「刻むのは私の中にはない」 飛ばし屋・小林夢果が熊本で徹した“安全運転”

2025年4月19日(土)9時30分 ALBA Net

安全運転の小林夢果が、セーフティーに優勝争いへと進入していく (撮影:佐々木啓)

<KKT杯バンテリンレディス 初日◇18日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6565ヤード・パー72>

前週まで2試合連続予選落ちの小林夢果が、今季自己ベストとなる「68」をマークした。初日4位も開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」の6位を上回る今季自己最高の滑り出し。残り217ヤードの2打目を4番ユーティリティでグリーンに乗せ、7個目のバーディで締めくくった21歳は満足そうにラウンドを振り返った。


「きょうは80点ぐらいです。最近はドライバーショットに悩んでいたけど、やっと(調子が)戻ってきてくれたかなと思います」

自他ともに認めるツアー屈指の飛ばし屋だが、自慢の飛距離はもろ刃の剣になっていた。258.68ヤードで昨季5位だったドライビングディスタンスは、今季も前週まで254.42ヤードで5位。ただ、フェアウェイキープ率は61.5385%で77位と、バーディとボギーは常に背中合わせだった。

短いパー4などはドライバーを握らなくても2打目は短いクラブで楽にグリーンを狙える。だが、それは自分の矜持に反することだった。「ドライバーがダメだからといって刻むのは私の中にはない。気持ち悪くても頑張ってドライバーを振り抜くと決めています」。ならば、どうする。今週は『より遠くに』ではなく『より正確に』をこれまで以上に徹底している。飛ばしたいという気持ちを抑え、フェアウェイにボールを運ぶことが自分に課したテーマだ。

「飛ばしたいと思うと体が動いてリズムが崩れちゃう。去年より距離は落ちているけど、体の軸やリズムを意識して、曲がり幅を気にしています」

この日のドライビングディスタンスは250ヤードで9位。2つの計測ホールのうち573ヤードの11番パー5は244ヤードで18位と控えめだったが、きっちりパーを拾い、2打目をピン奥1メートルにつけた12番からの3連続バーディにつなげた。最優先事項だったフェアウェイキープ率は64.3%(9/14)と、まだまだ課題は残るが、前週の予選ラウンド2日間の50%(14/28)からは飛躍的に改善された。

もちろん豪打も随所で披露した。「最初がきょうイチでしたね」という打ち下ろしの372ヤードの1番は300ヤード超えのビッグドライブ。2打目はピンまで残り50ヤードという破格の飛距離でバーディを奪った。「でも、飛距離よりフェアウェイに行ってほしい」が切なる願い。「ティショット以外のショットは今、すごくいいので、ティショットが真っすぐいってくれれば、どんどんバーディは取れると思っています」。2日目も“安全運転”に徹して、さらに上位を目指していく。(文・臼杵孝志)


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