『Ai-ONE TRI-BEAM』はミスがなさ過ぎて打っている気がしない? スタンダードな 『#2』とニュースタンダードな『DOUBLE WIDE』を試打レポート

2024年4月11日(木)17時0分 ALBA Net

ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか?元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。




【注目ポイント】
オデッセイは、『Ai-ONE TRI-BEAM #2パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』を2024年4月26日に発売。『Ai-ONE TRI-BEAM』シリーズは、8タイプのヘッドのラインナップになっています。その中で、スタンダードの王道として『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と、ニュースタンダードの代表であり、形状的には同じ系譜ということで『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』をチョイスして試打することになりました。

『Ai-ONE TRI-BEAM』シリーズの共通のコピーは“2つの人気シリーズが意欲的な融合 打点ブレへの強さは、さらなるレベルに”です。多くのゴルファーが予測していたように、『Ai-ONE パター』の「AI設計インサート」と、『TRI-BEAM パター』の三角の「ラケットホーゼル」が融合したのです。

『Ai-ONE パター』も『TRI-BEAM パター』も、個人的には高評価でしたので、この融合は期待が大きく、ワクワクが止まりません。ミスヒットしたときでも、打ち出されたボールの速度が落ちにくい『Ai-ONE パター』の特徴にプラスして、フェースの向きのブレを抑える『TRI-BEAM パター』の機能が融合したら、ミスに強いパターが生まれそうだというのは安易に予想できます。

また、スチール製なのに軽量化と低トルクを両立している「STROKE LAB 90 シャフト」を採用。今までの「STROKE LAB シャフト」は違う素材を合わせたシャフトだったために打ち応えが伝わりにくい弱点がありましたが、性能は変わらずに、その弱点をなくしたのが「STROKE LAB 90 シャフト」というわけです。

ちなみに、『Ai-ONE パター』は欧米でもツアープロが使用して、結果を出すことで実績を積んでいますが、三角ネックの「ラケットホーゼル」は、日本のツアーでプロが使用して、次々に結果を出しているのに欧米ではあまり注目されていません。その理由は諸説あるのですが、完全には解明はされていません。そういう事情があって、今回の『Ai-ONE TRI-BEAM パター』も、日本市場での発売です。

兎にも角にも、パターは結果が全てです。『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』の試打はワクワクしながら始まったのです。試打した日は、薄曇りで、気温は-1℃〜13℃。微風。グリーンは10フィートの速さ。使用したボールは、使い慣れていてクラブだけの影響に集中できる『TOUR B X』です。


【打感・打ち応え】
『Ai-ONE TRI-BEAM #2パター』の打音ですが、音量はちょうど良い大きさ。音質は硬質で残響も最小です。打ち応えは軽く、手応えは敏感です。

『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』の打音は、音量がやや控えめで、響きを抑えた硬質で少し鈍い音質。打ち応えは軽く、弾き感もあります。手応えはやや鈍感なのに出球の反応は良いです。


【構えやすさ・方向性】
『Ai-ONE TRI-BEAM #2パター』は、少し引っ掛けそうに見えますが、ハンドファースト気味に構えるゴルファー向きに調整されています。微調整はお手の物で敏感に反応します。

『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』は、座りが良く、狙いやすい安心感があります。癖がなく狙いやすいパターです。


【距離性能】
『Ai-ONE TRI-BEAM #2パター』の距離感は、しっかり打っても転がり過ぎない安心感があり、軽めのヘッド特有の敏感さもあります。元々、このヘッドが好きなゴルファーにはバッチリです。

『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』の距離感は、基本的に伸びがあり、良く転がります。アジャストするのは簡単です。それでいて、慣れてくれば、かなり繊細なタッチのパットも可能です。


【ロマン派ゴルフ作家語る】
『Ai-ONE TRI-BEAM #2パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』を打ってみて、融合した効果は強烈に出ていると強く感じました。

共通していえるのは、ネイビーブルーのヘッドが落ち着いていて集中しやすい、ということです。ありそうでないカラーなので、ネイビーブルーだから、という理由で『Ai-ONE TRI-BEAM パター』をチョイスするのもアリだと思います。

『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』は、いわゆるアンサー型のパターで最もやさしく、結果が出やすいパターになっています。オールドゴルファーで、最近のパターは思う通りに打てないという悩みを持っているケースと、軽めのパターで基本に忠実なパットをしたいと考えているケースは、『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』をオススメします。

『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』は、ラインを消すような強気のストレートのパットも、ラインを読みきって横から入るような繊細なタッチのパットも、両方打てるオールマイティなパターです。大きめのヘッドが好きだけど、シャープな感覚も活かしたいというケースや、曲線よりも直線的な四角のほうがイメージが出やすいというケースは、『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』をオススメします。

試打ラウンドで、どちらのパターも「不思議だなぁ」と何度も感じました。特別感はないのですが、ミスが出なくて、簡単に狙い通りに打てたからです。正直に書くと、オートマチックに結果が出てしまうのは、拍子抜けというか、物足りなさを感じます。良いスコアが出ても、自分自身でやっていない感じがするのです。もちろん、それは悪いことではありません。むしろ、それこそが令和の時代の新しいパターなのだということは理解できるのですが、素直に飲み込めなかったのです。パットが得意だという人にとって、やさしすぎるパターは鍛錬してきた自分の技術を否定するような気がして嫌う傾向がありますが、『Ai-ONE TRI-BEAM #2パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』は、そういうパターになっています。

ゴルフの名言の中に、“パットはゴルフの中の別のゲームである”というものがあります。21世紀になって、ショットで使うクラブはどんどんやさしくなってゴルファーを助けてきましたが、パターはそこまでの技術的な改革はありませんでした。まさに、クラブとパターは少し違う側面からも別のゲームになっていたようです。やさしさを利用して、結果として狙い通りのパッティングを実現するパターが、『Ai-ONE TRI-BEAM #2パター』と『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』で、新しいパターの歴史はやさしさを増すことで開かれることを教えてくれるのです。


【試打クラブスペック】
・『Ai-ONE TRI-BEAM #2 パター』

ヘッド素材 ステンレススチール+ポリカーポネート
フェース Ai-ONE・インサート
ロフト 3.0度
ライ角 70度
長さ 34インチ

・『Ai-ONE TRI-BEAM DOUBLE WIDEパター』

ヘッド素材 ステンレススチール+アルミニウムソールプレート+ポリカーポネート
フェース Ai-ONEチタン・インサート
ロフト 3.0度
ライ角 70度
長さ 34インチ


【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員

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