復帰戦の元王者ゴメスが鮮烈ポール獲得の週末は、逆転の新鋭がキャリア通算2勝目を記録/SCB第3戦

2024年4月26日(金)12時39分 AUTOSPORT web

 ブラジルを代表するカテゴリーとして創設45周年を迎えたSCBストックカー・ブラジル”Pro Series”が、その節目を記念する1戦として4月19〜21日のインテルラゴスにて2024年シーズン第3戦『グランプリ・アルセロール・ミッタル・インテルラゴス』を開催。これがひさびさのシリーズ復帰戦となった2015年王者マルコス・ゴメス(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)がフリープラクティス、予選ポールポジションと貫禄のドライブを披露するなか、決勝序盤で逆転に成功したガエターノ・ディ・マウロ(カバレイロ・スポーツ/シボレー・クルーズ)が、実に26戦ぶりでキャリア通算2勝目を飾っている。


 レースウイーク幕開けの金曜には、来季2025年より採用される新生“SUV”車両規定”の初年度に向け、三菱自動車が正式なシリーズ復帰を表明。新たに『ミツビシ・エクリプス クロス』の投入を発表するなど、メモリアルイヤーに華を添えるニュースが飛び込んだ。


 さらに週末のセッション開始とともに、そんなファンの興奮を後押ししたのがストックカー復帰を決めたサンパウロ出身の39歳で、帰って来たチャンピオンは金曜フリープラクティスで挨拶代わりの最速タイムを記録してみせた。


「ここに戻ってストックカーでレースできるのはいつもうれしいことだ。私はすでに『引退』し、子供たちや家族と楽しく過ごしていたが、先週KTFからの招待状が届いたんだ」と語った2015年SCB王者のゴメス。


「とくにここインテルラゴスはタイトル獲得の舞台であり、2019年をともに戦ったチームからの誘いを断ることはできなかった。最初のセッションでは少しトラブルがあり、短いラップを2周しただけだったが、フリープラクティスを全体首位で終えられたことはさらに素晴らしいことだね」


 そんな元王者は、明けた土曜午前の予選セッションでも決定的な局面で最速タイムを計時し、Q1とQ2でファステストラップを記録。前日FPから喰い下がるディ・マウロを0.065差で破り、通算16回目の最前列を手にした。


「僕にとっても驚きだし、まだ実感が湧かない。こんな偉業を達成するとは予想だにしていなかった」と明かしたゴメス。


「復帰して最初のレースで、チームは非常に競争力のあるクルマを用意してくれた。晩年の戦績を思えば、招待する機会に迷わず私に電話してくれた彼らには感謝しかないね」

シボレー陣営が好調さを維持した週末に、2015年王者マルコス・ゴメス(KTF Sports/シボレー・クルーズ)が快走を見せる
「晩年の戦績を思えば、招待する機会に迷わず私に電話してくれた彼らには感謝しかないね」とPP獲得のゴメス
土曜午後の30分スプリントでは、トヨタ勢に挟まれ好調フェリペ・マッサ(TMG Racing/シボレー・クルーズ/左)が2位に入る


■新鋭ディ・マウロが涙の勝利


 今季より導入された新フォーマットの土曜午後の30分スプリントでは、予選タイムの上位12名を対象とした“インバーテッド”グリッドルールにより、12番手タイムとなっていたディフェンディングチャンピオン、ガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・クルーズ)がリバースポール発進に。


 しかしそのオープニングラップで、アウト側からの狙い澄ましたオーバーテイクを決めたフロントロウ2番手発進のセザール・ラモス(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)が、現役王者を仕留めて勝利を達成。背後では7番手発進からジリジリとポジションを上げた好調フェリペ・マッサ(TMG Racing/シボレー・クルーズ)が2位に入り、ラモスの僚友チアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)の続く表彰台となった。


 迎えた日曜の決勝レース。45周年を祝う“ブラジル・モータースポーツの殿堂”で開催された50分間の勝負は、オープニングラップから元王者ゴメスvs新鋭ディ・マウロによる一騎打ちの様相に。


 利用可能な“FUN PUSH”を活用してポールシッターに迫り、プレッシャーを掛け続けたディ・マウロは、義務ピット作業のウインドウが開く前の12周目に、高速ターン4のレタ・オポスタで首位交代に成功。そのままルーティンも問題なくこなし、世代交代を予感させるシナリオで通算2勝目を飾ってみせた。


「ここインテルラゴスで勝つことは僕にとってとても特別なことだ。モータースポーツでの最初のレースはここで、僕の(ストックカーでの)事故もここで起きたし、この間ずっと多くの感情を経験してきたんだ」と、家族とともに勝利を祝った後、感情を抑えられず涙したディ・マウロ。


 その背後には、8番手発進からピット作業での逆転劇で這い上がった開幕スプリント覇者のラファエル鈴木(TMGレーシング/シボレー・クルーズ)が続き、最後のポディウムには、こちらも僚友リカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)との“世代間対決”を制したブルーノ・バプティスタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)が入っている。


 続くSCB第4戦は、ブラジル南部のパラナ州に位置するアウトドローモ・インテルナシオナル・ジルマール・ビューことカスカバルで、5月17〜19日の週末に争われる。

日曜決勝、45周年を祝う”ブラジル・モータースポーツの殿堂”で開催された50分間の勝負は、オープニングラップから元王者ゴメスvs新鋭ディ・マウロによる一騎打ちの様相に
僚友リカルド・ゾンタ(RCM Motorsport/トヨタ・カローラ)との世代間対決を制したブルーノ・バプティスタ(RCM Motorsport/トヨタ・カローラ)は3位
「ここインテルラゴスで勝つことは僕にとってとても特別なことだ」勝者ディ・マウロ


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