金子駆大が悲願の初優勝 母・久美さんが語る息子の成長「小さい頃は恥ずかしがり屋。プロになって変わった」…関西オープン
2025年5月19日(月)5時30分 スポーツ報知
悲願の初優勝を飾り、優勝トロフィーを掲げる金子駆大(中央)と母・久美さん(右)。左は幼少期にゴルフを教わった林紘史氏(カメラ・森脇 瑠香)
◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 最終日(18日、滋賀・日野GC=7035ヤード、パー70)
節目の90回目を迎えた関西オープンは金子駆大(22)=NTPホールディングス=が1イーグル、3バーディー、2ボギーの67と伸ばし、通算15アンダーで悲願のツアー初優勝を飾った。賞金1600万円に、16番でのイーグル賞100万円を獲得。今季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(12月4日開幕・東京読よみうりCC=報知新聞社主催)の2年連続出場を決めた。初勝利の瞬間を見届けた母・久美さん(48)は息子の成長に目を潤ませた。
号泣する息子を優しく抱きしめた。母・久美さんは「よくやったな、頑張ったな」と涙を流した。16番パー5でイーグル、17番パー3では7メートルを沈めるバーディー。単独首位に躍り出た金子は「心臓の音が聞こえるくらい緊張した」という18番パーパットを決め、初優勝を決めた。人目を気にせず涙を流す息子を見て、久美さんは「本当に?って感じ。やっとここまできたんだな」とプロ初勝利に目を細めた。
久美さんが学生の頃にゴルフをしていたため、「息子にもさせたくて」と3歳からクラブを握らせた。「小さい子はみんな飽きちゃうのに、練習は飽きずにずっとできる子だった。ゴルフが好きなんだなって思った」と全力でサポートしてきた。中学時代は「荒れていて、クソババアも言われた(笑)」と懐かしそうに振り返り、「今は買い物に行くと、美容パックを買ってきてくれる。基本は優しいので」と照れくさそうに笑みを浮かべた。
今大会で初めて組んだというキャディーのスコット氏とも日本語や英語で会話をするなど、社交的な性格の金子。だが、「小さい頃は引っ込み思案で恥ずかしがり屋」と母は明かす。「幼稚園の頃は前に出たらって言ったら、嫌だ!って私の後ろに隠れる子だった。プロテストに合格して、一人で行動するようになって、自分で前に前に行くようになった。性格が変わったなって」と驚いたという。この日は多くの仲間に祝福される息子を見て、「人との輪を広げるのがうまい。こんな人付き合いうまいんだって」と、ゴルフ以外での成長も目の当たりにした。
目標だった初優勝をかなえ、「早く海外に行きたい。賞金ランキング3位以内、賞金王になれるように」と大きな目標を掲げた金子。久美さんは「今年は!ってずっと意気込んでいた。早く結果が出せて一安心。(優勝できなくて)焦るともっともっとってプレッシャーがかかる。プレッシャーなしにゴルフを楽しめるかなって」と胸をなで下ろした。大きな優勝トロフィーを一緒に掲げた2人。これからも息子の成長を隣で見守る。