31号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT 2019スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

2019年4月19日(金)12時13分 AUTOSPORT web

2019 AUTOBACS SUPER GT
ROUND 1 岡山国際サーキット
開催地:岡山国際サーキット(岡山県)/3.703km
4月13日(予選)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:1万1000人
4月14日(決勝)
天候:雨 コースコンディション:ウエット 観客数:1万7400人


嵯峨宏紀と中山友貴の新コンビで挑んだ開幕戦は豪雨の決勝で激しい追い上げ見せる


公式練習 4月13日(土)8:50〜10:25


 レースウイーク最初の走行となった公式練習は、4月半ばとしては気温10度、路面温度14度は低めであるが、ドライコンディションでのスタートとなった。まず#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTに乗り込んだのは嵯峨選手。早い段階から1分27秒台に乗せ、持ち込みのセットが大きく外れていないことを確認し、そこからはピットイン〜アウトを繰り返し、さらに細かくセットアップを進めつつ、タイヤの選定を行なっていく。
 
 終盤になって一度だけ赤旗が出て計測が中断されたものの、それまでずっと嵯峨選手だけが走り続ける。ラスト10分間のGT300単独の時間帯も同様。終了間際には1分26秒736をマークして、まずは20番手につけることとなった。その後に行われたサーキットサファリから、中山選手は走行を開始。20分間すべて走り続け、その間ピットに入ったのは一度のみだった。観客を乗せたバスと混走という、決して良いとは言えない状況のなかにおいても、中山選手は1分29秒800をベストタイムとし、予選に向けた準備を完了することとなった。


公式予選Q1 4月13日(土)14:45〜14:55


 予選Q1は岡山国際サーキットでは初めて2グループに分けられ、#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは最初のAグループでの走行となった。アタック担当は嵯峨選手。気温は16度、路面温度は25度と、公式練習よりは上がったものの、もう少し上がって欲しかったというのが本当のところ。それでも条件はすべてのドライバーに一緒であるから、普段以上に嵯峨選手はタイヤのウォームアップを入念に行っていた。
 
 アウトラップを含め、実に4周をかけてタイヤに熱を入れ、そこからいよいよタイムアタックに入る。まずは1分26秒756をマークした嵯峨選手であったが、次のラストアタックは1分26秒813と逆にタイムダウン。グループ14番手に甘んじたとはいえ、Q1突破となる8番手とのギャップはコンマ5秒にも満たず。いかに昨今のGT300がレベルアップしているか、誰もが強く感じたのではないだろうか。
 


嵯峨宏紀選手


「ノーミスでこの位置。車両の重さに対して加速バランス取れていないのが最大の課題。シャシパフォーマンスは良いのですが、総合的には、どこかが飛びぬけて悪いわけでもなく、まったりと遅い状況でした。この結果に対して、ガッカリしても仕方がないので明日が雨なら、ブリヂストンタイヤのウエットパフォーマンスに頼って、後方からガンガン攻めて上位を狙いますのでご期待ください」


中山友貴選手


「まだまだマイレージも足りていないマシンなので、データー取りの気持ちで焦らず開幕戦に挑みたいと思います。今は、高望みする時期ではないと自分に言い聞かせています」


金曽裕人監督


「予選はまだ、でき上がったばかりの新車であり進化の過程にあるので、『今の実力値』という感じですが、パフォーマンスはもっとあると思っていました。蓋を開けてみれば、我々はもっと努力しなきゃいけないんだな、っていうのを痛感しています。すべてのパフォーマンスをシンクロさせるのに、まだまだ時間が必要。秘めたものはたくさんあるので、予選はそこが改善されれば、もっと上に行けると思います」


決勝レース(82周) 4月14日(日)14:30〜


 事前の天気予報では『土曜日の未明から雨が降り始め、日曜日の朝にはやむ』とされていたから、午後からの決勝レースは、少々のウェットコンディションもやむなし……と、誰もが構えていたもの。しかし、実際の天気は大幅にずれ込んで、降り始めたのはピットウォークや選手紹介を終えてからだった。
 
