【落合×福本豊対談】走る量が減った現在の野球界 胸に刻む「調子悪かったら走りなはれ」の言葉

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　現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏（70）が22日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。大好評対談企画「博満の部屋」の第7回目として、当時世界記録だったプロ通算1065盗塁を誇る「世界の盗塁王」こと福本豊氏（76）をゲストに招いて対談を行った。

　福本氏はランニングの重要性を説いた。「走っときゃ1番ええわっていうのが分かりました。何でや言うたら、バランス良く鍛えられる」と話すと、落合氏も「1番効率のいい練習の仕方をしたってことなんでしょうね」と話した。

　「（阪急コーチの）大熊（忠義）さんに言われたのは“調子悪かったら走りなはれ”って。試合前にアメリカンノックを3本、往復。ライトからレフト、外野手は毎日やらされた。“これやっとったら1年持ちまんねん。キャンプでやったのを1年間やりなはれ”言うて大熊さんがようやってました。あれも結果的に良かったんかなと思います」と振り返った。

　落合氏は「今の時代あんまりそういうのって見かけないでしょ」と振ると、福本氏は「走りませんねえ。なんせ、こうしてウエート（をする）」と同意した。福本氏はさらに「力はないよりあるに越したことはない。それが上手く使えたらええけど、使えない人がようさんおるんちゃうのとか、もったいないなと思って見るときありますね」と話した。

　自身の現役時代についても、福本氏は「ガンガンやらなかったね。適当に数をごまかしながらやってるポーズを見せて。ほんまに今の子は走るの嫌いやからね」と振り返った。落合氏も「トレーニングコーチがあんまり走らせるっていうことに重きを置いてないんでしょ」と自身の考えを語った。福本氏は「トレーニングコーチが言ったのは、ウエートトレーニングして腕が太くなって、足が太くなって、背筋がこんだけで物凄く良くなりましたって。ああ、そう。それで成績上がらへんな。意味ないやんって。こんなん（筋肉隆々に）なってプロレス行けよと僕は1回言うたことあります」とウエートトレーニングのやり過ぎには否定的だったという。

　現役時代に1度ウエートトレーニングに力を入れたことがあったが、成績が低迷して失敗に終わったという。「ちょっとだけやって失敗しましたね。その年はやっぱり（成績が）悪かった。ちょっと力つけてやろうと思って色気出して。力あったら飛ぶかいなと思ってやって失敗して。やっぱあかんわと次の年にやめた」と振り返った。ウエートトレーニングについても「合う、合わんがあるのでこれは絶対いうのはないけども」と前置きしつつ、「自分は失敗しましたね。1年だけ」と話した。