誰も想像しなかった“裏切り” 衝撃を与えた水原氏の違法賭博騒動の現況 米記者が見た大谷翔平の「孤独」

2024年4月8日(月)16時0分 ココカラネクスト

いついかなる時も水原氏は大谷の傍で二刀流の進化を支え続けていた。(C)Getty Images

 あらためて振り返っても、ショッキングな騒動だと言える。去る3月20日に明るみになったドジャースに所属する大谷翔平の専属通訳を務めていた水原一平氏が、同選手の資金を利用し、違法なスポーツ賭博に関与していたという問題だ。

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 世間に大々的に知れ渡るキッカケとなったのは、水原氏の“裏切り”にあった。スキャンダルの詳報をいち早く報じた米スポーツ専門局『ESPN』によれば、米連邦捜査局の調査を受けている南カリフォルニアのブックメーカー(賭け事の取扱業者)にギャンブルで負債を抱え、その肩代わりとして大谷の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)を支払っていたというものだった。

 事態の深刻さは、大谷本人の悲痛な声明からも感じ取れた。騒動発覚から5日後に実施された声明発表会見に登場した二刀流スターは、約12分間に渡る“独白”で「正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚で1週間過ごしてきた」と吐露。そして、騒動のあらましを説明するとともに、6度も「嘘」という言葉を用いて、水原氏への複雑を極める思いを説いた。

 日本ハム時代から縁を結び、2018年に水原氏が専属通訳となってからは二人三脚で歩んできた。練習の手伝いからプライベート面の補助など献身的に大谷を支える姿が印象に残っている。だからこそ、今回の一大スキャンダルは球界のみならず、お茶の間をも騒然とさせた。少なくとも水原氏が「ギリギリの生活」(『ESPN』のインタビューより)に身を置いていたとは誰も思っていなかったはずである。

 衝撃は二人を見守ってきた米識者たちも同様に抱いている。『ESPN』のティム・キーオン記者は「ミズハラを表現するのに『通訳』という言葉は決して適切ではなかった。オオタニのリズムは、ミズハラのリズムだった」と断言。水原氏が解雇となった後の大谷の現況をこう論じている。

「2人が一緒に住んでいるかどうかは誰も知らなかったが、エンゼルスのチームメイトたちは『そうなのだろう』と思っていた。外から見る限り、ミズハラはあらゆる雑務や潜在的な障害を処理していた。そして偉大なるオオタニが自分の試合のことだけに集中できるように振舞っていた。そのミズハラという絶え間ない存在は、類まれな才能を持つオオタニの一部でもあった。だからこそ、今、オオタニが一人でグラウンドを歩いている姿を見るのは、どこか違和感を覚えずにはいられない」

 違法賭博の疑いで米国税当局による捜査も受けているという水原氏だが、彼の足取りはいまだ不明なまま。この完全解決に向けて遅々として進んでいない現状にも、問題の闇深さを感じずにはいられない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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