11年ぶりのプレミア対決実現! CL決勝について知っておきたい7つのこと

2019年5月9日(木)18時0分 サッカーキング

CL決勝でプレミアリーグ勢同士が11年ぶりに激突する [写真]=Getty Images

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 2018−19シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝の対戦カードが決まった。ファイナルの舞台に駒を進めたのはトッテナムとリヴァプール。トッテナムはクラブ史上初、リヴァプールは2年連続のCL決勝進出となる。

 決勝でプレミアリーグ勢同士が対戦するのは11年ぶりのこと。前回は2007−08シーズンにマンチェスター・UがPK戦の末にチェルシーを破って3回目の欧州制覇を果たしていた。今回も手の内を知り尽くした者同士の戦いとなるだけに意地とプライドをかけた好ゲームが繰り広げられることだろう。

 欧州王者を決める一戦は、6月1日にスペインの首都マドリードにあるエスタディオ・メトロポリターノで行われる。あと3週間後に迫った決戦について、今回は知っておきたい7つの情報を紹介する。

写真=Getty Images

■奇跡的な決勝進出



 まず何と言っても、両チームにとっては奇跡的な決勝進出と言える。トッテナムにしてもリヴァプールにしても、準決勝のファーストレグは無得点での敗戦。しかも、トッテナムはホームで無得点、リヴァプールはアウェイながら0−3という大差をつけられた。だが、迎えたセカンドレグでミラクルが起こる。トッテナムは敵地で3−2の劇的勝利、リヴァプールにしてもホームで4−0の完勝を収め、大逆転での決勝進出を決めた。

 ホームでの準決勝ファーストレグを落としながら決勝へ駒を進めるのは、1995−96シーズンのアヤックス(対パナシナイコス)以来、CL史上2度目のこと。一方、ファーストレグの3点差をひっくり返して決勝に進んだのはCL史上初めてのことだった。最後まで諦めない姿勢が奇跡を呼んだのは間違いなく、ファイナルでも試合終了のホイッスルが鳴るまで勝負の行方は分からない。

■通算7度目の同国決勝

 チャンピオンズカップから現在の呼称である「チャンピオンズリーグ」に大会の名称が変更されたのは1992−93シーズンから。以降、同国チームによる決勝戦は6度行われてきた。

1999−00シーズン レアル・マドリード 3−0 バレンシア
2002−03シーズン ミラン 0−0(PK3−2) ユヴェントス
2007−08シーズン マンチェスター・U 1−1(PK6−5) チェルシー
2012−13シーズン バイエルン 2−1 ドルトムント
2013−14シーズン レアル・マドリード 4−1(延長) アトレティコ・マドリード
2015−16シーズン レアル・マドリード 1−1(PK5−3) アトレティコ・マドリード

 前述のとおり、プレミアリーグ勢同士の対戦は2007−2008シーズンのマンチェスター・U対チェルシー以来、11年ぶりとなる。なお、トッテナムは過去に欧州カップ戦で“同国決勝”を経験している。1971−72シーズンのUEFAカップ決勝で、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズと対戦。当時の決勝はホーム&アウェイ方式が採用されており、2試合合計3−2でトッテナムが優勝を果たした。ちなみに、これが“UEFAカップ”の第1回大会でもあり、“初代王者”という勲章も手にした。

■公式戦170回目の対戦

 今回のCL決勝は、両チームにとって公式戦170回目の対戦となるゲームだ。互いに“宿命のライバル”というわけではないが、1909年11月13日の初対戦から数々の名勝負を繰り広げてきた。通算対戦成績は、リヴァプールが79勝43分け48敗と勝ち越している。

 なお、欧州カップ戦で顔を合わせるのは、1972−73シーズンのUEFAカップ準決勝以来、46年ぶり。当時は2戦合計2−2で、リヴァプールがアウェイゴール差で制していた。欧州の大会で対戦したのはその2度だけで、今回が3度目の顔合わせとなる。

■終盤のドラマは必至!?

