迫る決戦!埼玉WKとBL東京の頂上対決 タフな”我慢比べ”に勝つのはどちらか

2024年5月25日(土)6時30分 ココカラネクスト

埼玉WKとBL東京、両雄の決戦で軍配が上がるのはどちらか(C)産経新聞社

 いよいよ決戦の時が迫っている。

 2シーズンぶり2回目の優勝を狙う埼玉ワイルドナイツ(以下埼玉WK)と、名門復活をアピールすべく初優勝を目指す東芝ブレイブルーパス東京(以下BL東京)の激突。3シーズン目の『NTTジャパンラグビーリーグワン』チャンピオンが26日に国立競技場で決まる。

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 ラグビーリーグワン2023−24シーズンのプレーオフ準決勝は5月18日、19日の両日に行われ、シーズン首位の埼玉WK、同2位のBL東京が決勝へと駒を進めた。

 5月18日の第1戦、シーズンを16勝無敗で駆け抜けた埼玉WKは、シーズン4位でシーズン中に2度対戦して2度とも圧勝した横浜キャノンイーグルス(以下横浜E)に20-17と土俵際まで追い詰められた。

 横浜Eは、接点近辺でのバトルに固執せず、スペースを広く使って、外に外にボールを運んで勝負をかけるという作戦が見事に奏功した。

 また、ターンオーバーされても、ミスが生じてもめげなかった気迫が特に素晴らしかった。特に後半残り時間10分を切ってからの攻撃は実に見応えがあった。

 それでも、埼玉WKのしぶといディフェンスは、致命的なピンチの回数を最小限に抑え、逃げ切りに成功した。横浜Eの沢木監督に「今年のベストゲーム」と言わしめながら、勝利を許さなかったのは王者の矜持と強固なウイニングカルチャーの為せる業だろう。

 本拠地を同じくする、BL東京と東京サントリーサンゴリアス(以下東京SG)の「府中ダービー」となった19日の第2戦は、シーズン中の対戦で2連勝しているBL東京が、プレーオフでの下剋上を狙った東京SGを返り討ちにした。

 序盤は意欲的に攻め込んでくる東京SGの攻撃を防ぎきれず、最大13点差をつけられてしまったものの、長い低迷期を経て、自信を取り戻したBL東京フィフティーンは慌てなかった。SOリッチー・モウンガ、FLシャノン・フリゼルという2人のオールブラックスの主力選手の存在も自分たちの底力を信じる勇気を与えてくれたようだ。前半の終了前くらいの時間帯から盛り返して逆転すると、東京SGの死に物狂いの反撃をしのぎ切った。

 26日に行われる両雄の激突は、いずれ劣らぬ強力なフィジカルをぶつけ合うタフな守り合いとなるだろう。密集近辺のバトル、ラインディフェンスはほぼ互角で、両チームともに大きなゲインはなかなか望めそうにない。いかに、フェイズを重ねて大外の選手に十分なスペースを与えてゲインさせるかが焦点となる。大外のWTBは、埼玉WKは豪州代表マリカ・コロインベテ、竹山晃暉、BL東京には日本代表ジョネ・ナイカブラ、今シーズン大ブレイクした桑山淳生といずれ劣らぬスピードと決定力を兼ね備えた面々が名を連ねる。彼らのマッチアップも見どころの一つだ。

 また、ランプレーによる効果的なゲインが見込めない状況下では、ハイパントやゴロパント、キックパスなどをいかに織り交ぜていくかがポイントの一つになるのだが、BL東京のモウンガは、キックの落下点の読みが的確で、かつほとんどボールを落とさない堅実なフィールデイングが光る。不用意なキックは、チャンスどころか逆襲を喰らい、致命的なピンチを招くこととなるので、埼玉WKのSH小山大輝、SO松田力也のキックにも大いに注目したい。

 BL東京には長い低迷を脱した新時代の到来をアピールしたいという想いが、埼玉WKにはチームと日本代表を長く支えた功労者であるHO堀江翔太、SH内田啓介という2人の引退試合を白星で飾りたいという想いが強くある。この強い想いを両チームの選手たちが、フィールド上でどう表現するのか。今からワクワク感が止まらない。

[文:江良与一]


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