【2025スポニチ調査ファイル(5)】天理・赤埴幸輝 世代屈指「守れる大型遊撃手」
2025年5月13日(火)7時0分 スポーツニッポン
新聞紙面と動画を連動させてアマチュア野球の有力選手をリサーチする「スポニチ調査ファイル」。第5回は、今秋ドラフト候補に挙がる天理(奈良)の赤埴幸輝(3年)を調査する。世代屈指と評される遊撃守備が長所で、1メートル81の長身ながら動きの俊敏さは特筆ものだ。貴重な「守れる大型遊撃手」の秘密を解き明かすべく、名門の練習に潜入した。
長身と堅守の両方を兼ね備えていることが赤埴の希少価値を高めている。「長身であることの苦労は、それほど感じないです」。1メートル81の身長を生かしたスピード感のある守備を見せたかと思えば、小兵選手のような細やかな動きも披露する。「自分の長所」と自信を持つ卓越したハンドリングは、内野ノックを見れば一目瞭然だ。
名門校で1年春からベンチ入りし、今年4月のU18日本代表候補の強化合宿に招集された。世代を代表する遊撃手と言える。身のこなしは大型選手とは思えないほどに軽やか。その動きは、トップアスリートのような肉体が可能にしている。体重74キロで筋肉量が40キロを超え、体脂肪率は10%を下回る。「体脂肪率はもっと高くていいのですが…」と頭をかくものの、大型化が進む高校球界にあって、スラッとした体、バネのある動きは一段と光って見える。
天性の俊敏性が、軽快な守備に直結している。立ち幅跳びは2メートル60を誇り、反復横跳びは「体力測定で全国上位にいけるかも。間違いなく守備の動きにつながっている」と言う。「足の速さもある方ですし跳躍、瞬発系は強いと思う」。ウエートトレーニングの数値は「チームの平均より少し強いぐらい」と明かすものの、力の強さだけで勝負していない点が、赤埴の魅力と言える。
昨秋ドラフトでは赤埴と同じ1メートル81の長身で守備自慢の金沢(石川)・斎藤大翔が西武の1位指名を勝ち取ったように、「堅守の大型遊撃手」は貴重だ。「(U18代表候補の)強化合宿でも守備では誰にも負けていないと思った」。「世代No・1遊撃手」とも評される理由は、守備の動きに全て詰まっている。 (河合 洋介)