ハインケス監督の電撃復帰がターニングポイントに…バイエルン優勝までの軌跡

2018年4月8日(日)10時6分 サッカーキング

前人未到の6連覇を成し遂げたバイエルン [写真]=Bongarts/Getty Images

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 バイエルンがブンデスリーガ第29節のアウクスブルク戦に勝利し、2017−18シーズンのリーグ優勝を決めた。今季は序盤に苦しい時期もあったが、終わってみれば2位シャルケに勝ち点「20」差をつけての圧勝。前人未到のブンデスリーガ6連覇を達成した絶対王者の優勝までの軌跡を振り返る。

①序盤戦の不調
 シーズンの立ち上がりは近年のバイエルンとしては異例の出来の悪さだった。順当に開幕2連勝を飾ったものの、第3節のホッフェンハイム戦で早々に今季初黒星。この敗戦により、直近5シーズンでは最低となる6位まで順位を落とすことになった。さらに第6節のヴォルフスブルク戦では、前半に2点のリードを奪いながら追いつかれてドロー。いつもの勝負強さは鳴りを潜め、開幕7試合を6勝1分けで駆け抜けたドルトムントにジワジワと離されていった。

 加えて、長いリハビリを終えて第2節に復帰した守護神のマヌエル・ノイアーが、第4節終了後に再び左足中足骨を骨折。現在まで続く長期離脱を強いられる。代役を務めた第2GKのスヴェン・ウルライヒの安定したパフォーマンスがなければ、チームはさらに大崩れしていた可能性もある。

②アンチェロッティ監督の解任とハインケス監督の電撃復帰
 この時期はトーマス・ミュラーやアリエン・ロッベンが指揮官への不満を口にするなど、選手とカルロ・アンチェロッティ監督の関係悪化がささやかれ始める。そして、9月13日のチャンピオンズリーグ(CL)アンデルレヒト戦で途中交代を命じられたフランク・リベリーがユニフォームをベンチに投げ捨て、ついに確執が表面化した。立場が危うくなった指揮官に追い打ちをかけるように、9月28日のCLパリ・サンジェルマン戦では敵地で0−3の完敗。この敗戦が決定打となり、アンチェロッティ監督は翌日にクラブから解任を言い渡された。

 バイエルン首脳陣はネガティブな話題が先行する現状を打破すべく、ウィリー・サニョル暫定監督を挟んで、ユップ・ハインケス監督の電撃復帰を発表。2012−13シーズンにクラブを史上初の3冠に導いた名将を呼び戻して巻き返しを図る。ハインケス監督は初陣となった第8節のフライブルク戦で5−0の大勝を収めると、3連勝を飾って10月末に今季初の首位に浮上。第11節に行われたドルトムントとの「デア・クラシカー」でも敵地で3−1の勝利を収めた。

 ハインケス監督の下で完全に息を吹き返したチームは、取りこぼしを繰り返すライバルたちを尻目に着実に勝ち点を獲得。第14節からは破竹の10連勝を飾って独走体勢を築いていく。そして、この快進撃を支えたのがロベルト・レヴァンドフスキだ。今季も開幕からゴールを量産したエースは、1月にバイエルンの外国籍選手最多得点記録を塗り替えると、ブンデスリーガでの通算得点ランキングでも歴代8位に浮上。第26節のハンブルガーSV戦ではハットトリックを達成し、バイエルン史上最速となる通算120試合目での100ゴールを達成した

③デア・クラシカーで大勝&リーグ優勝決定
 ハインケス監督の就任以降、バイエルンは第26節のハンブルガーSV戦までの19試合で17勝1分け1敗と圧倒的な成績を記録。3月18日に行われた第27節時点で史上最速優勝の可能性さえあった。この試合では意地を見せたライプツィヒに1−2で敗れたものの、今季2度目の「デア・クラシカー」ではドルトムントに6−0という歴史的な大勝を収めて優勝に王手。悲願だった「アリアンツ・アレーナでの優勝決定」こそ、来季以降に持ち越しとなったが、終わってみればやはり強さばかりが目立つシーズンだった。

 もっとも、バイエルンにとっての2017−18シーズンはここからが本番だ。今後は11日にCL準々決勝セカンドレグのセビージャ戦、17日にはDFBポカール準決勝のレヴァークーゼン戦が控えている。目指すは5年ぶり2度目の3冠。それが成し遂げられるまで、バイエルンが立ち止まることはない。

サッカーキング

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