数的不利乗り越えU-23日本代表が白星発進 「残りの63人の気持ちも背負って戦う」チーム一丸で守った

2024年4月17日(水)5時30分 スポーツニッポン

 ◇サッカー男子パリ五輪最終予選兼U—23アジア杯1次リーグB組第1戦 日本1−0中国(2024年4月16日 カタール)

 今夏のパリ五輪出場を目指すU—23日本代表は1次リーグB組初戦でU—23中国代表を1—0で下し、白星発進した。前半にMF松木玖生(20=FC東京)が先制ゴール。DF西尾隆矢(22=C大阪)が一発レッドカードで退場するアクシデントがあったが、チーム一丸でリードを守り抜いた。大岩剛監督(51)の指揮の下、今大会最大の目標であるパリ切符獲得へ、次戦は19日にUAE戦に臨む。

 五輪ロードの最終目的地パリへ、大岩ジャパンが苦しみながら白星スタートを決めた。1点を守り抜いて逃げ切った大岩監督は「アクシデントを想定していたとはいえ、なかなか厳しい試合になった」と言って安堵(あんど)した。

 前半8分、右サイドから山田楓のクロスに松木が反応し、左足で押し込んで先制。「うまくサイドからボールが来てあとは合わせるだけだったんで、早い時間に点が取れて良かったです。(山田)楓喜くんがインスイングで蹴るときに、あそこに入ろうという練習からやっていた」。4人いる副将の1人に選ばれ、チームの中軸を担う攻撃の要が幸先よく今大会1号を放った。

 だが、その9分後に試練が訪れる。西尾がボールを保持していなかった相手MFと接触し、左肘が相手の顔面に入った。VARの結果、レッドカードで退場。70分以上を10人で戦うピンチとなった。しかし、日本は全体のラインを下げ、落ち着いて時間を使ってゲームをコントロール。再三シュートも浴びたが、GK小久保の好セーブやDF高井の体を張った守備で懸命に守り抜いた。

 昨年5月、松木と高井らはU—20W杯アルゼンチン大会に臨んだ。しかし、勝てば1次リーグ突破が決まるコロンビア戦、1—2の場面で松木がPK失敗。決勝トーナメントに進めず、悔しさを味わった。その思いが、この日のゴールと好守につながっている。

 大岩ジャパンは22年3月のチーム発足以降、候補合宿を含めると計86人の選手を招集してきた。大岩監督はチーム始動の際に「A代表経由の五輪。五輪経由のA代表じゃない」と訓示。FW細谷らがA代表を経験したことで五輪世代の強化につながっている。クラブ側に派遣義務が生じない今大会は参戦できなかった海外組も多い。大会前の全体ミーティングでは、指揮官が「86人の中から今、23人がここに来ている」と代表の意味を強調した。選手たちは「残りの63人の気持ちも背負って戦う」と誓い、数的不利な状況でもチーム一丸となって乗り越えた。

 「(次戦へ)回復としっかり分析をして、23人全員でUAE戦に向かいたい」と大岩監督。困難な出発でも、目指す行き先は明確だ。

《小久保 ビッグセーブで救う》

 小久保が再三のビッグセーブで救った。前半42分には至近距離のヘディングをはじき、同アディショナルタイムのミドルシュートも冷静にパンチング。最大のピンチとなった後半2分の1対1も絶妙な間合いの詰め方でストップした。宿舎では“人狼ゲーム”で結束力を高めるムードメーカー。「年下の子とかいたら盛り上げてほしいと言われている」と大岩監督に指示されている男が抜群のパフォーマンスでチームを盛り上げた。

 ▼GK小久保 守備中心に(松木)玖生の1点を守り切ることしか考えていなかった。自分の中でも落ち着いてプレーできた。チームを助けるプレーができて、勝利に貢献できて良かった。(アジアは厳しいと)初戦で再確認できた。

 ▼MF藤田 自分たちで(試合を)難しくしてしまったが、90分間失点なしで抑えられたので、そこはプラスに捉えていい。初戦勝てたことでいい流れに乗れると思う。

スポーツニッポン

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