ソフトバンク・牧原大 開幕セカンドは譲らない! オープン戦1号でアピール
2025年3月23日(日)6時0分 スポーツニッポン
◇オープン戦 ソフトバンク1—2広島(2025年3月22日 みずほペイペイD)
開幕セカンドは譲らない!ソフトバンクの牧原大成内野手(32)が22日、広島戦でオープン戦1号を放った。「9番・二塁」でスタメン出場し、4回に広島の2番手・杉田の直球を仕留め右越えソロ。3年連続5度目となる開幕戦の二塁でのスタメン出場へ、ジーター・ダウンズ内野手(26)との争いでアピールした。しかし、7回には痛恨の送りバント失敗。レギュラー獲りへ向けて気を引き締めた。
バットで活躍したというのに牧原大は怒っていた。頭から湯気を立てるという表現がふさわしいほど。怒りの矛先は己だった。試合後、スーツに着替えて広島へ移動する途中に歯を食いしばりながら言った。
「あのバントが全てでしょうね。できなかったというのが」
攻守ともに何でもこいのユーティリティーが珍しく小技でミスをした。1—2の7回無死一塁でサインは送りバント。広島・塹江の初球高め直球に合わせたバントは思うように転がらず捕手・石原に捕球され、一塁走者の代走・谷川原が二塁封殺となった。正二塁手を狙う立場として許せない失敗だった。
同点のチャンスを生かせずにチームは敗れたが、自身の状態は確実に上向いている。5日のヤクルト戦後に左脇腹の張りを訴え、しばらく別メニューで調整。14日の日本ハム戦で実戦に復帰して、途中出場で左前打を放った。18日の中日戦での適時三塁打など、勝負強さは健在だ。この日は「9番・二塁」で3試合ぶりにスタメン出場し、0—2の4回2死ではオープン戦1号が飛び出した。
「打ったのは真っすぐ。気持ち一本、集中しました。いいスイングができたと思います」
広島の2番手・杉田が投じた直球を捉えると、打球は低い弾道で一直線に右翼テラス席まで伸びた。この日はオープン戦で最多の4打席に立ち、二塁を最後まで守った。
開幕セカンドの座は譲れない。「その意識は全く変わっていないです」。19年に初めて二塁の開幕スタメンの座をつかみ、今年も手にすれば3年連続5度目となる。ライバルの筆頭・ダウンズはオープン戦で打率・282、1本塁打、3打点。牧原大は同・286、1本塁打、6打点。打撃成績では優勢だが、小久保監督は「セカンドは流動的ですね」と試合を終えた時点では明確な答えを出さなかった。
きょう23日の敵地での広島戦でオープン戦は終了する。「開幕まで結果を求めていくだけ」。強烈な負けん気が魅力でもある男は最後までアピールを続ける。 (井上 満夫)