アーセナルとバイエルン、第1戦は痛み分け…途中出場の“切り札”トロサールが同点弾
2024年4月10日(水)5時58分 サッカーキング
チャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝ファーストレグが9日に行われ、アーセナル(イングランド)とバイエルン(ドイツ)が対戦した。
7シーズンぶりにCLの舞台へ戻ってきたアーセナルは、グループBを4勝1分1敗の成績で首位通過。第2節でRCランス(フランス)に1−2で敗れ、不穏な空気も漂ったが、残る試合では国内でも見せているような安定した試合運びで勝ち点を積み重ねた。
決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)ではポルト(ポルトガル)と激突。ポルトの本拠地で開催されたファーストレグは、自慢の攻撃陣を抑えられただけでなく、試合終了間際に失点を喫し、0−1と敗北。ホームに戻ったセカンドレグでは、前半の終盤にレアンドロ・トロサールの得点で2戦合計の同点に追い付いたものの、残る時間ではポルトの組織的な守備を崩し切ることができず、120分間でも決着はつかない。それでも、PK戦ではGKダビド・ラヤが2本のシュートを止める活躍を見せたこともあり、激闘を制す。2009−10シーズン以来、14年ぶりのベスト8入りを果たした。
一方、バイエルンはグループAで5勝1分無敗と圧巻の戦いを披露。コペンハーゲン(デンマーク)、ガラタサライ(トルコ)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)を抑えて首位通過を果たした。
ラウンド16では鎌田大地が所属するラツィオ(イタリア)と激突。敵地で行われたファーストレグでは、枠内シュート0本など攻撃で良い形を作れなかっただけでなく、チーロ・インモービレにPKでゴールを許し、0−1で敗れた。それでも、セカンドレグでは前半にハリー・ケインのゴールで2戦合計スコアを振り出しに戻すと、後半にはトーマス・ミュラー、さらにはケインが得点を挙げ、3−1と逆転に成功。5シーズン連続の準々決勝進出を決めていた。
過去、両チームはCLの舞台で12度対戦しており、対戦成績はホームチームのアーセナルから見て3勝2分7敗。2016−17シーズンのラウンド16では、2戦合計2−10という衝撃的なスコアで敗れていた。
7年ぶりの再戦に向けて、アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督は、ウィリアン・サリバ、マルティン・ウーデゴーア、ブカヨ・サカといった、現在首位に立つプレミアリーグでも主力を張る面々をスターティングメンバーとして送り出した。冨安健洋はベンチからのスタートとなっている。
一方、ブンデスリーガでは首位のレヴァークーゼンに勝ち点差「16」をつけられているため、現実的に今季獲得可能なタイトルがCLのみとなったバイエルンも、ジョシュア・キミッヒやジャマル・ムシアラといったお馴染みの面々が先発に名を連ねた。ケガのため状態が危ぶまれたレロイ・サネ、GKマヌエル・ノイアーも先発入り。トッテナム在籍時には公式戦19試合で14ゴール3アシストをマークするなど、“アーセナル・キラー”として知られるハリー・ケインも最前線でスタメンに入った。
試合は立ち上がりからホームチームのアーセナルがボールを保持し、敵陣でプレーする時間を増やしていく。すると12分、ウーデゴーアからの浮き球スルーパスで右サイドを抜け出したサカがドリブルを試みるも、ここはアルフォンソ・デイヴィスにブロックされる。だが、カイ・ハフェルツが素早い切り替えでボールを奪い返すと、セカンドボールを拾ったベン・ホワイトがタイミングを見てボックス右へ繋ぐ。ボールを引き取ったサカは得意の角度から左足を振り抜き、狙い澄ました一撃がゴールネットを揺らした。
