【あなたは何しに?】かつてザウバー相手に訴訟を起こした元F1ドライバー

2018年5月20日(日)8時0分 AUTOSPORT web

 F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。そんな人たちに、「あなたは何しに?」を尋ねる連載企画。今回は元F1ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデだ。


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 スペインGPの土曜日、予選後。レッドブルのモーターホームであるエナジーステーションの2階で、レッドブルドライバー2人の記者会見が催された。先にダニエル・リカルドが行い、その後マックス・フェルスタッペンが入れ替わった。


 通常、会見が終わるとドライバーはほかの個別インタビューを受けたり、エンジニアリングルームへ行ったり、スポンサー関連の仕事へ行くために、その場を離れるものだが、フェルスタッペンは記者会見場となった隣のテーブルに移って、F2のレースを見ながらリラックスした時間を過ごしていた。


 なぜなら、そのテーブルにはよく知る友人が座っていたからだ。それはギド・ヴァン・デル・ガルデだ。


 2013年にケータハムのレギュラードライバーを務めた経験があるヴァン・デル・ガルデは、14年にザウバーのリザーブドライバーに就任。15年にはレギュラードライバーが約束されていた。


 ところが、チームはマーカス・エリクソンとフェリペ・ナッセと契約したため、15年の開幕戦オーストラリアGP直前にザウバーを相手取って訴訟を起こした。裁判には勝ったヴァン・デル・ガルデだったが、ザウバーのガレージで想像以上の冷遇を受けたためにレースへの出場を断念。最終的に示談に至った。


 その後、ピレリのF1タイヤ開発担当ドライバーを務めたヴァン・デル・ガルデだったが、F1の世界で生き残る道は残っておらず、活躍の場をスポーツカーレースに移し、2018年は世界耐久選手権(WEC)のLMP2クラスに参戦している。そのため、F1のパドックに姿を見せるのは、昨年の最終戦アブダビGP以来だった。


 ところで、どうしてフェルスタッペンのテーブルに?


「じつは私のカート時代をサポートしてくれたのが、マックスのお父さんのヨスだったんだ。私は2001年と02年にワールドチャンピオンに輝いているけど、そのときエンジンをメンテナンスしてくれたのがヨスだった」(ヴァン・デル・ガルデ)


 ともにオランダ人で、自宅も車で1時間ほどしか離れていなかったというヴァン・デル・ガルデは、ヨスと一緒に戦い始めた01年にたびたびフェルスタッペン家を訪れた。そこには3歳になったマックスがいて、お兄さんのように慕われていたという。


「今回は、オランダのテレビ局の仕事で来た。今年はあと2回、F1に来ることになっている」というヴァン・デル・ガルデ。幼い頃からの友人と同じテーブルを囲んでいたフェルスタッペンの顔は、レースウィークには見せない穏やかな表情となっていた。


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