Q1でワン・ツー獲得の2台のARTA「細かなミスがあった」「コンマ2秒近くロスした」。Q2では悔しさが残る結果に

2023年5月3日(水)21時47分 AUTOSPORT web

 富士スピードウェイで開催中の2023 AUTOBACS SUPER GT ROUND 2 FUJIMAKI GROUP FUJI GT450km RACE。GT500クラスの予選Q1ではワンツーを独占したARTA MUGEN NSX-GTの2台だったが、Q2では一転してライバルの先行を許し、16号車は3番手、8号車は6番手に終わった。Q2担当だった福住仁嶺(16号車)と、野尻智紀(8号車)にアタックの状況を聞くと、それぞれに悔いが残る部分が少なからずあったようだ。


■いつになく悔しさ滲ませる福住仁嶺「今日獲れなかった1位を明日は獲る」


 今季、2台体制でエントリーしているARTA MUGEN NSX-GT。このうち、黒ベースのカラーリングで“夜の方”と中継などでも表現されている16号車。予選Q1では大津弘樹が抜群の速さをみせ1分26秒595でトップ通過を果たした。


 このトップタイムを見て、予選Q2でアタック担当を引き継いだ福住は「めっちゃプレッシャーでしたよ!」と、苦笑いしながら振り返った。


「朝の状態で言うと、ポールは完全に見えているわけではないなというのが、正直なところでした。午後に向けてクルマをアジャストして、選択したタイヤも良かったです。その中で大津(弘樹)選手がQ1をトップで帰ってきて……『8位以内に入ればいいから』と言っていたのに、ぶっちぎりのタイムを出してきたから、すごく緊張しましたけど、久々にああいう“良い緊張感”のなかで予選に臨めました」


 しかし、ポールポジションをかけて臨んだQ2では、細かなミスもあり1分26秒609で3番手という結果に。表情こそ笑顔をみせていた福住だが、コメントの端々から悔しさが滲み出ていた。


「ポールを獲れるポテンシャルは全然あったのですけど、(Q2では)僕自身のドライビングで、細かいミスもあったし、そういうところでポールを獲れなかったのかなと感じています。そこが、自分の実力かなと思っています」


それでも、マシンのバランスに関しては自信がある様子の福住。「チームの皆さんの期待に応えられず、申し訳ないですし、悔しいですけど、優勝できるチャンスのあるポジションです。明日は長いレースになるので、どのような展開になるのか楽しみですし、今日獲れなかった1位を明日は獲れるように頑張ります」と、力強く語った。


■100Rで失ったコンマ2秒を悔やむ野尻智紀「あれがなければ3〜4番手はいけた」


 一方の8号車は、Q1で大湯都史樹が1分26秒817を叩き出し、2番手通過を果たした。こちらもポールポジション候補の一角になるかと思われたが、野尻が担当したQ2では、思いのほかタイムが伸びず、1分26秒816で7番手に終わった。


「ちょっとしたロスが僕の(アタックの)ときにあって、それがなければコンマ2くらいは詰めることができたと思います」と野尻。グリーンファイト100Rに入った時に、一瞬パワステが効かなくなる症状がでて、ラインが少し膨らみ気味になってしまったようだ。


「トラブルというわけではないのですけど、100Rを走っていたら、パワステの容量を超えちゃって効かなくなる症状が出ました。それで一瞬ステアリングがすごく重くなって、(コーナーの)インにつけませんでした。データ的に見るとコンマ2秒近くロスしているので、そこがなければ3〜4番手くらいの位置くらいには、(パフォーマンス的に)いるのかなと思っています」


 自身のドライビングでミスがあったわけではなかったものの、野尻は「あそこで(パワステの症状が)出ていなければ、ちゃんと上のポジションに並べていたなと思うと、悔しさというか『なんで、そこで(症状が)出るの』という気持ちもありましたが、そこは仕方ないです」と、どこか割り切りがついていない様子だった。


  ただ、16号車の福住と同様に、8号車側もマシンバランスの手応えは感じている模様。


「明日は450kmで距離も長いので、十分に挽回できるチャンスもありますから、落ち着いてレースを進めたいなと思います」と野尻。


「ペースも、そんなに悪くはなさそうです。(サクセスウェイトを)積んでいるわりには、良い戦いができるのではないかなと思っています」と、決勝レースには期待を寄せていた。


 それでも、先週のスーパーフォーミュラ第3戦での一件もあったことから、「ここで焦ってしまうと良くないですし、先週のこともありますから(苦笑)。 一度、心から作り直さないとピークパフォーマンスは出せないと思うので、自分をコントロールしたいなと思います」と語った野尻。しっかりと、自分自身を戒めて、決勝レースに臨もうとしている姿勢が見られた。


 今回は、かなりの接戦だったGT500クラスの予選Q2。決勝レースも混戦模様が予想されるが、そのなかでARTAの2台が、どのような追い上げを見せるか、3スティント勝負となる決勝における“見どころ”のひとつとなりそうだ。

予選Q1でトップタイムをマークした16号車ARTA MUGEN NSX-GTの大津弘樹


予選Q1でワン・ツーを達成した16号車、8号車のARTA MUGEN NSX-GT

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