ソフトバンク勝率5割へ王手 山川が愛弟子リチャードへ惜別マルチ安打
2025年5月14日(水)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク6—1西武(2025年5月13日 京セラD)
ソフトバンクは2点リードした7回に4番の山川穂高内野手(33)が左越え適時打を放った。愛弟子のリチャード内野手(25)が、12日に電撃トレードで巨人へ移籍。この日の広島戦で1号アーチを放ったが、師匠は負けじと“惜別”ダメ押し打を含むマルチ安打で連勝に貢献した。先発したリバン・モイネロ投手(29)は7回1失点で開幕4連勝。借金は1とし、勝率5割へ王手をかけた。
快音を響かせ舞い上がった打球は左翼フェンス直撃でスタンドインならず。それでも7回1死一、二塁から貫禄のダメ押しタイムリーになった。
「正直、行ったと思ったんですけどね。詰まってましたけど、うまくさばけたので。あそこは二塁まで行かないといけない」
スタートが遅れて一塁止まりとなった走塁面を反省した大砲だが、開幕から全試合に4番で出場して打線を支えている。1点リードの6回無死一塁も追加点につなげる右前打を放って6試合ぶりのマルチ安打。「1、2打席目は全然ダメでしたけど、3打席で修正をかけることができた。明日は1打席目からやっていこうと思っています」と頼もしく口にした。
朗報に笑みがこぼれる。自主トレをともにするなど目をかけてきたリチャードが巨人に移籍して即ホームランを放った。「やっぱりうれしいですよね。弟分みたいなものなので」と素直に喜んだ。
それでもリチャードから来た移籍報告の電話は5秒で切ったという。「“はーい”“おっつー”みたいな」。それは山川なりの思いの表れだった。「いまさら“頑張れよ”とか言うのも違和感があったので。ツンデレもいいところの絡みをし続けてきたのでね。構うと寄ってくるので。突き離さないといけない。そこがかわいいんですけど、ダメというのもあって」。
独り立ちした弟分の能力の高さは誰よりも熟知している。「打球速度も大谷選手と同じぐらいなので。“これ”というものを見つけてほしいですね。自分の生きざま、信念を持ってほしい。みんなが活躍してほしいと思っている」と春季キャンプでは衝撃の打球速度191キロを叩き出した愛弟子に、熱くエールを送った。
「ここまで来るとファンと言っていいと思うので。ここからは“一(いち)リチャードファン”として応援してます」。こう笑みを浮かべた主砲は「バンバン両リーグで(2人で)ホームランを打って球界を盛り上げて行ければ」と誓った。アーチを量産してチームの巻き返しをけん引していく。 (木下 大一)
≪栗原が目覚めた≫
H…眠っていた栗原が目覚めた。初回無死一、二塁で右翼への先制適時打。4試合、17打席ぶりのヒットが決勝打になった。「絶対に生かそうと思った。大事な先制点を取ることができて良かった」と笑顔。4月23日のオリックス戦以来、出場13試合ぶりの適時打となり、6回は先頭でフルカウントからの7球目を見極めて四球で出塁し、2点目のホームを踏むなど、3四球を選び全打席で塁に出た。