ミラン、16季ぶりCL準決勝進出！　ジルーが先制弾…ナポリの猛攻を1失点に抑え敵地でドロー

　チャンピオンズリーグ（CL）・準々決勝セカンドレグが18日に行われ、ナポリ（イタリア）とミラン（イタリア）が対戦した。

　今季のCLで躍進を続けている“イタリア勢”の直接対決。12日に行われたファーストレグはイスマエル・ベナセルの自身CL初ゴールが決勝弾となり、ミランがホームで1−0と先勝を飾っていた。両チームともに週末開催のセリエAはドローで終えており、中5日で開催のセカンドレグを迎える。

　ナポリはファーストレグからスターティングメンバーを4名変更。出場停止のキム・ミンジェに代わってフアン・ジェズス、アンドレ・フランク・ザンボ・アンギサに代わってタンギ・エンドンベレが起用されただけでなく、左足内転筋の負傷でファーストレグを欠場していた“主砲”ヴィクター・オシムヘンが先発に戻ってきた。一方のミランはファーストレグと全く同じ11名が並ぶことに。同試合でプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたブラヒム・ディアスを筆頭に、ラファエル・レオンやオリヴィエ・ジルーがスタメンに入った。

　試合は立ち上がりからゴールが必要なナポリが前へ出る。9分、左サイドからカットインしたフヴィチャ・クヴァラツヘリアが右足フィニッシュ。ここはGKマイク・メニャンの正面へ。13分には逆サイドのウインガーが仕掛ける。マッテオ・ポリターノがカットインから左足を振り抜くも、強烈な一撃はわずかに枠を外れた。

　その後もナポリがシュート本数を増やしていったものの、ミランも集中力の高い守りで失点を許さず。21分には自陣でのビルドアップから前に出ると、ペナルティエリア内でテオ・エルナンデスからのリターンパスを受けたR・レオンがダイレクトでB・ディアスへ繋ぐ。このシーン、R・レオンがパスを繋ごうとした際、マリオ・ルイが遅れてチャレンジしていたと判定され、ミランにPKが与えられた。キッカーを務めるのはジルー。ゴール右下を狙ったキックはGKアレックス・メレトにコースを読まれ、先制とはならなかった。

　それでも、ここから徐々にチャンスの数を増やしていったミランは、前半終了間際の43分に試合を動かす。自陣中央でボールを奪い返したR・レオンがドリブルをスタート。スピードに乗ってそのままペナルティエリア左まで進入すると、マイナスへの折り返しをジルーが落ち着いて流し込み、ミランが敵地で先制に成功した。前半はこのまま終了している。

　後半に入っても試合の様相は変わらず、ナポリが攻勢に出る。46分には左サイドから仕掛けたクヴァラツヘリアが巧みなタッチでダヴィデ・カラブリアを抜き去り、自ら右足を振り抜くもシュートはクロスバーの上へ。57分にはまたもクヴァラツヘリアが相手選手2名の間をドリブルですり抜けるも、左足フィニッシュはジャストミートせず。

　80分にはナポリにこの日最大の決定機が到来。右サイドを駆け上がったジョバンニ・ディ・ロレンツォがペナルティエリア深い位置に侵入し、イルビング・ロサノからのパスを受けてマイナスへ折り返し。このボールがフィカヨ・トモリの手に当たっており、ハンドの判定でナポリにPKが与えられた。キッカーを務めるのは、この日再三チャンスを作り出していたクヴァラツヘリア。ゴール左下にシュートスピードのある一撃を放つも、ミランの守護神であるメニャンが完璧な読みを見せてゴールを死守した。

　後半アディショナルタイムにはセットプレーを跳ね返されたところから攻撃をスタートさせると、右サイドでボールを受けたジャコモ・ラスパドーリが左足でタイミングを外したクロスボールを供給。待っていたオシムヘンがヘディングシュートを叩き込み、ナポリがあと1点差まで詰め寄った。

　最後まで手に汗握る展開となったものの、ナポリの反撃はここまで。試合はこのままタイムアップを迎え、2戦合計スコアを2−1としたミランが、最後にCLを制した2006−07シーズン以来、16シーズンぶりにCL準決勝へと駒を進めた。一方、攻撃的なサッカーでここまで勝ち進んできたナポリの欧州での冒険はここで終了。残りのシーズンでは36シーズンぶりとなるセリエAのタイトル獲得に集中することとなる。

　勝利したミランは準決勝でインテル（イタリア）vsベンフィカ（ポルトガル）の勝者と対戦する。ファーストレグは5月9日または10日、セカンドレグは16日または17日の開催スケジュールだ。

【スコア】
ナポリ　1−1（2戦合計：1−2）　ミラン

【得点者】
0−1　43分　オリヴィエ・ジルー（ミラン）
1−1　90＋3分　ヴィクター・オシムヘン（ナポリ）

【スターティングメンバー】
ナポリ（4−3−3）
GK：メレト
DF：ディ・ロレンツォ、ラフマニ（74分　エスティゴーア）、J・ジェズス、マリオ・ルイ（34分　M・オリベラ）
MF：ロボツカ、エンドンベレ（63分　エリマス）、ジエリンスキ（74分　ラスパドーリ）
FW：ポリターノ（34分　ロサノ）、オシムヘン、クヴァラツヘリア

ミラン（4−2−3−1）
GK：メニャン
DF：カラブリア、ケアー、トモリ、T・エルナンデス
MF：クルニッチ、トナーリ；B・ディアス（59分　J・メシアス）、ベナセル、R・レオン（84分　サレマーカーズ）
FW：ジルー（68分　オリジ）