ドイツの人気GT3シリーズ『ADAC GTマスターズ』の最新カレンダー発表。7月末開幕の全7大会

　ドイツの自動車連盟のADACが主催する人気のGT3選手権『ADAC GTマスターズ』の暫定カレンダー最新版が発表された。この新スケジュールによれば、2020年シーズン初戦は7月31〜8月2日に行われる。

　世界中で脅威となっている新型コロナウイルス（COVID-19）の感染拡大予防策として、ADAC GTマスターズも4月6〜8日に実施予定だったプレシーズンテストを中止。また4月24〜26日にドイツ・オッシャースレーベンで開催予定だった第1戦についても10月23〜25日へ延期するなど、カレンダー再編が発表されている。

　その後はドイツ政府やDSMB（ドイツモータースポーツ協会）による新型コロナウイルスへの対応に関する動向を伺うような状況が続いていたが、イースター休暇の初日となる10日に新カレンダーが発表され、シリーズのファンやチーム関係者にとってうれしいサプライズとなった。

　新たに発表された新カレンダーも当初2020年に予定されていたのと変わらない全7戦で構成。その開幕戦は7月31〜8月2日にチェコ・モストでの開幕が予定されている。

　しかし、チェコは新型コロナウイルスの感染拡大防止策として実質的な国境封鎖が敷かれている状況。そのため、この感染防止策が開幕戦が行われる7月まで続く場合、開幕戦の舞台はドイツのラウジッツリンクに変更される予定だ。

　その後は8月中に第2〜3戦がそれぞれドイツ・ニュルブルクリンク、オランダ・ザントフォールトで行われ、第4戦は9月18〜20日にドイツ・ホッケンハイムで開催される。

　残る3戦はすべて10月中の開催となり、10月2〜4日にドイツ・ザクセンリンク、10月16〜18日にオーストリア・レッドブルリンク、10月23〜25日にドイツ・オッシャースレーベンで行われる。

　この新カレンダーについて、ADACモータースポーツディレクターのトーマス・フォス氏は「関係者とファンの健康と安全が私たちの最優先事項で、つねに状況を監視し、必要に応じて柔軟に対応する」とコメントしている。

　また、すでに販売済のチケットに関しては、そのまま新たな開催日程でも利用できるとしている。

　このADAC GTマスターズでは、シリーズ全戦で同じくADACが主催するTCRドイツが併催されるほか、6ラウンドでGT4ドイツ選手権、ニュルブルクリンク、ザントフォールト、ホッケンハイム、レッドブルリンク大会でFIA-F4が併催される。

　またポルシェカレラカップドイツもサポートプログラムの一環として、シリーズ数戦をADAC GTマスターズと併催される。

　ADAC GTマスターズは、2020年もドイツのスポーツチャンネル『Sport1』でレース生中継が行われるほか、公式ウェブサイト上で無料のライブストリーミング配信も行われる。またレース参加者には合計50万ユーロ（約6千万円）の賞金と賞品が用意される。

　4月13日時点でエントリーリストの発表は行われていないが、シューベルトやミュッケ、ザクスピード、HTPといったおなじみの強豪チームたちの参戦が予想されている。

　ドイツのモータースポーツ界については、新型コロナウイルスの収束を見据えて速やかに2020年開催カレンダーを発表できるよう、DSMBが全レースのカレンダー調整に関与すると宣言し、その後にVLN（ニュルブルクリンク耐久シリーズ）やADAC GTマスターズなどが新カレンダーを次々を発表している。

　まだ新型コロナウイルスの収束時期については予想がつかない状態ではあるが、開幕へ向けてドイツのモータースポーツ界はイースター休暇後に少しずつ前進していくことになりそうだ。

■2020年ADAC GTマスターズ開催スケジュール（4月10日発表時点）

※ラウジッツリンク（ドイツ）代替の可能性あり