななか迎えたレース中盤、スタートから6時間を総合2番手で迎えた7号車アキュラが、マシントラブルにより突如ストップ。そのままリタイアとなった。アキュラDPiは僚友の6号車も7時間過ぎにマシンが止まってしまい、2台揃ってリタイアを喫している。
 
 そんなアキュラ勢に代わって上位に進出してきたマツダチーム・ヨーストの55号車マツダRT24-Pは、日没後の9時間経過時は総合5番手だったが、10時間過ぎに3番手を走る90号車キャデラックがクラッシュしたことで総合4番手に浮上。
 
 さらに、このクラッシュによって導入されたこの日10回目FCYのリスタート後には、コニカ・ミノルタ・キャデラックDPi-V.Rの10号車キャデラックをコース上で攻略し、表彰台圏内に割り込むことに成功した。

2018セブリング12時間レース スタートシーン。この直後2号車ニッサンDPiと90号車キャデラックDPiが交錯した。
マシントラブルでリタイアとなったチーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05 DPi
1994年のセブリング12時間で優勝したクレイトン・カニンガム・レーシングのニッサン・フェアレディZ(300ZX) 写真は同年のル・マン24時間で撮影されたもの。


 22号車ニッサンが後続の31号車キャデラックを約3秒離す展開で迎えたレース最終盤、チェッカーまで残り45分を切ったところで、トップ5につける全車が同一周回で最後のピットインへ向かった。
 
 トップの22号車ニッサンは順位をキープしたままピットアウトしたものの、総合2番手の31号車キャデラックは10号車キャデラックに逆転を許す。また、総合3番手の55号車マツダは、レース途中から抱えていたクラッチトラブルが災いして、すぐに再始動できず。結果、大きくタイムを失うこととなり、ワンラップダウンの総合6番手でコースに復帰することとなってしまう。


 レースは最後のピットストップ後、後続との差を3秒から10秒弱に広げた22号車ニッサンが悠々とトップチェッカー。チームにとって2年ぶり、ニッサンエンジン搭載車としては1994年のフェアレディZ(300ZX)以来、24年ぶりの総合優勝を飾った。
 
 総合2位は前年王者の10号車キャデラックが入り、同3位は31号車キャデラックが続いた。マツダ勢は55号車が総合6位でチェッカー。序盤にブレーキトラブルに見舞われた77号車マツダは、総合15番手から同8位まで順位を上げてフィニッシュしている。


 デビュー2戦目のBMW M8 GTEがポールポジションを獲得したGTル・マン(GTLM)クラスでは、コルベットとBMW、そしてフォード勢に1台ずつトラブルやアクシデントが発生するなか、2台揃ってレースを進めたポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSR(パトリック・ピレ/ニック・タンディ/フレデリック・マコウィッキ組)が、ライバルとの接戦を制して今季初優勝を飾った。
 
 ポルシェは僚友の912号車ポルシェ911 RSRもクラス3位に入り、ワン・スリー・フィニッシュを達成。クラス2位にはポールシッターのBMWチームRLL、25号車BMWが入り、初ポディウムを獲得している。
 
 クラス4位は開幕戦デイトナを制したフォード・チップ・ガナッシ・レーシングの67号車フォードGT、同5位にリシ・コンペティツィオーネの62号車フェラーリ488 GTEが続き、コルベット・レーシング勢は最上位は4号車コルベットC7.Rのクラス6位となった。

マツダチーム・ヨーストの55号車、77号車マツダRT24-P DPi
ポルシェGTチームの912号車ポルシェ911 RSR
予選でポール、決勝は2位となったBMWチームRLLの25号車BMW M8 GTE
2018セブリング12時間レース決勝結果(PDF)


 GT3マシンで争われるGTデイトナ(GTD)クラスは、レース序盤から終始トップ争いを続けたポール・ミラー・レーシングの48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3(ブライアン・セラーズ/マディソン・スノー/コリー・ルイス組)が接戦を制した。
 
 クラス2位は、レース残り1時間で5番手から2番手にポジションを上げたスクーデリア・コルサの63号車フェラーリ488 GT3がつけ、同3位はメルセデスAMG・チーム・ライリー・モータースポーツの33号車メルセデスAMG GT3がつけた。
 
 3GTレーシングのレクサスRC F勢は、14号車レクサスが15位。僚友15号車レクサスは最終スティントを1時間24分という超ロングスティントとして、ラスト1時間でトップ10圏外から一気に5位まで順位を上げ、そのままチェッカーを受けた。
 
 3チームから合計4台が参戦したアキュラNSX勢は、ともにラップリーダーにもなったマイケル・シャンク・レーシングの86号車NSXがクラス8位、93号車NSXが同7位となった。
 
 HART(ホンダ・オブ・アメリカ・レーシング・チーム)の69号車NSXは、一時クラス5番手まで順位を上げたものの、終盤に順位を落として最終的にトップから9周遅れの16位完走。また、今大会がデビュー戦となったCJウィルソン・レーシングの36号車は、12周遅れのクラス17位で初陣を終えている。
 
 IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの次戦第3戦は4月13〜14日、カリフォルニア州のロングビーチ市街地コースで開催される。

GTLMクラスを制した911号車ポルシェ911 RSR
マイケル・シャンク・レーシングの86号車アキュラNSX GT3
GTDクラスを制した48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3とクラス2位となった63号車フェラーリ488 GT3
セブリング戦からカラーリングを変更した15号車レクサスRC F GT3




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