 今大会のCLにはドラマがつきものだが、今回の決勝戦もスリリングな展開が待っていそうだ。というのも、両チームがプレミアリーグで対戦したここ3試合連続で終盤にゴールが決まっているからだ。

 今年3月に行われた前回対戦では、90分にトッテナムのトビー・アルデルヴァイレルトが痛恨のオウンゴール。これが決勝点となり、リヴァプールが2−1で勝利した。さらに同スコアで終わった昨年9月の対戦でも、後半アディショナルタイムにトッテナムのエリク・ラメラが得点をマーク。勝敗に直接影響を与えるものではなかったが、試合の行方は一時的に分からなくなった。

 そして、極めつけが昨年2月に行われた一戦だ。リヴァプールの本拠地アンフィールドで行われた試合は一進一退のゲームとなる。3分にモハメド・サラーが先制したものの、80分にヴィクター・ワニアマが得点を挙げてトッテナムが同点に追いつく。すると迎えた84分、リヴァプールがPKを献上。これはGKロリス・カリウスが止めたが、後半アディショナルタイムにもトッテナムにPKが与えられた。その直前にサラーがこの2点目となる勝ち越しゴールを決めていたが、ハリー・ケインがPKを成功させて、試合は2−2のドローで終了。PKの判定は物議を醸したとはいえ、最後までドキドキハラハラの展開だった。それだけに、今回のCL決勝でも「何かが起こる」と考えてよさそうだ。

■天敵撃破か、決勝のジンクス払拭か

 CL決勝は両チームを率いる指揮官にとっても晴れの舞台だが、大きな“壁”が立ちはだかる。トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督にとっての“壁”は、敵将のユルゲン・クロップ監督だ。実は“対クロップ”は過去に9戦して1勝4分け4敗と大きく負け越している。まさに“ラスボス”との対戦と言える。

 一方、クロップ監督にとっての“壁”はファイナルという舞台。今回が監督キャリア通算8度目のカップ戦決勝となるが、過去7回の挑戦で1度しか優勝したことがない。2011−12シーズンにドルトムントでDFBポカールを制したが、その後の決勝は6連敗(*PK戦での敗戦を黒星にカウント)を喫している。リヴァプールの監督としても、2015−16シーズンにリーグカップとヨーロッパリーグの決勝、そして昨季のCL決勝と3度のファイナルを経験しているが、あと一歩のところで涙を飲んできた。悲願達成のためには、トッテナムだけでなく、自らのジンクスとも戦わなければならない。

■最強3トップ揃い踏み? エースの回復状況は?

 勝負の行方を左右するポイントはいくつもあるが、攻撃陣が万全の状態で試合に臨めるかどうかは焦点の一つだろう。

 準決勝セカンドレグでは、リヴァプールのモハメド・サラーとロベルト・フィルミーノ、そしてトッテナムのハリー・ケインが欠場。主力を欠きながら逆転突破を果たしたことは称賛に値するが、決勝の舞台では彼らの存在が欠かせない。

 今大会、リヴァプールで最も多く得点を奪っているのは、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネのお馴染みの3トップ(各4得点)。対するトッテナムもエースのハリー・ケインがルーカス・モウラと共に最多5ゴールを奪っているからだ。

 サラーとフィルミーノの出場は問題ない見込み。一方のケインも、4月に左足首を負傷してから欠場が続いているが、本人曰く「今週からまっすぐ走ることを始めた」という。試合勘はともかく、試合出場の可能性は残されており、今後の回復具合が注目される。

■予想オッズは?

 イギリスの大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』は、すでに決勝戦の勝敗予想オッズを発表している。日本時間5月9日15時時点のオッズは、トッテナムの勝利が「3.8倍」、リヴァプールの勝利が「1.95倍」、そして“90分間ではドロー”が「3.6倍」となっている。

 現時点では、1年前にCL決勝という特別な舞台を経験しているリヴァプールが優位と見られているようだ。しかし、何が起こるか分からないのが一発勝負の醍醐味だろう。歴史に残る大激戦が続いた今季のCLであれば、なおさらだ。果たして、ビッグイヤーを手にするのはトッテナムか、リヴァプールか。3週間後に行われる欧州サッカー最大の祭典を今から楽しみにしたい。

(記事/Footmedia)

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