 スタート進行の開始と同時に行われる20分間のウォームアップは、スタートを担当する嵯峨選手から走り始め、このレースウイークで初めて装着するウェットタイヤの選定が、ウェットセットの確認と併せて行われた。そして1分38秒971をマークしたところで、中山選手にバトンタッチ。後半はタイヤも温まったこともあり、最後の計測で1分38秒771を出して、このセッションは3番手で終え、雨のブリヂストンタイヤとマシンのパフォーマンスは高いことが確認できた。
 
 #31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが27番グリッドに並べられた頃は、いったん雨もやんだのだが、この先はいったいどうなることか……。チームとしての判断は、再び雨は降ると。そこでソフト傾向のウエットタイヤを装着して、嵯峨選手を決勝レースに送り出すこととなった。
 
 やはり雨が再び降り始めたため、セーフティカースタートでの開始となり、2周の先導の後いよいよ戦いが開始となった。が、それから間もなく1コーナーで、GT300の先行車両にアクシデントが発生。すぐにSCが導入される。10周目にリスタートが切られ、その後の1周だけで嵯峨選手は21番手にまでジャンプアップ。次の周にはもう1台をかわしていた。
 
 だが、その直後のモスSで多重クラッシュが発生!3台がストップし、クラッシュパッドやパーツが散乱したこともあり、赤旗が出されてレースは中断される。約50分間後に再びSCの先導で再開される。先のクラッシュで4台がリタイアとなったため、この時点での嵯峨選手は16番手。5周の先導でSCがコースを離れると、#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはまたしても激走を見せた。リスタートの後さっそく1台を抜いて、そこからも周回を重ねるごと順位を上げていく。22周目には、ついに13番手に!入賞も見えてきた、そんな矢先の出来事だった。
 
 なんとGT500でトップを争い合う車両に接触があり、1台がコースアウト。23周目から4度目のSC出動に。その後も後方集団のGT300車両がモスSでクラッシュし、さらに天候回復の見込みがないことから、31周目に再び赤旗が出されてレースは中断。約30分後に終了の発表があり、30周目の順位でレースは成立となった。ただし、規定の周回数75%を満たしていないため、入賞チームは通常のハーフポイントとなる。
 
 #31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは13位でのレース終了となったが、先行車両にペナルティが課せられ降格となったことから、ひとつ順位を上げて12位に。あと一歩のところで入賞は果たせなかったものの、ウェットコンディションのなかで15台抜き、まさに秘めたる可能性を示した。次回のレースは5月3〜4日に、富士スピードウェイで開催される。令和最初のGTレースで、どんなパフォーマンスを示してくれるか注目したい。

TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)


嵯峨宏紀選手


「予選順位を考えると15台抜きは上出来ですが、まだまだブリヂストンタイヤには余裕があり、さらに上位は見えていましたので、もう少しレースをしたかった。でも、このコンディションで走り続けるリスクを考えたら中止は正しい判断だったと思います。その雨降る寒い中、現地観戦に来てくださったすべてのGTファンのみなさまに感謝です。次戦は表彰台に乗った500kmレース。もっとドライ路面での速さを追及して、その長丁場に挑みたいと思います」


中山友貴選手


「急ぎたい気持ちがあふれ出てきますが、速さを磨くためには今起きていることにちゃんと目を向け、それに向き合っていく必要があります。1つ1つクリアしていけば、きっと道が開ける。次戦も力強くレースを戦いますので引き続き応援よろしくお願いいたします」


金曽裕人監督


「ブリヂストンのウェットタイヤのパフォーマンスがすごく高かく、下位からのスタートでしたが、上位入賞は楽に見えていたので、レースが途中で終わったのは残念です。しかし、こういう危険な状態でしたので、中断〜終了という判断は正しいと思います」


「僕らにしてみれば、少しでもポイントを稼ぎたいと思っていたので残念ではありますが、パワーウエイトレシオに影響を及ぼさない雨の中ではクルマのバランスは非常に良いことが確認できたので、これは次につながるレースになりました」


「次回の富士では、いかにロードラッグなセットアップができるか、何としても最高速を伸ばす方向で、空力パーツを駆使したいと思います。ここまで機械的なトラブルが何も出ていないので、シャシーには自信を持って挑みたいと思います」


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