五輪出場を逃して広まる不信感 欧州組の不参加を嘆いた首脳陣を母国紙が糾弾!「インドネシアに負けた理由として不適切だ」
2024年4月26日(金)15時30分 ココカラネクスト
PK戦の末にインドネシアに敗れた韓国の選手たち。その複雑な胸中はガクッと崩れ落ちる選手たちの動作に現れている。(C)Getty Images
日韓両代表の明暗が分かれる一日となった。
現地時間4月25日にパリ五輪予選を兼ねたU-23アジアカップの準々決勝がカタール・ドーハで行われ、日本はカタールを延長戦の末に4-2で撃破してベスト4に進出。一方で優勝候補の一角に据えられていた韓国はインドネシアにPK戦の末に敗戦。1988年の自国開催となったソウル大会以来となる五輪出場を逃す形となった。
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まさに番狂わせと言える展開となった。韓国は1-2で迎えた73分に退場者を出して10人となり、数的不利の窮地に立たされるも奮闘。84分に何とか追いついて延長戦に持ち込むも決定打を放てず……。2巡目にまでもつれ込む大接戦となったPK戦では、イ・ガンヒが痛恨のキックミス。格下と見られていた相手に足元をすくわれる結果となった。
グループリーグ最終戦で日本を破り、首位通過を決めていた韓国。それだけにあっけない幕切れ、そして何よりも五輪出場機会を逸するという結果に選手たちは涙。チーム関係者たちも呆然とするほかになかった。
主審への執拗な抗議により後半アディショナルタイムに退場処分となっていたファン・ソンホン監督に代わって試合後の会見に出席したミョン・ジェオンヘッドコーチは、「退場という悪条件の中、選手たちが最後まで諦めずに頑張り、土壇場で追いついたことに意義を置きたい」と強調。そして「PK戦に入ってからは、もう運命を天に任せたが、幸運は私たちに巡ってこなかった」としたうえで、ショッキングな敗退の要因として、次のように論じた。
「欧州で活躍する選手を呼べずにチームとして苦労したのは事実だ。大会前に様々なルートから欧州組の合流を約束されていたが、あらゆる事情で出場させられなかった。これは大変なことだった」
今大会に向けて韓国は世代の核となってきたヤン・ヒョンジュン(セルティック)、キム・ジス(ブレントフォード)、ペ・ジュンホ(ストーク)の招集を画策。しかし、各クラブの反発を受け、断念せざるを得なかった。
もっとも、アンダーカテゴリーの大会は、A代表とは異なりサッカー協会側に選手の拘束権はない。ましてや欧州のサッカーシーンはシーズンが佳境を迎えている。欧州組の招集が困難を極めるのは必然だった。
そうした背景もあり、ミョン・ジェオンヘッドコーチの発言には厳しい指摘も飛んでいる。日刊紙『朝鮮日報』は、134位というインドネシアの国際サッカー連盟(FIFA)のランキング(韓国は23位)を強調し、こう断じている。
「試合後に首脳陣が発したのは、欧州組が反発を受け、代表に呼べなかったために、戦力が弱体化したという評価だ。しかし、これはFIFAランクで100以上の差があるインドネシアに負けた理由としては不適切だ。そもそもこの日も、グループリーグ2戦3発と結果を残していたイ・ヨンジュンがベンチスターとなるなど選手起用は正常に行われていなかった」
日本もカタールを前に苦闘を強いられた。そうしたなかで、五輪出場の常連となっていた韓国の敗退は、アジアサッカー界のレベルが高まっていることを痛感させられる事態だと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]