大野豊氏 今季は得点力がある広島、リードした終盤は勝ち切れるように改善を
2025年5月14日(水)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島5—4巨人(2025年5月13日 マツダ)
【大野豊 視点】広島にすれば望ましい結末になった。延長12回の点の取り方は理想的と言える。左前打の先頭・末包を中軸の坂倉がバントで送り、小園がしぶとくつないで、戦列に復帰したばかりのモンテロが決める。12回表を零封したルーキーの岡本にもプロ初星が付き、これ以上ない勝ち方となった。
ただし、本来は4—2で勝ち切らなければいけない試合だ。最大の誤算は8回に救援したハーンの同点2ラン被弾。延長戦に突入したのはこれで今季8試合目だが、この日を含め6試合が追い付かれてのもので、リードした7〜9回に失点するケースが多い事実が何とも気になる。
言うまでもなく、競り合った終盤の1、2点の攻防は勝敗を左右する。勝ちパターンを担う投手の責任はそれだけ大きく、乱調が続くのなら、なぜそうなっているのかを個々が反省して準備し、しっかり投げ切れる状況をつくる必要がある。
シーズンはまだ序盤。打てなかった昨季と違って今季は打線に得点力があるだけに、リードして迎えた終盤は勝ち切れるよう早期の改善を求めたい。 (スポニチ本紙評論家)