バンカーとグリーンとの距離 1mと4mでメンテナンス代が年間1,000万円も違う! さて、高いのはどっち?

2024年4月25日(木)7時2分 ALBA Net

日本では一般的な、グリーンから離れたバンカー

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ゴルフ場にはそれぞれにデザインの特徴があると言われていますが、その一つがグリーンから離れたところに作られたバンカーです。


ほとんどの日本のゴルフ場でバンカーをよく観察してみるとグリーンから4〜5メートル離れた場所に作られていることが多いのに気づきます。海外の特に有名な設計者がデザインしたコースでは、グリーンエッジから1〜2メートルにバンカーが接しているデザインが多いのですが、実はこのバンカーとグリーンの距離にも深い意味があるのです。

グリーンから離れたバンカーの利点は、芝刈りの際に芝刈り機がターンするスペースを十分に確保できスムーズに作業できることや、バンカーショットをした際に砂がグリーン上に飛ばないので、メンテナンスやプレーペースの向上効果が期待できます。

その一方で、バンカーがグリーンにピタッと接している場合、ピンとバンカーが近い戦略的なホールロケーションが作れることや、グリーンをヒットしなかったミスショットに正しくリスクが反映されることから、ショットバリュー(ショットの価値)を適切に評価できるデザインとして、コースの戦略的な評価が高まる一方で、グリーン上に上がってしまったバンカー砂の除去や、乗用の芝刈り機を転回するスペースがないため作業に時間がかかります。

例えば600平米のグリーンを手押しモアで刈り込みした場合は約40分の時間がかかりますが、乗用の芝刈り機だと15分ほどで作業が完了しますから、その時間は約半分以下になります。

グリーンは早朝や夕方の限られた時間で一斉に刈り込みをしますから、練習グリーンも含めてグリーン刈りに要する人数は18ホールで手刈りの場合は5〜6名、乗用だと2〜4名となるため、グリーン周辺にターンするスペースの少ない戦略性の高いバンカーレイアウトを維持するには、そうでない場合と比べて年間1,000万円程度の人件費を必要とする場合があります。

作業しやすいゴルフ場はメンテナンスの省力化によって費用を削減し、安い料金でプレーができます。その一方で、安さや効率を追求したコースばかりになってしまうと、リスク&リワード(1打への罰とご褒美)というゴルフ本来の緊張や興奮が味わえないだけでなく、競技のレベルも低下して、ゴルフ文化そのものが衰退してしまいます。読者の皆さんは戦略性とコストの関係をどう感じましたか?

レポート/大矢隆司(ゴルフ活動家)
1980年生まれ。中学卒業後15才で単身オーストラリアへゴルフ留学。ジェイソン・ディら多くのトッププロを輩出するHills Golf Academyで3年間を過ごす。帰国後大学に進学し在学中にゴルフコーチに転向。ゴルフコーチングと並行して会社経営を学ぶためにビジネススクールに通いMBA(経営学修士課程)を修了。国内外でのゴルフビジネスの起業を経て、現在はゴルフビジネスのアドバイザーやPMO、オーナー代理人としてゴルフ場やゴルフ関連企業の顧問を務める

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