ローヴェのBMWがGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ開幕戦で優勝。PP獲得のランボルギーニを破る

　4月7日、フランスのポール・リカール・サーキットで、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ（GTWCヨーロッパ）の開幕ラウンドが行われた。エンデュランス・カップの第1戦でもあった3時間レースを制したのは、アウグスト・ファーフス／ダン・ハーパー／マックス・ヘッセ組998号車BMW M4 GT3（ローヴェ・レーシング）だ。

　5番手グリッドから2024年シーズン最初のレースをスタートした998号車BMWは、予選でポールポジションを獲得したミルコ・ボルトロッティ／アンドレア・カルダレッリ／マッテオ・カイローリ組63号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2との間に13秒のギャップを築いて開幕戦のウイナーとなったが、レースの序盤はリードしたのはアイアン・リンクスが走らせるライトグリーンのマシンだった。

　54台の隊列の先頭を切って1コーナーに飛び込んでいった63号車ランボルギーニは、ボルトロッティのドライブでスタートから首位の座を守ったが、最初のピットストップ後にリードを奪われた。第2スティントでフロントロウ2番手からスタートを切った22号車ポルシェ911 GT3 R（シューマッハーCLRT）の後塵を拝するかたちとなったのだ。しかし、これは一時的な後退にとどまった。22号車ポルシェのドリアン・ボッコラッチはアースケーブルが付いたままコースに復帰したため、すぐにピットに戻りそれを取り外すように命じられた。

　ファーフスが最初のスティントで5番手からふたつ順位を上げていた998号車は、これで労せず2番手に浮上。中間のスティントでBMWに乗り込んだハーパーは首位を行くカルダレッリにプレッシャーをかけていく。その後このBMWは、右コーナーが連続するボーセでランボルギーニをパスしトップに立った。

　ハーパーと第3スティントを担当したヘッセは、2番手に順位を落としたアイアン・リンクスに対してアドバンテージを築いていき、最終的に前年のスパ24時間レースでローヴェが優勝して以来となるエンデュランス・カップでの優勝をBMWにもたらした。なお、この勝利はベテランのファーフスを含む998号車をドライブした3人のドライバー全員にとって同カップでの最初の優勝となっている。

　一方、敗れはしたもののランボルギーニのファクトリードライバーたちは昨シーズン開幕戦以来、初めて表彰台に返り咲いた。ポディウムの最後のスペースはジュール・グーノン／ファビアン・シラー／ルカ・ストルツ組2号車メルセデスAMG GT3（メルセデスAMG・チーム・ゲットスピード）が獲得している。

　一時は3番手を走行した優勝チームの姉妹車98号車は、給油トラブルの影響で表彰台争いから脱落。終盤に4番手まで順位を挽回したが、チェッカーまで残り18分でスプラッシュが必要となり万事休す。最終的にトップ10圏外でのフィニッシュとなった。代わって4位でチェッカーを受けたのは、マキシム・マルタン／ラファエル・マルチェッロ／バレンティーノ・ロッシ組46号車BMW M4 GT3（チームWRT）だ。ジュリアン・アンドラウアー／パトリック・ニーダーハウザー／スヴェン・ミューラー組96号車ポルシェ911 GT3 R（ルトロニク・レーシング）がトップ5を締めくくった。

　6位以下はトレゾア・アテンプト・レーシングの99号車アウディR8 LMS GT3エボII、コムトゥユー・レーシングの7号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3、ピュア・レクシングの911号車ポルシェ911 GT3 R、AFコルセ・フランコルシャン・モータースの51号車フェラーリ296 GT3というオーダーで続き、プロトン・コンペティションの64号車フォード・マスタングGT3がGTWCヨーロッパのデビュー戦でトップ10フィニッシュを果たしている。

　プロカップ以外の3クラスでは、サンテロック・レーシングの25号車アウディR8 LMS GT3エボII（ジル・マグナス／ジム・プラ／ポール・エブラー組）がゴールドカップを制し、ウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3（タナート・サティエンティラクル／ダーン・アロー／コリン・キャラサニ組）がシルバーカップの勝者に。ブロンズカップではケッセル・レーシングが走らせる8号車フェラーリ296 GT3（ニコロ・ロージ／ニッコロ・スキロ／ダビド・フマネッリ組）が開幕戦を制した。

　ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの次戦第2戦はブランズハッチ。スプリント・カップの今季初戦となるイギリスでのイベントは5月5日（日）にレース1とレース2、各60分間のスプリントレースが予定されている。

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