幸先良く先手を取ったアーセナルは、16分にも前線でのセカンドボール回収から、ボックス右のスペースへ飛び出したホワイトにチャンスが到来するも、右足から放たれたシュートはGKノイアーの正面へ。
すると直後には最終ラインで連携ミスが発生。自陣でロングボールに対応する際、GKラヤとガブリエウ・マガリャンイスが重なってしまう。体制を立て直したガブリエウが縦へ繋ごうと試みるも、ここはサネがインターセプト。サネは時間をかけずに中央へ繋ぐと、うまくスペースへ走り込んだレオン・ゴレツカが左へ流し、最後はセルジュ・ニャブリがダイレクトでGKラヤの股下を通すシュートを沈める。バイエルンがこの日最初のシュートを得点に結びつけ、試合は振り出しに戻った。
その後も試合の主導権はアーセナルが握っているように映ったが、バイエルンは虎視眈々とカウンターに出るチャンスを探る。すると30分、縦パスを受けたサネが対峙したヤクブ・キヴィオルとうまく入れ替わり、前を向いてドリブルをスタート。自らボックス内まで持ち運ぶと、足を出してきたサリバのファウルを誘い、バイエルンがPKを獲得した。このPKをケインが冷静にゴール右下に沈める。放ったシュート本数は2本のみながら、バイエルンが逆転に成功して前半を終えた。
ハーフタイム明けにはアーセナルが動く。キヴィオルを下げてオレクサンドル・ジンチェンコを投入し、より攻撃的な布陣へシフト。後半に入っても試合の様相は前半と変わらず、アーセナルがより敵陣へ押し込みながら、まずは同点ゴールを目指して前への圧力を強めていく。
対するバイエルンもゴレツカ、ニャブリが際どいシュートを放つなど、リードを広げるべく前へ出られる場面では素早い攻撃を披露。アーセナルはなかなか決定的なシーンを作れずにいると、67分にはジョルジーニョとガブリエウ・マルティネッリを下げて、レアンドロ・トロサールとガブリエウ・ジェズスを送り出した。
するとこの2人が絡んで、アーセナルが再び歓喜の瞬間を生み出す。76分、敵陣右寄りの位置でセカンドボールを拾ったトロサールが右へ渡すと、サカがダイレクトで繋ぎ、ボールはジェズスの元へ。前を向いたジェズスはボックス右で相手を引きつけ、横へ流すと、後ろから入り込んできたトロサールが右足でシュートを叩き込む。アーセナルが終盤にスコアを同点とした。
その後、バイエルンはコマンがポスト直撃のシュートを放つと、アーセナルは試合終了間際にサカがGKノイアーに倒されるもノーファウルの判定。試合はこのままタイムアップの笛が吹かれ、試合は2−2のドローで終了した。決着はセカンドレグに委ねられている。なお、アーセナルの冨安に出番はなかった。
セカンドレグはおよそ1週間後の17日、バイエルンの本拠地『フースバル・アレーナ・ミュンヘン』にて開催される
【スコア】
アーセナル 2−2 バイエルン
【得点者】
1−0 12分 ブカヨ・サカ(アーセナル)
1−1 18分 セルジュ・ニャブリ(バイエルン)
1−2 32分 ハリー・ケイン(PK/バイエルン)
2−2 76分 レアンドロ・トロサール(アーセナル)
【スターティングメンバー】
アーセナル(4−1−2−3)
GK:ダビド・ラヤ
DF:ベン・ホワイト、ウィリアン・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、ヤクブ・キヴィオル(46分 オレクサンドル・ジンチェンコ)
MF:ジョルジーニョ(67分 ガブリエウ・ジェズス);マルティン・ウーデゴーア、デクラン・ライス
FW:ブカヨ・サカ、カイ・ハフェルツ(86分 トーマス・パルティ)、ガブリエウ・マルティネッリ(67分 レアンドロ・トロサール)
バイエルン(4−2−3−1)
GK:マヌエル・ノイアー
DF:ジョシュア・キミッヒ、エリック・ダイアー、マタイス・デ・リフト、アルフォンソ・デイヴィス
