トヨタGR、平川亮が“直近ウイナー”の初開催地イモラへ。トラフィック処理は「大きな挑戦」とブエミ

2024年4月16日(火)19時19分 AUTOSPORT web

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、イタリアのイモラ・サーキットで4月19〜21日に開催される2024年WEC世界耐久選手権第2戦『イモラ6時間レース』へと挑む。


 ハイパーカークラスへの新規参入ライバルが増えるなか、3月初旬に行われた開幕戦カタールでは、TGRは苦しみながらも2台そろって入賞・ポイント獲得を果たした。この結果、TGRはマニュファクチャラーズ選手権2位につけ、表彰台への返り咲きを目指し、第2戦の行われるイタリアへと向かうこととなった。


 開幕戦は、レース後4週間を経て4位でチェッカーを受けた2号車キャデラックVシリーズ.Rに失格という裁定が出されたため、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリースの7号車GR010ハイブリッドが5位、ディフェンディングチャンピオンであるセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車は8位という結果を得た。


 第2戦イモラ6時間レースが行われる、1周4.909kmのアウトドローモ・インテルナツィナオーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ、別名イモラ・サーキットは、イタリア北部のボローニャから南東に約40kmに位置する、TGRにとって初挑戦となるサーキットだ。これまでWECのイタリア戦が行われてきたモンツァ・サーキットが現在改修工事中のため、代わりにイモラが2024年のWECイタリア戦の舞台となる。


 イモラ・サーキットは、1953年の開設以来、世界で最も知られたサーキットのひとつだ。イモラで世界トップレベルの耐久レースは過去3度行われており、最後に行われた1984年のイモラ1000kmでは、ハンス・ヨアヒム・スタックとステファン・ベロフが勝利を飾っている。


 それ以来、40年ぶりに世界トップレベルの耐久レースが開催されるイモラでは、TGRとともにアルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニ、プジョー、ポルシェという9つのマニュファクチャラーから計19台のハイパーカーが集結して戦いが繰り広げられることになる。


 チームにとっては初めてのサーキットとなるが、TGRのドライバーはその多くがイモラでのレース経験を持っている。ヨーロピアン・ル・マンシリーズ(ELMS)で2016年に勝利を挙げている平川は、TGR内での直近のイモラウイナーだ。また、可夢偉とデ・フリースは彼らのキャリア初期に、ジュニアフォーミュラレースで優勝経験があり、ハートレーも2013年にELMSでイモラでのレースを戦っている。


 レースウイークは19日金曜に2回に渡って行われる90分間の公式練習走行で幕を開け、ハイパーカークラスの予選は現地時間20日土曜15時25分(日本時間22時25分)から行われる。21日日曜13時(日本時間20時)には、6時間にわたる決勝レースのスタートが切られる。


 TGRからWEC第2戦に挑む6人のドライバーのコメントは以下のとおり。


■「ついにこの伝統のサーキットでレースができる」


■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)


「イモラでまたレースができること、また、GR010ハイブリッドのステアリングを握れることを楽しみにしています。私個人は先月、米国オースティンで行われたNASCARに参戦し、素晴らしい経験をしました。しかし、今はWECへと戻り、イモラでの戦いに集中しています」


「私は若い頃、イタリアでとても多くのレースを戦ってきたので、イモラのコースはよく知っていますし、勝った経験もあります。我々のGR010ハイブリッドにとって、初めてのコースで勝利を目指すというのはチャレンジになりますが、チーム一丸となって全力で挑み、可能な限り最高の結果を目指します」


「いつもどおり、金曜日の公式練習走行から力強いスタートを切り、我々のクルマにあったセットアップの方向性をすぐに見出せるかどうかが鍵になるでしょう。そして、我々の経験とチームスピリットでクリーンなレースを戦えば、いい結果につながると思っています」


■マイク・コンウェイ(7号車)


「僕自身はこれまでイモラでレースをしたことがないので、今週末は新たな経験になるだろう。もちろんイモラは伝統的なサーキットのひとつとして何度もレースは見ているし、シミュレータでも走ったが、ついにこの伝統のサーキットでレースができることになり、楽しみだ」


「カタールでは、僕らはチャンピオン争いにおいて上位となるポイントを獲得することができたので、あらゆるチャンスを活かしてプレッシャーをかけ続ける必要がある。強力なライバルとの厳しい戦いは簡単ではないが、戦い続ける」


■ニック・デ・フリース(7号車)


「欧州でのシーズンが始まるのが楽しみだ。多くのイタリアのファンの皆様が集まり、雰囲気は特別なものになるだろう」


「イモラはWECのカレンダーでは新しいコースで、非常に狭く、チャレンジングなコースだけど、チームとしてどれだけ戦えるか、期待が高まっている」


「今大会は6時間と、カタールと比べると短いレースとなり、レース前に走れる時間も少ないので、着実に走行プログラムを進めていく必要がある。上位争いができる、良い週末になることを願っている」

2024年のWECハイパーカークラスに参戦するTOYOTA GAZOO Racingの6名のドライバー


■セバスチャン・ブエミ(8号車)


「ハイパーカーで新しいコースを走るのはいい経験だ。僕は10年以上前にイモラでF1のテストを行ったことがあるが、実際に走った経験はそれだけなので、この週末に向けては、ドイツ・ケルンのシミュレータで準備をしてきた」


「イタリアのファンの皆様を前にGR010ハイブリッドで走るのは楽しいと思うけど、レース中のトラフィック(コース上の車両混雑)処理など、大きな挑戦になるのではないかとも予想している」


「カタールでは苦戦を強いられたので、イモラでは我々全員が良いパフォーマンスを見せられることを期待している」


■ブレンドン・ハートレー(8号車)


「イタリアのファンの皆様のモータースポーツにかける情熱は語り継がれるくらい大きく、特に今大会は、ライバルであるフェラーリのホームレースとなるので、イモラの雰囲気は素晴らしいものになるだろう」


「熾烈なトップ争いが繰り広げられる、特別な週末になると思う。カタールで見せられた激しいハイパーカーによるバトルがイモラでも再現されるはずだ」


「このような非常に僅差の戦いの中では、一気に大きく順位を落としてしまいかねないので、予選から決勝に向けて誰もが些細なミスも犯すことができない。トップを目指すためには、全員が最高のパフォーマンスを発揮する必要がある」


■平川亮(8号車 )


「イモラはGR010ハイブリッドにとってまた初めてのコースとなりますが、私はF1カーで先月テストしたばかりですし、数年前にはELMSシリーズのレースをLMP2カーで戦ったこともあるので、レイアウトはとてもよく知っています」


「あのコースをハイパーカーで走るのはエキサイティングな体験でしょうし、ファンの皆様にとっても素晴らしいレースが展開されると思います」


「イモラがカタールよりも我々のGR010ハイブリッドに合っていること、カタールとは異なる週末になることを願っています。チームは再び力強く戦えるよう、懸命な準備を続けてきました。スタートが待ちきれません」


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