「将来のエースとするため」――山本由伸、無念の初回KOも揺るがぬ信頼 米専門サイトは強調したド軍12年契約の“意味”

2024年3月22日(金)6時30分 ココカラネクスト

初回5失点で降板を余儀なくされた山本。しかし、地元メディアは山本の投球内容を執拗に責めはしなかった。(C)Getty Images

 注目されたメジャー初試合登板は厳しい内容となった。

 MLB開幕2戦目となる3月21日のパドレス戦で、ドジャースの山本由伸がメジャー初先発。大きな関心を集めたマウンドだったから初回から大乱調。被安打4、2四死球、5失点で、無念の1イニングでの降板を余儀なくされた。

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 出鼻をくじかれ、流れを掴みきれなかった。先頭のザンダー・ボガーツに初球、96.6マイル(約155.5キロ)のフォーシームを中前に見事に弾き返された山本は、続くタティスJr.には抜けたスプリットで死球を献上。制球の感覚を取り戻せないまま、迎えた3番のジェイク・クロネンワースには右翼線を破る三塁打を許し、あっさりと2点を失ってしまう。

 なおも変化球の制球に苦心した背番号18は、4番マニー・マチャドに四球を与え、無死一、三塁のピンチを招くと続くキム・ハソンに中堅への犠飛を打たれて3失点。2死二塁として迎えたルイス・カンプサーノの当たりは打ち取ったかに見えた三塁線の打球をマックス・マンシーが取れずに適時打に。なおも4-0とされて2死二塁の局面でテイラー・ウェイドに右前適時打を浴びて5失点となった。

 昨年12月にドジャースと12年総額3億2500万ドル(約491億円)の超巨額契約を結び、注目度が高まっていた大物日本人ルーキーだけに、1回KOという厳しい船出は本人にとっても悔いの残る結果と言えよう。

 もっとも、指揮官は山本への揺るがぬ信頼を口にする。試合後に地元放送局『LA Sports Net』で放映された記者会見に登場したデーブ・ロバーツ監督は、「制球力がなかった。制球で勝負する投手なのに、ボール先行で死球も出してしまって、彼らしくなかった」と指摘。反省を促したうえで、「彼らしさを取り戻してくれると思っている。今日はいろいろ期待を背負っていたし、緊張感もあったと思う」と慮った。

 地元メディアも、通常よりも早い時期の調整を求められたデビュー戦でのKO劇に寛容な反応を見せている。ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』は「問題はない」と断言。「ドジャースがヤマモトと契約したのは、レギュラーシーズンの1試合だけで良い投球をするためではない。チームの将来のエースとするために契約したのだ」と指摘し、12年契約の持つ意味を解いている。

「彼は、なぜメジャーリーグの各球団から引っ張りだこだったのかを、遅かれ早かれ証明してくれるだろう。そして覚えておいてほしい。ヤマモトにあれこれ語っている非ドジャース・ファンは、今オフに自分たちのチームが契約を懇願したのは、彼だったのだと」

 初陣で躓いた山本だが、いまだ春先。特大のポテンシャルを見せつける機会はまだまだある。ロバーツ監督が「これで逃げ出すような選手ではない」と鼓舞したように、ここからの奮起に期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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