MF:レオン・ゴレツカ、コンラート・ライマー;レロイ・サネ(66分 キングスレイ・コマン)、ジャマル・ムシアラ、セルジュ・ニャブリ(70分 ラファエル・ゲレイロ)
FW:ハリー・ケイン
7シーズンぶりにCLの舞台へ戻ってきたアーセナルは、グループBを4勝1分1敗の成績で首位通過。第2節でRCランス(フランス)に1−2で敗れ、不穏な空気も漂ったが、残る試合では国内でも見せているような安定した試合運びで勝ち点を積み重ねた。
決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)ではポルト(ポルトガル)と激突。ポルトの本拠地で開催されたファーストレグは、自慢の攻撃陣を抑えられただけでなく、試合終了間際に失点を喫し、0−1と敗北。ホームに戻ったセカンドレグでは、前半の終盤にレアンドロ・トロサールの得点で2戦合計の同点に追い付いたものの、残る時間ではポルトの組織的な守備を崩し切ることができず、120分間でも決着はつかない。それでも、PK戦ではGKダビド・ラヤが2本のシュートを止める活躍を見せたこともあり、激闘を制す。2009−10シーズン以来、14年ぶりのベスト8入りを果たした。
一方、バイエルンはグループAで5勝1分無敗と圧巻の戦いを披露。コペンハーゲン(デンマーク)、ガラタサライ(トルコ)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)を抑えて首位通過を果たした。
ラウンド16では鎌田大地が所属するラツィオ(イタリア)と激突。敵地で行われたファーストレグでは、枠内シュート0本など攻撃で良い形を作れなかっただけでなく、チーロ・インモービレにPKでゴールを許し、0−1で敗れた。それでも、セカンドレグでは前半にハリー・ケインのゴールで2戦合計スコアを振り出しに戻すと、後半にはトーマス・ミュラー、さらにはケインが得点を挙げ、3−1と逆転に成功。5シーズン連続の準々決勝進出を決めていた。
過去、両チームはCLの舞台で12度対戦しており、対戦成績はホームチームのアーセナルから見て3勝2分7敗。2016−17シーズンのラウンド16では、2戦合計2−10という衝撃的なスコアで敗れていた。
7年ぶりの再戦に向けて、アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督は、ウィリアン・サリバ、マルティン・ウーデゴーア、ブカヨ・サカといった、現在首位に立つプレミアリーグでも主力を張る面々をスターティングメンバーとして送り出した。冨安健洋はベンチからのスタートとなっている。
一方、ブンデスリーガでは首位のレヴァークーゼンに勝ち点差「16」をつけられているため、現実的に今季獲得可能なタイトルがCLのみとなったバイエルンも、ジョシュア・キミッヒやジャマル・ムシアラといったお馴染みの面々が先発に名を連ねた。ケガのため状態が危ぶまれたレロイ・サネ、GKマヌエル・ノイアーも先発入り。トッテナム在籍時には公式戦19試合で14ゴール3アシストをマークするなど、“アーセナル・キラー”として知られるハリー・ケインも最前線でスタメンに入った。
試合は立ち上がりからホームチームのアーセナルがボールを保持し、敵陣でプレーする時間を増やしていく。すると12分、ウーデゴーアからの浮き球スルーパスで右サイドを抜け出したサカがドリブルを試みるも、ここはアルフォンソ・デイヴィスにブロックされる。だが、カイ・ハフェルツが素早い切り替えでボールを奪い返すと、セカンドボールを拾ったベン・ホワイトがタイミングを見てボックス右へ繋ぐ。ボールを引き取ったサカは得意の角度から左足を振り抜き、狙い澄ました一撃がゴールネットを揺らした。
