【WBC総集編】大谷翔平を彩った「言葉の力」

2023年3月26日(日)11時50分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 大谷に始まり、大谷で終わった第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。侍ジャパンを世界一に導いた大谷翔平(28=エンゼルス)はプレーだけでなく、心に響く「言葉」も印象的だった。決勝戦前に発した名言をはじめ、大谷にまつわる「言葉」を集めて大会を振り返った。

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◆「あこがれをやめよう」

決勝・米国戦前のロッカールームで務めた声出しが名言すぎると話題になった。円陣で「僕から1個だけ。あこがれるのをやめましょう」と話し始めた。トラウトら対戦するスター軍団の名を挙げ「あこがれてしまっては超えられない。僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日1日だけはあこがれを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こう!」。チームを鼓舞する言葉で最高の雰囲気を作り、最終回は自らマウンドにも上がって胴上げ投手に。「二刀流」世界一を実現させた。この名スピーチは全米からも注目を集めるなど、改めて言葉の持つ力がクローズアップされた出来事となった。

◆「もっともっと野球を大好きになってもらえるように」

メキシコとの準決勝前のインタビューで、WBCアジア参加国について触れ「台湾、韓国とか、予選で今回は残念ながら負けてしまったと思うんですけど、僕らが勝っていって優勝することによって『次は自分たちも』という気持ちになるんじゃないかと思う」とメッセージ。優勝後のインタビューでも「日本だけでなく、韓国もそうですし、台湾も中国もまたその他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことがよかったと思いますし、そうなってくれることを願っています」と世界に向けて発信した。

◆「まだまだ声援が足りない」

日本ラウンドの強化試合から、ヒーローインタビューでスタンドのファンに向けた「あおり」が恒例化した。今回の侍ジャパンで初めてお立ち台に上がった6日の阪神戦(京セラドーム)で「まだまだ声援が足りないので、もっともっと大きい声援をよろしくお願いします!」と呼びかけたのが始まり。投打で活躍した9日中国戦(東京ドーム)では、大歓声で迎えられたが「まだまだ足りない」とファンをあおって楽しませた。看板直撃弾で準々決勝進出を決めた12日のオーストラリア戦では、歓声の満足度を問われ「まあまあでした」とニヤリ。ファンを盛り上げるパフォーマンスも一流だった。

◆「野球やめたい」

6日阪神戦では驚愕の膝つき弾を含め2打席連続3ランを放った大谷について、本音トークで知られる山川穂高(31=西武)の感想。「何て表現したらいいんだろう。マジで野球やめたいです。あれは努力しても無理でしょうね。ちょっと同じ競技やってるとは思えない。2本目はバットが折れてましたし、1本目はふざけてるでしょ」と苦笑交じりにパ・リーグ本塁打王も脱帽。ヒントになるか、の問いには「全くなんない。ヤバくないですか。はぁ?って感じ。ヤバいとかじゃなくて、引いたって感じでした」。その後は「僕は僕なので、自分にできることを精一杯やっていくし、要望されたものとか求められることを全力でやっていきたい」と前を向いた山川。その言葉通り、日本が奇跡のサヨナラ勝ちを収めた準決勝のメキシコ戦では価値ある犠飛をしっかりマーク。いずれにせよ、プロ野球を代表する長距離砲を驚嘆させた異次元の2発だった。

◆「痛くないようにぶつけようかな」

韓国代表コ・ウソク(高佑錫)投手が、大会前のインタビューで故意死球を狙うような発言をした。打者大谷への意気込みを問われ「真っ向勝負したい。投げるところがなければ、痛くないようにぶつけようかな」と話し、物議を醸した。後日、メディアに対して「全くそんなことする気はないです。そんなふうに教わったこともないし、投げるところがないからといって、わざと当てようと思ったこともない。立場をわきまえず、発言したことを反省している」と発言を撤回し、謝罪した。日本戦での対決が注目されていたが、大会前の登板で右肩を負傷。WBCでは1試合も登板せず、1次ラウンドで敗退した。

◆「日本に白旗上げてない」

中国代表ディーン・トレーナー監督が6日の強化試合後、大会初戦で先発が予想される大谷に対して問われ「もしも可能なら、大谷選手が球場入りする時に、タクシーやバスが遅れてくれることを願っているよ」とジョークで答えた。ところが日本や海外のメディアによって「日本に白旗を上げた」という表現で報じられた。8日の前日会見では「報道は正しいことではない。中国が試合前にギブアップしたことはない」と激怒した。結果的に大谷を攻略できずに敗れたが、試合後に大谷対策を問われると「残念ながら、時間通りにバスに乗ってきた」とユーモアで返した。他国メディアからの注目度という点でも、大谷はクローズアップされ続け、突出した存在だった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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