幸先良く先手を取ったアーセナルは、16分にも前線でのセカンドボール回収から、ボックス右のスペースへ飛び出したホワイトにチャンスが到来するも、右足から放たれたシュートはGKノイアーの正面へ。
すると直後には最終ラインで連携ミスが発生。自陣でロングボールに対応する際、GKラヤとガブリエウ・マガリャンイスが重なってしまう。体制を立て直したガブリエウが縦へ繋ごうと試みるも、ここはサネがインターセプト。サネは時間をかけずに中央へ繋ぐと、うまくスペースへ走り込んだレオン・ゴレツカが左へ流し、最後はセルジュ・ニャブリがダイレクトでGKラヤの股下を通すシュートを沈める。バイエルンがこの日最初のシュートを得点に結びつけ、試合は振り出しに戻った。
その後も試合の主導権はアーセナルが握っているように映ったが、バイエルンは虎視眈々とカウンターに出るチャンスを探る。すると30分、縦パスを受けたサネが対峙したヤクブ・キヴィオルとうまく入れ替わり、前を向いてドリブルをスタート。自らボックス内まで持ち運ぶと、足を出してきたサリバのファウルを誘い、バイエルンがPKを獲得した。このPKをケインが冷静にゴール右下に沈める。放ったシュート本数は2本のみながら、バイエルンが逆転に成功して前半を終えた。
ハーフタイム明けにはアーセナルが動く。キヴィオルを下げてオレクサンドル・ジンチェンコを投入し、より攻撃的な布陣へシフト。後半に入っても試合の様相は前半と変わらず、アーセナルがより敵陣へ押し込みながら、まずは同点ゴールを目指して前への圧力を強めていく。
対するバイエルンもゴレツカ、ニャブリが際どいシュートを放つなど、リードを広げるべく前へ出られる場面では素早い攻撃を披露。アーセナルはなかなか決定的なシーンを作れずにいると、67分にはジョルジーニョとガブリエウ・マルティネッリを下げて、レアンドロ・トロサールとガブリエウ・ジェズスを送り出した。
するとこの2人が絡んで、アーセナルが再び歓喜の瞬間を生み出す。76分、敵陣右寄りの位置でセカンドボールを拾ったトロサールが右へ渡すと、サカがダイレクトで繋ぎ、ボールはジェズスの元へ。前を向いたジェズスはボックス右で相手を引きつけ、横へ流すと、後ろから入り込んできたトロサールが右足でシュートを叩き込む。アーセナルが終盤にスコアを同点とした。
その後、バイエルンはコマンがポスト直撃のシュートを放つと、アーセナルは試合終了間際にサカがGKノイアーに倒されるもノーファウルの判定。試合はこのままタイムアップの笛が吹かれ、試合は2−2のドローで終了した。決着はセカンドレグに委ねられている。なお、アーセナルの冨安に出番はなかった。
セカンドレグはおよそ1週間後の17日、バイエルンの本拠地『フースバル・アレーナ・ミュンヘン』にて開催される
【スコア】
アーセナル 2−2 バイエルン
【得点者】
1−0 12分 ブカヨ・サカ(アーセナル)
1−1 18分 セルジュ・ニャブリ(バイエルン)
1−2 32分 ハリー・ケイン(PK/バイエルン)
2−2 76分 レアンドロ・トロサール(アーセナル)
【スターティングメンバー】
アーセナル(4−1−2−3)
GK:ダビド・ラヤ
DF:ベン・ホワイト、ウィリアン・サリバ、ガブリエウ・マガリャンイス、ヤクブ・キヴィオル(46分 オレクサンドル・ジンチェンコ)
MF:ジョルジーニョ(67分 ガブリエウ・ジェズス);マルティン・ウーデゴーア、デクラン・ライス
FW:ブカヨ・サカ、カイ・ハフェルツ(86分 トーマス・パルティ)、ガブリエウ・マルティネッリ(67分 レアンドロ・トロサール)
バイエルン(4−2−3−1)
GK:マヌエル・ノイアー
DF:ジョシュア・キミッヒ、エリック・ダイアー、マタイス・デ・リフト、アルフォンソ・デイヴィス
MF:レオン・ゴレツカ、コンラート・ライマー;レロイ・サネ(66分 キングスレイ・コマン)、ジャマル・ムシアラ、セルジュ・ニャブリ(70分 ラファエル・ゲレイロ)
FW:ハリー・ケイン